きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ONE PIECE FILM RED

2022年7月で連載開始25周年となる大ヒットコミック「ONE PIECE」の劇場版アニメ。長編劇場版通算15作目で、原作者の尾田栄一郎が総合プロデューサーを務める“FILMシリーズ”としては、2016年公開の「ONE PIECE FILM GOLD」以来4作目。

素性を隠したまま発信される歌声が「別次元」と評され、世界でもっとも愛される歌手ウタが、初めて公の前に姿を現すライブが開催されることになった。そのことに色めき立つ海賊たちと、目を光らせる海軍。ルフィ率いる麦わらの一味は、何も知らずに、ただ彼女の歌声を楽しみに会場にやってきた。世界中から集まったファンが会場を埋め尽くし、いよいよ待望の歌声が響き渡ろうとしている。しかし、ウタが「シャンクスの娘」であるという事実が明らかになったことから、事態は大きく動き出していく。

ウタ役は声を声優の名塚佳織、歌唱を歌手のAdoが担当する。監督は「コードギアス」シリーズや「プラテネス」などで知られる谷口悟朗。「ジャンプ・スーパー・アニメツアー‘98」内で上映された「ONE PIECE」初のアニメ作品「ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック」で監督デビューした谷口監督が、それ以来に「ONE PIECE」作品を手がけた。(映画・comより)

週刊少年ジャンプ』での連載は25周年、コミックスは100巻を超えるもはや国民的とも人気漫画『ONE PIECE』の劇場版15作目そして『ONE PIECE film』と冠した作品としては2016年の『ONE PIECE film GOLD』以来となる最新作。ここ近年は『鬼滅の刃』とか『呪術廻戦』と言ったジャンプ作品が社会現象的大ヒットとなり、やや押されていた感があった『ONE PIECE』ですが、「いやいや、王者は俺様だ!」とばかりに貫禄の大ヒットとなっています!実は私は公開初日の8月6日、MOVIX日吉津で見てきましたが、午前の回も午後の回もほぼ満席。辛うじて取れた座席も前列から二列目。スクリーンを見上げる様な態勢で鑑賞して参りました!だって『ONE PIECE』の映画だもん、初日に見たかったんだよ!

では内容に触れていきましょう!冒頭から『ONE PIECE』らしくないスタートに圧倒!というのがね〜、もはや音楽映画とかミュージカルなんですよ!『ONE PIECE』的ラ・ラ・ランド?はたまたグレイテスト・ショーマン?いや、シングかも?みたいなね(笑)いや、これネタでも何でもなくマジな話しなんですよ!というのが本作の核となるキャラクター・ウタの存在ですね!予告編でも幾度となく見た人は多いと思いますが、人気アーティストのAdoさんがウタに扮しているんですよ。公開前から耳にしていた『新時代』や『私は最強!』はもちろん、劇中に一体何曲彼女の曲が流れた事でしょう。『竜とそばかすの姫』のベルもそうでしたが、もはやMVの領域ですね!中田ヤスタカ秦基博等著名なプロデューサーやアーティストが楽曲を手掛けており、サウンドトラックを聴きたくなるくらい音楽を全面的にプッシュしてる感じでした!

そしてそれもあってか音楽を軸にしたテーマが打ち出されているんですよ!それは音楽の力で人を幸せにする事です!我々の多くは日常的な趣味として音楽を聴きます。好きなアーティストが居てそのアーティストのライブに足を運ぶ事もあるでしょう。今やストリーミング配信が当たり前の時代にあってそんな中でもCDを買ったり僕の様にレコードを手にする、なんて人も居ます。そもそも我々は何故音楽を聴くのでしょう?それはある時には心を穏やかにする為、またある時は己を鼓舞する為、音楽からエネルギーを吸収したりとかその動機は様々です。でも総じて言えば感情を揺さぶり動かす為と言えるのではないでしょうか。

