きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

オーシャンズ8

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スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけ、主演のジョージ・クルーニーほかオールスターキャスト共演で話題を集めた「オーシャンズ」シリーズを、新たにオール女性キャストで描くクライムエンタテインメント。クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公となり、女性版オーシャンズが結成される。史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビーが仮釈放された。出所したデビーは犯罪プロフェッショナルである7人の女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」の会場で1億5000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す。デビー役のサンドラ・ブロックほか、ケイト・ブランシェットアン・ハサウェイヘレナ・ボナム・カーター、歌手のリアーナら豪華女優陣が顔をそろえる。ソダーバーグがプロデュースを務め、「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロスがメガホンをとった。
(映画.comより)
さて、本作を見るにあたっては楽しみな面と不安な面がありました。
楽しみな面。それは何と言っても豪華女優陣の共演ですね!
主役級のキャストが勢揃いで彼女たちが一体どういう風に絡むのかに注目していましたし本作一番のウリでもあるわけです。

不安な点というのは主要キャストを全て女性で固めた「女版⚪⚪」というシリーズ物の失敗が脳裏をかすめたからです。
近年で言えば2016年の『ゴーストバスターズ』がありましたね。
僕はあれはあれでB級感があって割と好きなんですが、どうも評判はよろしくなかったです。

楽しみにしていた面に関してはこれは言うまでもなく、良かったです!
サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットアン・ハサウェイにリアーナという面々がそれぞれのキャラクターに合ったキャスティングで見事にハマっていた。
とりわけ私が推したいのはアジア系アメリカ人のオーク・フィアーナです。
本業はラッパーという事で音楽面でも注目したいのですが、本作ではかなり存在感を発揮していた。
大物女優陣に負けずとクールなスリ師を好演。
今後注目していきたい女優さんですね。
また、アン・ハサウェイも見事なハマリ役でした。
きっと同性からは嫌われる、だけど男はこんな女に弱いのよ~というタイプ。
更にアンってこんなヨゴレ演技もするの~?と思わせる様な体の張り方も見せてました(笑)
そしてターゲットになるかと思いきや?
後半のどんでん返しぶりも見事でしたね!

そして不安な点に関してですが、これは私の杞憂でした。
そもそもこの『オーシャンズ』シリーズですが、元々は1961年にフランク・シナトラが出た「オーシャンと十一人の仲間」がベースになっています。
それを当代随一の名優たちがズラッと並び大人の男たちの粋な遊びの様な作風でリメイクしたのが『オーシャンズ11』(2001)だったわけです。
以来、大人のダンディズム溢れる粋な遊びを貫き続け、三作作られてきました。
それを女版にリメイクした時に一体何をウリにするのかという点ですが、「う~ん、こうきたか~!」と感心しました。
それは「女なのに…」「女だてらに…」という声を払拭させるかの様に「女だってこれくらいの事出来るんだけど何か?」と言わんばかりのクライムアクション。
あたかも先日紹介した『インクレディブル・ファミリー』にも通じる様な女性に対してのエールでも「男たち、見ていなさい!これが私たちのやり方なの!」とばかりに男達を刺激するかの様なスタンスにやられちゃいます。
しかもそれを女子会よろしくわちゃわちゃしながらもしっかりと連係の取れたチームプレーでもって見せてくれるもんだからワクワクさせてくれるもんです。
そもそも冒頭でのサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンが猫を被る刑務所内そして一転してシャバでの傍若無人な万引きプレーからして爽快ですよ。
テーマや内容、メッセージ性などで大きな違いはありますが、パルムドールを受賞したあの作品。
あの作品は万引きという行為から見た現代日本の闇を抽出した作品でした。
公開当初、「万引きという行為を正当化するのか?」とか「犯罪を助長させる映画か?」という頓珍漢なコメントを見かけましたが、そういう人に言いたい。
オーシャンズ8」のデビーの方が悪質だからね、はっきり言って(笑)

ケイト・ブランシェットの姉御っぷりも良かったです!
これまた今年のヒット作を引き合いに出しますが、『名探偵コナン ゼロの執行人』での安室透ばりに婦女子がハマる要素たっぷりですよ!
スカジャン着てバイクにまたがる姿なんてオットコ前ですもん(笑)

ただ、欲を言えばもっとスカッとさせる様なカタルシスを生み出して欲しかったかな。
特に目立った敵と呼べるキャラクターもいなかったし、特に派手なシーンがあるわけでもない。(キラキラした装飾品はこれでもかとばかりに出るけど)
でもそれを抜きにしても楽しむ事が出来ました!
個人的に続編キボンヌ(死語)な作品です!

女性は同姓としての共感性が持てるでしょうし、豪華女優陣のファッションを楽しめるでしょう。
そして男性の皆さんは知性と美貌を兼ね備えた女達のスリリングなクライムアクションを楽しんで下さい!