きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

雪の華

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中島美嘉のヒット曲「雪の華」をモチーフに、登坂広臣中条あやみ主演で描くラブストーリー。余命1年を宣告されてしまった平井美雪には、両親が出会ったフィンランドの地でオーロラを見ることと、人生で初めての恋をすることという2つの夢があった。ある日、ひったくりに遭った美雪は、ガラス工芸家を目指す綿引悠輔に助けられる。両親を亡くし、兄弟を1人で養っていた悠輔は、働いている店が危機に陥っていた。そのことを知った美雪は店を助けるために、100万円を支払うことと引き換えに、1カ月限定の恋人になってほしいと悠輔に持ちける。悠輔役を登坂、美雪役を中条が演じ、田辺誠一高岡早紀、浜野謙太らが脇を固める。舞台となるフィンランドでもロケを行い、撮影された。監督は「羊と鋼の森」「orange オレンジ」の橋本光二郎。「いま、会いにゆきます」「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の岡田惠和が脚本を担当。
(映画.comより)

中島美嘉の『雪の華』。
言わずと知れた日本の音楽史に残る様な名曲ですし、冬の定番として毎年この時期によく耳にする楽曲です。
そんな『雪の華』を題材にした恋愛映画という事で過去作なら『涙そうそう』(2006)や『ハナミズキ』(2010)の流れといったところでしょうか。(最近は『愛唄』という作品がありましたね。)

こういう名曲をモチーフにした感動作となると如何に元となった曲の世界観が構築出来るか、そして大袈裟にならず、如何に感動を与えるか。
そこが評価の分かれ目になるかと個人的には思っています。

しかし、本作に関してはやや辛口になります。

まず、この作品は恋愛映画です。
普段の自分が選択しないタイプの作品ですが、恋愛映画が決して嫌いなわけではないと初めにお伝えしておきます。

まず、中条あやみ登坂広臣の二人について。
実は僕はこの二人が出演する映画を見るのは初めてかもしれないです。
中条さんについては『チア☆ダン』では見ていますが、彼女の主演ではありませんからね。
それを除いて。
そして登坂さんついては『HIGH & LOW』なんかがありますが、どうもこのテの映画というのは苦手でして(笑)

で、二人の演技自体は悪くはなかったですよ。
ただ、中条あやみちゃんは『チア☆ダン』のイメージが良すぎたのかな、やや病弱な女性とかけ離れていた感は否めないのですが。

後、本作の最大の見せ場と言えるのですが、フィンランドの風景なんかは非常によく録れてました!
幻想的な雰囲気が『雪の華』の曲ともマッチしてましたし、フィンランドへ行きたいと思わせてくれる様なカメラワークであったと思います。

葉加瀬太郎氏による音楽も雰囲気に合っていましたし、良かったです。

ただ、問題は内容なんですよね。
突っ込みドコロも多すぎるし、話しのテンポも悪いし、正直どこから手をつけていこかなて感じです。

まず、中条あやみ演じる美雪の病気が全くわからない。
何の病気に冒されているかの説明は一切ないし、余命幾ばくもない重病患者にしてはあまりに元気過ぎる。
何で一ヶ月間に何度もフィンランドに行ける体力があるんだよ。
で、そのフィンランド行きに関しては登坂広臣演じる悠輔もまた然りなんですが、彼は両親を亡くし、弟と妹の面倒を見ながら先輩のしてるカフェの手伝いをしてるわけです。
先輩のカフェだって経営状態は決してうまくいっていない。
そもそも美雪が祐輔に近づいたのはその店を助ける為、100万円の現金を渡した事にはじまるわけです。(そこの時点で大分おかしいんだけどね。)
つまり、何が言いたいかと言うと。
悠輔は決して裕福じゃないんですよね。
なのに何でひょいひょいとフィンランドに行けちゃうんだよ(笑)

また、美雪がカフェで田辺誠一演じる主治医とお茶をするシーンで悠輔が目撃して、勘違いをする。
それ自体、恋愛映画でのベタなシーンですが、その後、美雪の病気を知り、この人物が主治医である事をはじめて知るわけです。
しかし、その時に「あの時の…」みたいな回想シーンが入るわけでもなく、あっさり受け入れる辺りは不自然極まりなかったです。
言わば誤解が解ける瞬間でもあるんだから何かしらの描写は欲しかった。

後、エンドロール中のシーンも違和感あり。
来年の桜は見れないと冒頭で言われていたのに元気そうに外に降る雪を眺めていたよね。
その段階だと余命一ヶ月とか二ヶ月くらいじゃないの?

まだまだ言いたい事は山ほどあるのですが、この辺にしときましょう。

久しぶりに突っ込みまくってしまいました。