そしてその音楽を提供する音楽家やミュージシャン、歌手、パフォーマー、プロデューサー等のクリエイターは一人でも多くの人にその感動を、と日夜楽曲の製作に表現にと努力を重ねるわけじゃないですか?「音楽の力でみんなを幸せにしたい!」この思いは全ての表現者に共通するものではないでしょうか?そしてファンもまた彼らの曲や歌詞やパフォーマンスに共鳴してその音楽と共に日常を過ごすわけです。大好きなアーティストの曲はいつまでも聴いていたいし、その世界に永遠に浸っていたい。そんな願望はファン心理としては自然な事かもしれない。でもそれって実は大きなズレであると言う事。みんな仕事や学校、家事に育児等等与えられた日常的生活を送っているからこそその休息としての音楽が意味を持つんですよね。一枚のアルバムは長くても70分程度、ライブ・コンサートの時間は二時間くらい。その限られた時間に没頭してこその音楽時間であるという事なんですよ。そして表現者サイドとしては自身の最大限のパフォーマンスを披露するのは勿論なんだけどファンの私生活を奪う様な事があってはならない。そんな音楽と生活という我々エンタメを享受する人への大きなテーマが印象に残りました。

と、ホントに今回の『ONE PIECE』は割とガチ目な音楽映画してましたよ!

でも忘れちゃいけない『ONE PIECE』らしさ!それはやはりバトルシーンですよ!今回はシャンクス登場というのが大きなウリでもあるのですが、やっぱりカッコいいシャンクス!ルフィとの共闘なんて『ONE PIECE』劇場版の真骨頂とも言える胸アツシーンですよ!しかもそこに流れる『新時代』と『ウィーアー!』のマッシュアップですね!血湧き肉躍るバトル描写は「やっぱONE PIECEはこうでなくっちゃ!」と俄然アガるアガる!

そしてシャンクスとウタの関係性から広げたストーリーも胸を打つものでした。詳しくは話せませんが、ウタの現在のスタンスと過去のそれでは180度違うんですよね。一体彼女に何があったんだ?と終始気になるのですが、それが明かされた時の感涙必至なストーリー展開ですね!いや〜、久しぶりに映画見て涙が流れました。相変わらずの尾田栄一郎先生の見せ方のうまさに唸らされました!

音楽・バトル・ストーリー全てにおいて少なくとも近年の『ONE PIECE』映画の中ではかなりの名作になったのではないでしょうか?個人的には大変満足しています!

是非劇場でご覧下さい!

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

現代によみがえった恐竜たちの姿をリアルかつスリリングに描いて人気を集めるメガヒット作「ジュラシック・パーク」シリーズの最終章。2015年の「ジュラシック・ワールド」でメガホンをとったコリン・トレボロウが再び監督に復帰し、シリーズ生みの親であるスティーブン・スピルバーグが引き続き製作総指揮を担当。「ジュラシック・ワールド」シリーズの主演クリス・プラットブライス・ダラス・ハワードに加え、「ジュラシック・パーク」初期3作で中心となったサム・ニールローラ・ダーンジェフ・ゴールドブラムが演じる3人の博士もカムバックする。ジュラシック・ワールドのあった島、イスラ・ヌブラルが噴火で壊滅し、救出された恐竜たちが世界中へ解き放たれて4年。人類はいまだ恐竜との安全な共存の道を見いだせずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女、メイジーを守りながら、人里離れた山小屋で暮らしていた。そんなある日、オーウェンは子どもをつれたブルーと再会。しかし、その子どもが何者かによって誘拐されてしまい、オーウェンはクレアとともに救出に向かう。一方、ある目的で恐竜の研究をしている巨大バイオテクノロジー企業のバイオシンを追っていたサトラー博士のもとには、グラント博士が駆け付け、彼らはマルコム博士にも協力を求める。(映画.comより)

93年に映画史に大きく名前を残す事となった『ジュラシック・パーク』世界中で大ヒットとなり、シリーズは3作製作されました。そして時を経て2015年。スピルバーグ監督が製作総指揮に回ってスタートしたのが『ジュラシック・ワールド』。『ジュラシック』シリーズのブランド力もあってか同シリーズも特大ヒットとなり、2015年の1作目は日本国内の年間興行収入ランキングでもトップとなりました。そして遂にこの『ジュラシックワールド』も完結編。監督と脚本には、コレン・トレヴォロウが新シリーズ1作目から復帰。その1作目目から見続けた僕は期待を胸に8月3日、T-JOY出雲にて鑑賞して参りました!

