きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

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「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」に続く「スター・ウォーズ」シリーズの知られざる物語を明らかにするアナザーストーリー第2弾で、ハリソン・フォードが演じたシリーズ屈指の人気キャラクター、ハン・ソロの若き日の姿を描くSFアドベンチャー。シリーズ第1作「スター・ウォーズ 新たなる希望」でルークやレイアと出会う前のハン・ソロが、アウトローながら内に秘めた正義感で数々の試練に立ち向かっていく姿を描く。若き日のハン・ソロに扮したのは、「ヘイル、シーザー!」で注目された新星オールデン・エアエンライク。同じく若き日の悪友ランド・カルリジアンをドナルド・グローバーが演じ、エミリア・クラーク、ウッディ・ハレルソンらが共演。ハン・ソロの無二の相棒となるチューバッカも登場する。「ダ・ヴィンチ・コード」などで知られるベテランのロン・ハワード監督がメガホンをとった。
(映画.com より)


ダ・ヴィンチ・コード』『バック・ドラフト』などで知られるロン・ハワード監督。
最近では興行的なヒットにこそ至りませんでしたが、ビートルズドキュメンタリー映画も製作しました。
スターウォーズ』シリーズ生みの親であるジョージ・ルーカスとは長年の親交がある大ベテランです。そしてハン・ソロの若き姿を演じたのは、オールデン・エアエンライクとヒロインのキーラを演じたエミリア・クラーク。どちらも日本ではまだそこまで名前が売れていない期待の新人です。
ハンソロ=ハリソン・フォードというイメージが強いわけですからこの若き新人オールデン・エアエンライクにとってはかなりのプレッシャーがあった事でしょう。
また、ハン・ソロの師匠的な役割として登場するベケットを、『スリー・ビルボード』等に出演したウディ・ハレルソンが担当しています。

さて、『スターウォーズ』シリーズがディズニー配給となり久しいですが、2015年の『フォースの覚醒』から始まる三部作。
その間にスピンオフシリーズを展開するというのがディズニー流の興行スタイルの様です。
2016年末に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズストーリー』のヒットが記憶に新しいところですが、本作はその『ローグ・ワン』に続くスピンオフという事なのですが、何やら北米では興行的に振るわないとか?
日本でも当初の期待よりかなり低めの興行成績との事。
その原因は一体何なのではないでしょうか?

まずひとつに考えられるのが、シリーズの矢継ぎ早に次々と公開されていくそのペース。
こと洋画においては公開されれば必ず大ヒットが約束されるシリーズ物があります。
パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ハリー・ポッター』、そして公開間もない『ジュラシック・ワールド』等など。
これらのブランド力の強い洋画作品の公開ペースを考えてみて下さい。
数年に一度のペースでまるで大物アーティストのアルバムリリースくらい(と言えば大袈裟なくらいアルバム出さない人もいますけど・笑)
ある程度の期間を置いてからの公開ですね。
ところがここ最近の『スターウォーズ』シリーズはと言うと本編とスピンオフの公開タイミングが早すぎてみんな疲れてきてるのではないでしょうか?

そして二つ目なんですがこれが相当ダメージがありました。
それは『最後のジェダイ』の失敗。
このブログでも評しましたので詳しくはそちらを見て頂くとして作品の出来が悪いと次作へ与える悪い影響というのは拭えない部分です。 
まぁ、私のみならずですが、『最後のジェダイ』に失望した人が『スターウォーズ』シリーズに辟易してしまい結果、スピンオフを含めた新作の鑑賞の足が遠のいてしまう。
ごくごく自然な事だと思います。

で、実際にそんなマイナスなインフォメーションを耳にした状態で鑑賞した本作。
如何なるものであったかですが、いちハリウッドのアクション/SF大作として見た場合は及第点。
しかし、『スターウォーズ』の名前を冠した作品として見た場合は残念な作品と言う印象でした。

そもそも本作はハン・ソロという人物をクローズアップしたシリーズ通して初の人物伝です。
その意味ではハン・ソロという名前の由来であったりチューバッカとの出会いであったりミレニアム・ファルコン号へ乗るまでの過程であったり私の様に『スターウォーズ』をあまり知らない人にとってはわかりやすく描かれていたと思います。
また、コアな『スターウォーズ』ファンにとってはハン・ソロにまつわるあれこれを再確認するという意味でもよく出来た作品だったと思います。
旧き良き西部劇をベースにしながら繰り広げられるアクション活劇。
スターウォーズ』名物とも言えるライトセーバーこそ登場しませんが、アクションシーンなどはなかなか見ごたえがあったと思います。

ところでこの映画、元々は違う監督がメガホンを取る予定たったというのはご存知の方も多いと思います。
当初は『LEGO ムービー』のフィル・ロード&クリス・ミラーという40代前半の若手コンビが監督を務める予定だったんですが、ディズニーサイドとの方向性の違いなどもありふたりは監督を降板。
結果としてふたりは製作総指揮に回り、そして名匠ロン・ハワードへと監督のバトンが渡される事となりました。
そしてロン・ハワード監督の元、幾度とない録り直しの末、完成したのが本作です。

結果的には無理な冒険に走らず手堅くまとめられたのでこれはこれでよかったと思います。
無難に面白いし無難に丁寧。
だからアメリカの興行不振という前情報を念頭に鑑賞すると「あれ、意外と悪くないじゃん」という心境に行き着く。
だからボロクソに批判してやろうなんて気にならなくなる。(別に批判をしたくてこのブログやってるわけじゃないですが)
だけどそれがまた不満なんですよ~(めんどくさい奴やのぉ~)
無難過ぎて平均点の以上にも以下にもならない。
一周して面白くないという評価に至るんですよね~。

とりわけ突っ込んでおきたいのはキーラなんですが、彼女の存在は若きハン・ソロにとっては大切な人物です。
しかし、やんごとなき事情によりしばし離れ離れになりますが再会してからの描写が弱いんですよね。 
いや、それだけならまだいいです。(いや、よくないけど)
どうも次作へ引っ張ろうとするあざとい見せ方をするのでそこに潔さを感じない。
きちっと本作で締めるところは締めて欲しかったし、結局そういうところがディズニーへの『スターウォーズ』不信へ繋がっていくのではないでしょうか?
途中までは悪くなかったですが、そこで萎えてしまいました。

個人的には『スターウォーズ』シリーズはスピンオフも含めてしばらく空白の期間を設けてそして数年後にまた素晴らしいスペクタクル作品を見せてほしいと思います。

なんて思っていたら今作の興行不振を受けスピンオフ作品の公開を見合わせるとかどうとか?
賢明な判断だとは思いますが果たしてどうなる事でしょう?