きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

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1995年製作の大ヒット作「ジュマンジ」の続編で、「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソンが主演を務めたアドベンチャーアクション。高校の地下室で居残りをさせられていた4人の生徒たちは、「ジュマンジ」というソフトが入った古いテレビゲーム機を発見する。早速そのゲームで遊ぼうとする4人だったが、キャラクターを選択した途端にゲームの中に吸い込まれ、各キャラクターのアバターとなって危険なジャングルの中に放り込まれてしまう。マッチョな冒険家やぽっちゃりオヤジなど本来の姿とかけ離れた姿に変身した彼らは、ゲームをクリアして現実世界に戻るため、それぞれ与えられたスキルを使って難攻不落のステージに挑む。共演に「スクール・オブ・ロック」のジャック・ブラック、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのカレン・ギラン。「バッド・ティーチャー」のジェイク・カスダンがメガホンをとった。
(映画・com より)


日本ではともかく全世界で大ヒットとなっている『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』。
元々の原作絵本ではボードゲームが舞台になっている様ですが、90年代に製作された映画では時代に合わせ、なおかつ映像的な奥行きを見せる為テレビゲームになりました。
そして20数年振りに作られた続編である本作。
いや~、笑った笑った。
アホやな~というのが率直な感想です。

本作の主たる登場人物は4人。
まずは男子から見ていきましょう。
勉強はそこそこ出来るけどコミュ障でひ弱なオタク君。
アメフトをやっており体格も良く女の子にも不自由しないリア充君。
ちなみにこの二人は元々幼馴染みなんですが、今はそのキャラクターの関係性からリア充君はオタク君をパシリにしたりとパワーバランスがはっきりしています。
続いて女子です。
SNS大好きでスマホが手離せないイマドキ女子。
真面目なんだけど理屈っぽくてついつい余計な事を口にして先生からも疎ましがられてしまう女の子。

普段交わる事のない彼らが居残りをさせられたのをきっかけにゲームの世界にトリップしてしまうという大冒険に身を投じてしまうのです。

そしてこのゲームの世界では現実とは対局のキャラクターになってしまうのが何とも面白い!
まずオタク君はフェロモンたっぷりなマッチョマンに(ドウェイン・ジョンソンに様変わり!)
現実世界ではオタク君を下に見てたアメフト野郎は身長も低く戦力的にも大きく劣る兄ちゃんに。
KY少女はお色気たっぷりなセクシーギャルに。
オチ担当とも言えるイマドキ女子はメタボな中年オヤジになってしまうんです。
アメフト野郎なんてゲーム世界ではオタク君の助手的ポジションに甘んじてしまいますからね。
パワーバランスの逆転現象が発生しちゃうんです。

入れ替わりの妙なんて言えば古くは『転校生』新しくは『君の名は。』で目にしてきましたので今更語るまでもないのですが、日常のキャラクターから脱して違うキャラクターに変わる、しかし中身だけ一緒が故に生み出されていくギャップがいちいちおかしいのです。

メタボオヤジが「私のスマホどこ~?」なんて動揺したりおしっこの仕方にうろたえたりするなんてのはベタながらもやっぱりおかしいし、敵キャラを色気で翻弄すべく慣れないポーズで誘惑するセクシーギャル(中身は非モテ女子)のぎこちなさは思わず声に出して笑ってしまいました。
しかも彼女にセクシーポーズをレクチャーするのがメタボオヤジってところがねぇ(笑)

と、この様に人の見た目とその中身というビジュアルイメージに訴求しつつ笑いに転化させるニクいやり方に悔しいけれどヤられてしまいました(笑)


ストーリー展開の面で言うと真っ先にイメージしたのがズバリ劇場版の『ドラえもん』です。
最新作『のび太の宝島』でもそうですがドラえもんの映画って日常とその隔離された世界での共闘、そしてそれを経た上での成長を主にした作品が多いですよね。
また、日常世界においてはのび太ジャイアンスネ夫、しずかちゃんという仲間内でもパワーバランスが発生するのですが、日常を離れた空間では普段いじめられてるのび太が圧倒的に強かったり日常におけるパワーバランス或いは序列を崩すディテールがよく見てとれます。
この『ジュマンジ』では舞台設定的には『のび太の大魔境』のイメージに近いのですが、本来ののび太ポジションが英雄的にかっこ良くなるという描かれ方としては『のび太の宇宙開拓史』が近いかなと感じました。

また、作品の性質は対局ではありますが、『IT ’それ’が見えたら終わり』に登場した少年・少女たちのイメージも彷彿とさせました。
あの作品では殺人ピエロという恐怖の対象と対峙するうちに育まれた彼らの自立心といった成長面が印象に残りました。
本作で言えばこの4人の高校生たちがゲームの世界に入り込みゲームをクリアするまでの共闘が確実に彼らを強くし、本作の前半と後半では明らかに人としても逞しくなっておりました。
それはオタク君と喪女ちゃんの二人なんかは特にでしたね。

さて、本作は前述の様に元々は90年代に製作された映画の続編です。
それに付随してか90年代と現代を結ぶあるキーパーソンが登場します。
その人物が発する90年代ワードと今の高校生が使う言葉の融合が絶妙でした。
チョベリグ~」と「マジ卍~」の夢の競演実現ですよ!

ちなみにマジ卍は早くも古くなりつつあるとか?
流行のサイクルは早いですなぁ。