これが完結編という事でジュラシックワールドに端を発するシリーズを通して描かれた一連の騒動に終止符を打たせないといけないわけです。広げた風呂敷をどの様に畳んでいくのかを我々は見届けるわけですが、これはなかなか至難の業なんですよ。まず、本作の冒頭部分から恐竜達が世界中に散らばり、自然の中で生きている状況。つまりはジュラシックワールドがなくとも自らの力で十分暮らしていけてるんですよ。

また、そんな恐竜達を利用して闇取引をしようとするヤツまでいるし、恐竜も人間もカオス状態。ここまでの流れだとフィールドが広がって奥行きを感じる事が出来るだけど他方ではこれまでの限定的な空間での話しではない分、回収が難しくなってくるという事なんです。

でもこれが楽しいんですよ!マルタ島ではワイスピよろしくチェイスシーンやアクションもふんだんだし、インディ・ジョーンズさながらのアドベンチャー要素も更には世界各地を写し出す事で観光映画要素も引き出せば007的なスパイアクションの様な流れも?…なんて聞いたら「いや、あれもこれもと入れたら全体的に中途半端になって結局大味なハリウッドアクションで終始してしまうんじゃないの?」という指摘がありそうなもの。しかし、案ずるなかれ。確かにごった煮感は否めないかもしれませんが、要所要所での見せ場がしっかりと機能していたので全く退屈はさせません。むしろ、夏休みシーズンだからこそこういった豪快なシーンがふんだんに盛り込まれたハリウッド大作は映画館で体の底から感じてほしいものですよ。

そして話しの主眼となっている部分。これは本作のみではなく、シリーズ共通のテーマなんですが、人間が最先端の技術でもって遺伝子操作をしたり、生き物を蘇らせたり、生み出したりする事に対しての警鐘。キリスト教的史観で言えば神の如き行いを許していいものかという事ですね。

その象徴として出て来るのがクローンの少女・メイジーです。彼女はクローンとして生を受けるのですが、人間の頭脳を持ち、感情もまた人間のそれなのです。14歳になった彼女は自分の親、ここでは母親になるのですが、その母親探しすなわち本当の自分は何者なのかそして何の為に生を受けたのか自分のルーツを辿る物語が大きく映し出されていきます。しかし、そんな彼女もやがて…というのが映像に現れるのですがそこは是非あなたの目で直接ご覧下さい!

さて、そんな本作ですが、壮大な風呂敷の回収はどうだったのか、なんですがこれははっきり言って評価が分かれるところだと思います。前述の様にメイジーの自分探しストーリーやハリウッド一流のアクションやトリッキーな仕掛け等あらゆる要素を詰め込んだ結果、二時間半の超大作となりました。その都度その都度での繋ぎ目はご都合主義、まぁ決してスマートなものではなかったかもしれません。

だけど僕は悪くは言いたくないんですよ。単にミーハーな映画好きと言われればそれまでかもしれませんが、世界各地で暴れ回る恐竜達や派手なアクション等にしかと興奮させられたんですよ。イナゴの群れの動きのグロいけど見入ってしまうポイントも良かったし、そのイナゴから問いかけるテーマの見せ方だって悪くはなかった。

また全体のテーマである人間の領域を超えた所業への着地は驚きや斬新さは確かになかったけどなるほどと思えました。

完結編だからこそのカタルシスを期待していた部分、大きな感動がなく肩透かしを食らった事は事実です。だけど夏休みならではの家族・友人・カップルでワイワイ見る作品として僕はオススメ出来ます!

是非、劇場でご覧下さい!

