きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!

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ストーリー
フランスで開催される世界パティシエ選手権に出場するためパリにやってきたいちかたちキラキラパティスリーの面々。しかし、突然シエルの調子が悪くなり、スイーツ作りも失敗ばかり、プリキュアへの変身もキラリンの姿でキュアパルフェになってしまい戦闘もできないなど、支障を来す状態となっていた。

そんな時、コンテスト前夜祭のパーティー会場でシエルのパリ時代の師匠だったジャン=ピエール・ジルベルスタインと、彼に付いている妖精に似た女の子クックに出会う。シエルとジャン=ピエールは久しぶりに再会するが、「頼れるのは自分の力のみ」という信念を持つジャン=ピエールは、キラパティの仲間たちと仲良くスイーツ作りをするシエルの姿に落胆する。かつての師匠からそのように言われたことでシエルは落ち込むが、いちかはシエルを元気づけるため、昔シエルがジャン=ピエールに作ってもらったことがあるという、ミルフィーユをコンテストで作れば、と提案する。

一方、パーティー会場にはスイーツを頬張るみらいたち『魔法つかいプリキュア!』の3人とモフルンの姿もあった。彼女たちは魔法の水晶(キャシー)のお告げにあった「降りかかる災い」から街を守るため、パリにやってきたのだという。

いちかやシエル達がミルフィーユをいざ作ろうとしようとした最中、パリの街中では次々とパティシエを襲う謎の巨大スイーツが出現、さらにパリの街並みも本物のスイーツに変えられてしまう事態が発生する。混乱する街を救うため、魔法つかいプリキュアの協力を得ながらキラキラ☆プリキュアアラモードの6人は敵と戦う事になる。




わたくし、人生初の『プリキュア』映画体験でした。
何となく日曜朝に『プリアラ』は見ているので軽い予備知識程度はありますが、週末動員ランキングでも一位を取り、ファンの間でもかなり好評との事なので「それならば」と駆り立てられる好奇心により、あえてこの映画をチョイスしてみました(笑)
余談ですが、本作鑑賞の直前に見たのが三回目の『アウトレイジ 最終章』どれだけ振り幅広いんだよて話しですな(笑)

ちょっとした好奇心での鑑賞とは言え、流石に作品が作品だけになかなかハードルは高いもの。
ただ最近は自動券売機なる便利なものがあるわけでして、受付のお姉さんに「プリキュア大人一枚」という何かの罰ゲームの様な仕打ちは受けない様に出来ております。そして迷わず後ろの左端の席をキープ決して目立たない様にそう、「お子さまの目の届かない場所に行ってください」です(笑)
そして上映時間5分後にシアターへゴー!
これは本編開始の約5分前。
館内が暗くなり、映画泥棒が流れるくらいの時間です。

と着席までにまるで隠れキリシタンの如く人目を忍んでの映画鑑賞。
それも『プリキュア』だからこそです。
ドラえもん』や『コナン』、『しんちゃん』辺りなら余裕綽々、行き付けの飲み屋にでも行くノリですよ(笑)

上映が開始されるとミラクルライトの使い方の説明が始まります。
これは劇中でプリキュアがピンチになるとみんなで照らして応援する為のものとの事。
中学生以下のお子様がもらえるそうでぶっちゃけ「俺にもくれよ!」と思ったり思わなかったり(笑)
その説明を聞いてる時の居心地の悪さときたらですよ、以前も言いましたが、ディズニー映画『インサイド・ヘッド』の上映前に流れたドリカムのテーマソングと笑顔のスナップ写真を思い出しましたね(笑)

5分程度の短編に続いて始まった本編。
ようやく落ち着いて『プリキュア』を見るに至ります。いや~、ここまで長かった!