ゴーストブック おばけずかん

解説

ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、子どもたちに人気の童話シリーズ「おばけずかん」を実写映画化。寝静まった子どもたちの枕元に現れて「願いをかなえたいか?」とささやく謎のおばけ。どうしてもかなえたい願いがある一樹たちは、学校で噂になっているそのおばけに導かれ、「おばけずかん」を探すことに。あやしい店主がいる迷路のような古本屋で図鑑を手に入れたものの、古本屋から出ると、そこには知らない世界が広がっていた。一樹たちは図鑑の秘密を知る図鑑坊の助けを借りながら、おばけたちを相手に命がけの試練に挑むが……。一樹を「約束のネバーランド」「万引き家族」の城桧吏、子どもたちと一緒に冒険する臨時教員・瑤子先生を新垣結衣、物語の鍵を握る謎の古本屋店主を神木隆之介が演じる。(映画・comより)

夏と言えば怪談…なんてイメージが強いのですが、今や季節を問わずホラー映画は上映されるもの。しかし、夏にはやはりお化けや妖怪と言った異次元の世界を味わえるそんな映画がやはり一本は欲しいところ。

そんな中、この夏を代表するお化け映画が本作ですね。これまで『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズや『DESTINY 鎌倉物語』、また3DCGアニメとして『STAND BY ME ドラえもん』シリーズや『ルパン三世 THE FIRST』等更には『永遠の0』・『アルキメデスの大戦』といった戦争モノと作品の振り幅も広くVFXを駆使した映像表現には定評のある山崎貴監督の手により子供達に人気の『おばけずかん』の映像化を成功させました。

正直、作品の評価には厳しい目も向けられやすい印象が強い山崎監督ではありますが、お化け達をどの様に表現するのか興味があり、鑑賞して参りました。

まず、冒頭で示される本作の主人公である小学生達の日常とひょんな事から彼らの担任を務める事になる新垣結衣演じる女性教師の描写から始まります。とある田舎町の子供達特にそこに赴任してきた若い女性教師がどの様に出会い、本作の核となるお化け達に奔走されるファンタジーな世界に足を踏み入れる事になるのかですね。

小学生ならではのステレオタイプな生意気さと子供達の扱いに慣れていない新任教師のやり取り。セリフ回し等に悪い意味での山崎作品らしさが出ていたのでこれまでの山崎監督作が合わなかった人はこの辺りで萎えてしまうかもしれませんね。

しかし、私の場合この辺もまぁこんなもんだよねと心得つつ見ておりました。

そして怪しげな古書店に入り込みお化け図鑑を取り出した事で摩訶不思議な世界の幕開けとなるわけです。

そして飛び出してくるお化けの多彩さが見ていて楽しい。山崎監督の真骨頂とも言えるCGやVFXの応酬。それはこのお化けだけではありません。彼らが迷い込んでしまった異次元の空間。見慣れているハズの町の光景や瑤子先生の住居等等とにかくトリッキーで作り込まれています。こういう表現は確かに山崎貴監督ならではだなと感心させられました。

そしてこれはラストのバトルシーンに至るまで続き、少なくとも日本の映画界でVFXを使わせたらやはり山崎監督の右に出る人は居ないなと改めて納得させられましたね。

そしてストーリーの展開も悪くはなかった。もちろんこれは現在ありきの話しではありますが、彼らと行動を共にする一人の少女の身体の謎。少々のツッコミ点は確かにありましたが、ごくごく自然に見せてくれていたので、話しを集中しながら追う事が出来ましたね。

また、本作が夏に公開されたのは大変意義があったと思います。とある田舎町を舞台にしながらそこに住まう少年少女の友情と経験をテーマに映しているんですね。『スタンド・バイ・ミー』という名作映画があります。少年達が行動を共にしながら、彼らにとっての課題をクリアする事で各々が成長していくその過程を捉えた素晴らしい映画ですね。本作でもやはりそれに近いものがあり、本作冒頭での悪ガキっぷりとラストでの彼らの姿には確実に変化を感じます。そしてそれは彼らを率いていたハズの瑤子先生もまたしかりでして冒頭の彼女は東京で派遣切りに遭いやむなく郷里に帰り、臨時教員をする姿が映し出されます。明らかに腰掛けで仕方なく特に子供好きなわけではない。何なら子供を少々疎ましく感じてるくらいですよ。それが数々のミッションをクリアし、子供達と協力し、絆を深めた後だと顔つきも彼女自身の考え方にだって変化が生まれる。彼女もまた子供達と共に成長していくんですね。

いや〜、それにしてもガッキーはこういう困難を乗り越えて道を切り開いていくタイプの役って合いますね。2017年の『ミックス。』なんかもそんな感じでしたもんね。

山崎監督って前述の様に厳しい評価を受ける監督の筆頭のイメージです。更に本作は興行的にかなり苦戦を強いられている様です。しかし、本作は大人と子供の成長譚としてしっかり作られていたと思いますし、良い作品でしたよ。夏休み中の子供達にも是非見て頂きたい内容でした!

キングダム2 遥かなる大地へ

原泰久の人気漫画を実写化した2019年公開の大ヒット映画「キングダム」の続編。紀元前、春秋戦国時代の秦。天下の大将軍を志す戦災孤児の少年・信(しん)は、弟のクーデターにより玉座を追われた若き王・えい政(えいせい)と運命的な出会いを果たし、河了貂(かりょうてん)や山の王・楊端和(ようたんわ)と協力しながら、えい政の玉座奪還に成功する。半年後、隣国・魏が秦への侵攻を開始。秦は国王えい政の号令の下、蛇甘(だかん)平原に軍を起こす。歩兵として戦場へ赴いた信は、同郷の尾兄弟や頼りない伍長・澤圭(たくけい)、子どものような風貌に哀しい目をたたえた謎の人物・羌かい(きょうかい)と共に、最弱の伍(五人組)を組むことに。戦略上有利とされる丘を魏軍に占拠され劣勢を強いられる中、信が配属された隊を指揮する縛虎申(ばくこしん)は、無謀とも思える突撃命令を下す。キャストには信役の山崎賢人、えい政役の吉沢亮、河了貂役の橋本環奈ら前作のメンバーに加え、原作でも人気のキャラクター・羌かい役で清野菜名が新たに参加。前作に続き佐藤信介監督がメガホンをとる。(映画・comより)

日本映画としては圧倒的なスケールで描かれ興行収入57.6億円の大ヒットとなった『キングダム』から三年。前作に負けず劣らずの勢いで現在大ヒット中の『キングダム2』。前作を劇場で体感したあの多幸感を味わうべく見て参りました!7月4週目の日曜日。MOVIX日吉津は夏休み最初の日曜日とあってかかなりの人で賑わっておりました。

さて、前作で私はいくつかの不安点を挙げました。かれこれ三年前になりますので、覚えてる人も居ないでしょうが、漫画原作しかもアクション物である事、続いて古代中国・春秋戦国時代を舞台にしている事、更に中国の話しを日本人俳優のみで固めて違和感はないのか等等。しかし、これが全くの杞憂で誰しもが楽しめるエンターテイメント作品になっていたとお伝えしました。

もし前作未鑑賞で本作が初鑑賞になるという方に対しては以上の点が参考になれば幸いです。

それを踏まえての新作に話しを進めていきますね。前作で見た仲間を集めてのRPG要素が本作でもモリモリ!純粋にアドベンチャー的な内容に加え、バトルシーンがとにかく圧巻でございます!

迎え撃つ敵軍に対しての戦法にも数々の工夫が施され、そのシミュレーションをする場面だってなるほどと感心しちゃいますね。そして戦闘本番を迎えるにあたってのワクワク感がたまりません!今か今かと待ち構え、横並びにスタンバイする辺りなんかは『アベンジャーズ エンドゲーム』さながらだし、対峙する敵と交わる大合戦に関しては『マッドマックス 怒りのデスロード』よろしくの肉弾戦で見ていてアドレナリン出まくりな高揚感、あ〜コレたまんねぇな!と心の中では大ハッスルな僕ちゃんが居ましたよ(笑)

そして今や山崎賢人くん以外には考えられないという程の当たり役となった新は元よりキャスト陣のアクションも非常にキレがあって見応えがありましたね。その中では何と言っても清野奈名ちゃんでしょうか。彼女は悲しい境遇から新等と共に軍勢に加わって戦う事になるのですが、身のこなしがスマートなんですよね!彼女のアクションなんて言えば『今日から俺は!『』の理子ちゃん以来ですよ(笑)思えば『今日俺』で僕は橋本環奈と清野奈名って役のイメージ逆だろ?なんて思ってましたが、今にして思えばあれで良かったんですね。で、『キングダム』の方に話しを戻しますが、綾瀬はるか・土屋太鳳に続くアクション女優として本作でしっかり存在感を見せつけたんじゃないでしょうかね?