毎週ではないですが、日曜朝のレギュラー放送はちょくちょく見てるので世界観とキャラクターには馴染みがありスッと入り込んでいけました。
東映アニメ王道の普段のテレビシリーズから発展させた劇場版ならではのスケールになっていたのでお子様もそのスペシャル感は楽しめるのではないでしょうか?
とりわけ前シリーズの『魔法つかいプリキュア』のキャラクターが登場したりするときっとテンション上がると思いますよ。(あ、そこはお子様もだし、プリキュアファンの大人もだと思いますよ)

今回は6人目のメンバーであるシェルをフィーチャーしています。
前述の様にTV ではちょくちょく見てますが、あくまで「ちょくちょく」なのでこのシェルはいつの間にか仲間になってたという感じでどういうキャラクターか知らなかったんですね。
しかし、今作ではそのシェルのルーツなどがきちんと描かれており、はじめてそのキャラクターを理解するに至りました。
そしてそのシェルの師匠であるジャン=ピエールというキャラクターが本作の軸となる人物でして、とにかくスウィーツの事ばかり考えるスウィーツバカなんですよ。
腕も確かでシェルが師事する様になったのは彼のスウィーツによって救われたからなのです。
ストイックで熱い奴なのですが、不器用な人なのでしょうね、仲間を作らずひたすら孤独にスウィーツ作りとその研究を続ける人物です。

敵キャラであるクック。元はジャン=ピエールの助手的な存在なのですが、彼女には心の闇があってその反動から腕の良いパティシエに呪いをかけたりパリの街をスウィーツまみれにしたりし、いちか達と戦います。
悲しい過去には同情出来る面もあります。

とこんなキャラクター達が魅力的な本作でしたが、いや~面白かった!

子供向けとは言え、結構内容が深いんですよ。
ジャン=ピエールは仲間を作る事なくひたすらスウィーツ作りに打ち込んできた職人肌のパティシエです。
そんな彼にしてみたら仲間とつるむのはスウィーツを作る上では邪魔という考えを持ちます。
その一方でシェルにとってはいちからキラパティメンバーに出会えた事によって自身のパティシエとしての腕も人間としても成長をしているわけです。
それをひとつのテーマとして盛り込みメッセージ性を生み出していたのは良かったです。 

また、クックはジャン=ピエールの腕に敬意を払いながらも散々自分の腕を否定してきた人間達に怨みを晴らすべくあらゆる手段でパリの街をスウィーツまみれにするという暴挙に出ます。
内面的な闇を抽出させる事によってこのキャラクターの悲劇性をクローズアップさせていました。
また、彼女が仕掛ける攻撃も見応えありましたね。
キラパティメンバーの特性を奪うために亀にしたり、パンダにしたり、ナマケモノにしたり。
それによってキラパティメンバーは苦戦を強いられるのですが、逆転の発想でその動物の特性を生かした反撃に出るくだりはお見事でした。

気になる点はあるにはあります。
プリキュア』なんだしもっと寛容に見ようとも思うのですが、敢えて言うならばクックの内面描写ですかね。
悲劇的要素を秘めたキャラクターなのにそれを具体的に現したエピソードが描ききれてないんですよ。
人間達に「まずいまずい」と言われた事がトラウマになってるのはわかりますが、その描写がまるまる描かれてないのが物足りないというかそこ重要だろ!と感じちゃいます。
更に言えばお子様の教育面で描くならこのクックにも仲間の大切さを伝えるでもいいし、まずいと言われて人間を恨むのではなく、改心してジャンの元で美味しいスウィーツを作るため勉強に励むという描写にした方が良かったのではないかな?
なんて思います。

それにしてもミラクルライトというアトラクション的要素は素晴らしいですね!
お子さんにとってもイベント感出て楽しいと思います。
映画自体も大人が見ても楽しめる良い内容だったと思います。オススメです!
オススメされてもハードル高くて躊躇してしまうという皆さん、怖いのは初めだけ!
私の鑑賞方法を参考に(笑)一回チャレンジしてみて下さい♪
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