ちなみに前作で僕はエロい長澤まさみが見れるという事を猛プッシュしましたが、本作には登場しません…残念。

また、本作の大きなテーマ。それは生きるという事です。戦場の淵に立たされ、最前線で戦う者達。彼らには守るべき者の存在だってあるんです。そういう人達の為に戦うし、また戦場で散ってしまった仲間達の想いを胸に抱きながらも戦う。瀕死の者であってもまだまだ生命がある限りは諦めない。ミスチルの主題歌『生きろ』は正にそんな生きる事を歌った生命讃歌ですよ!エンドで流れるこの曲もまた作品のひとつであるという事がよくわかりましたね!

さて、前作について語った時、意地悪くツッコミ点について触れました。その辺りお伝えしますね。邦画の悪い癖みたいに僕は難癖つけちゃいました効果音でかいよ問題ですね。例えば前作だとナタを振る場面で風を切る音が入ってやや冷めたみたいな事を言いましたが、それが本作に関しては全くないんですよね。いや、もしかしたらあったのかもしれないけど僕は全く気にならなかった。つまりそれ程作品自体のスケールやクオリティが前作を上回っていたからこそと言えるかもしれないですね。

それから橋本環奈ちゃんの俺呼びね。まぁ、河了貂(かりょうてん)というキャラクターに慣れれば全然問題なし。むしろ三年振りに見るにあたって「そういえばこんなキャラだった」なんて記憶を呼び戻すのにひと役買ってくれましたよ(笑)

とそんな『キングダム2』ですが、次作の公開が早くも決定しております!2023年夏。ちょうど1年後に公開されるんですね。エンドロール後には次作の映像も流れますので、上映終了後までどうか席を立たないで下さいね!

本作鑑賞後、早くも来年の夏に向けて期待が高まったそんなワタクシ。

まだご覧になってない方はまず本作をご覧下さい!オススメです!

ミニオンズ フィーバー

ユニバーサル・スタジオ×イルミネーション・スタジオが生んだ人気キャラクターのミニオンを主役に描く長編劇場アニメ「ミニオンズ」の第2弾。最強最悪のボスに仕えることを生きがいとするミニオンたちが、なぜ怪盗グルーをボスに選んだのか、そしてグルーはどのようにして月を盗むほどの大悪党になったのか、その謎が明らかにされる。1970年代、ミニオンたちはミニボスとして崇拝する11歳の少年グルーのもとで日々悪事を働いていたが、ある日、グルーが何者かにさらわれてしまう。ミニオンのケビン、スチュアート、ボブは、グルーを救出するため奔走し、その過程でカンフーの達人マスター・チャウと出会う。ケビンたちはマスター・チャウに弟子入りを志願するが、その先にはさらなる険しい道が続いていた。監督は前作「ミニオンズ」や「怪盗グルーのミニオン大脱走」も手がけたカイル・バルダ。声の出演はグルー役のスティーブ・カレルほか。日本語吹き替え版も笑福亭鶴瓶がグルー役を引き続き担当し、市村正親尾野真千子渡辺直美田中真弓速水奨大塚明夫立木文彦宮野真守、鈴木拡樹ら豪華俳優・声優陣が集った。(映画・comより)

みんな大好き『ミニオンズ』の新作が遂に公開となりました!元々は2020年の夏に公開予定だったものが例に漏れず言いますかコロナの影響により公開延期を経て先月15日に満を持しての公開となり、この夏休みシーズンの興行を大きく盛り上げています!

さて、本作のポイントを早速お伝えしていきますが、怪盗グルーとミニオンズの関係が始まるそのルーツを辿るものであり、更には怪盗グルーが月を盗む大泥棒になるまでのその起点となる子供時代にスポットを当てていきます。

タイトルこそ『ミニオンズ』ではありますが、怪盗グルーをメインに据えてる作品でもあるんですね。

そんな本作ですが、1976年を舞台にしているとあって全編に渡って70'sの色が全開!作品の世界観はもちろん、使用楽曲更には劇中でのガジェット等等がまさにその空気感を纏っていてレトロカルチャー好きにとってはたまらない描写の数々で楽しませてくれます!

とりわけレコードというツールを巧みに取り入れてる辺りアナログレコード愛好家の私としてはたまりませんでしたね!悪を企む組織の建物が表向きはレコード屋であったり更にはレコードプレーヤーに見立てた拷問器具にリンダ・ロンシュタットの『YOU'RE NOT GOOD』のレコードを逆回転させると謎のメッセージが…てな具合にレコードを使いながらとにかく仕掛けの応酬がたまりませんでした!

ストーリーとしては良い意味での相変わらずなドタバタなスラップスティックコメディ。そこにイルミネーションスタジオ特有のちょっぴりアクが強く尚且つ風刺の効いたブラックユーモアが盛り込まれ、楽しませてくれます。この『ミニオンズ』に限らずなんですが、イルミネーションのウリってやっぱりコレじゃないですかね。幾度となく僕もクスッとさせてもらいましたよ!

日本語版の吹替キャストについて見ていきましょう!怪盗グルーは役はもちろんこの方、笑福亭鶴瓶師匠です。いつもの鶴瓶さんによるグルーではあるものの、今回のグルーは11歳時。鶴瓶さんの実年齢を考えた上で「子供役?」なんて思っちゃいそうなんですが、これが見事に中年のグルーとの演技の違いを披露していらっしゃいまして流石だなと感じました。言うまでもなく本職は落語家さんなんですが、これまで数多くのドラマ/映画での名演を披露してこられた鶴瓶さんですから大人と子供の演技の使い分けもお手の物といったところでしょうか?ちなみにワタクシ鶴瓶師匠は演技もですが、なんと言ってもトークが大好きです。

世界最強の悪党集団「ヴィシャス・シックス」の元リーダーであるワイルド・ナックルズ役を演じたのは名優・市村正親さん。う〜ん、貫禄ある魅力的なキャラクターでしたが、市村さんの雰囲気にピッタリでしたね。大悪党なんですが、紆余曲折からグルーとタッグを組み、またグルーの師匠的存在になります。ハードボイルドさもありながら人としての情も合わせもち、大悪党なのに嫌いになれない。市村さんの包容力溢れる人物像がキャラクターにも反映されていましたね。

そしてその「ヴィシャス・シックス」の新リーダー、ベル・ボトム役が尾野真知子さん。そもそもですが、このネーミングも良いですよね!70'sファッションのベルボトムがキャラクターの名前って言うね(笑)前作での天海祐希さんもそうでしたが、女優さんの新たな魅力を引き出してくれる様なシリーズですね。これまでの尾野真知子さんのイメージを良い意味で裏切る様な悪女っぷりがたまりませんでしたね。

今回ミニオンズ達はブルースリーよろしくカンフーアクションにも挑戦するのですが、そのカンフーの師匠は渡辺直美さんが演じていました。普段はマッサージ師そして別の顔がカンフーマスターというキャラクターですが、声を聴いた瞬間「あっ、渡辺直美さんだ!」と一発でわかっちゃいましたね。その他、声優界からも人気声優が参戦。とりわけ『ドラゴンボール』のクリリンや『ONE PIECE』のルフィ役でお馴染みの田中真弓さんが悪役を演じるのも新鮮でしたね!

ちなみに本作は後の『怪盗グルー』シリーズに繋がる最初のストーリーです。つまりは初見でも全く問題ありません!むしろこの作品を見てから『ミニオンズ』そして『怪盗グルー』シリーズを見ると話しが繋がりますのでこれを入門編として鑑賞すると良いかもしれません。その意味では本作は全てのシリーズの1作目として公開していた方がスマートだったのかもしれませんけどね。

大人も子供も楽しめる『ミニオンズ』の扉、あなたも開いてみませんか?

オススメです!

ソー ラブ&サンダー

クリス・ヘムズワース演じる雷神ソーの活躍を描いた、マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)の「マイティ・ソー」シリーズ第4作。「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、「神殺し」の異名を持つ悪役ゴアとの戦いを描く。サノスとの激闘の後、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々とともに宇宙へ旅立ったソー。これまでの道のりで多くの大切な人々を失った彼は、いつしか戦いを避けるようになり、自分とは何者かを見つめ直す日々を送っていた。そんなソーの前に、神々のせん滅をもくろむ最悪の敵、神殺しのゴアが出現。ソーやアスガルドの新たな王となったヴァルキリーは、ゴアを相手に苦戦を強いられる。そこへソーの元恋人ジェーンが、ソーのコスチュームを身にまとい、選ばれた者しか振るうことができないムジョルニアを手に取り現れる。ジェーンに対していまだ未練を抱いていたソーは、浮き立つ気持ちを抑えながら、新たな「マイティ・ソー」となったジェーンとタッグを組み、ゴアに立ち向かうことになる。前作「マイティ・ソー バトルロイヤル」から引き続きタイカ・ワイティティがメガホンをとり、主演のへムズワースやヴァルキリー役のテッサ・トンプソンらが続投。ジェーン役のナタリー・ポートマンが、シリーズ第2作「マイティ・ソー ダーク・ワールド」以来、およそ9年ぶりに本格的にMCU作品に復帰した。ゴアを演じるクリスチャン・ベールや、ラッセル・クロウといった豪華キャストも新たに参戦。

(映画.comより)

MCU作品について聞かれる事があります。それは僕がMCUについて語る時に決まって紹介する作品と合わせて他のMCU作品の鑑賞が必須云々と伝えるからでしょうが、「マーベル作品って単体で楽しめないの?」という事でしょうね。決まって僕はそれは作品によるとお答えしています。しかし、フェーズ4以降になるとほぼほぼ他のユニバースも絡めて展開される事が多くてかなりハードルが高くなっているのは否めません。

しかし、本作『ソー』の新作に関して言えば全くの初心者でも問題なく鑑賞出来る作品と断言します。何なら本作を鑑賞してから『ソー』シリーズの過去作や『アベンジャーズ』シリーズ、更には『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』へと広げてみるのもいいかもしれません。

というのがね、めちゃくちゃ親切なんですよ。作りが。初見でもわかりやすくこれまでの『ソー』シリーズのまとめをENYAの『ONLY TIME』にのせて紹介。更には今回の目玉であるナタリー・ポートマン演じる元カノのジェーンの説明にはABBAの名曲『OUR LAST SUMMER』を起用。他にもGUN'S'N'ROSESの『WELCOME TO JUNGLE』や『SWEET CHILD O’MINE』等音楽へのこだわりが強く感じられましたね。

つい音楽の話しになっちゃいましたが、要するに『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』、『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』とここ最近扱ったMCU作品と違い、個別で楽しめる作品ですよとお伝えしたいんですよ。

さて、本作は『アベンジャーズ エンドゲーム』の世界で描かれているわけですが、目玉はやはり元カノ・ジェーンの存在。言わずもがなですが、ナタリー・ポートマンの美しさが非常に際立つんですよね!ほんでクリス・ヘムズワース演じる雷神ソーのマッチョさとは絶妙な組み合わせだなと感じる一方。ソーが予期せぬ形でジェーンと再会した時のリアクションがまぁリアル!長らく顔を合わせていない元カノが目の前に現れた時ってきっとこんなんだろうなと自分に置き換えながら見てましたよ。最初の会話なんてどう切り出したらいいんだろうね(笑)

で、かつては男性は女性を守るもの女性は男性に守られるものという暗黙のルールの様なものがあったわけですが、現代ではそうではありません。ジェーンだってソーと対等の力を持ち最前線で戦います。何ならソーを凌駕する様な力を持っていたり。だけど一方では彼女自身が抱えた苦悩があり、それとの折り合いが本作を見る上で大きなテーマとなっていきます。この辺りシリアスにしつつも随所に盛り込んだギャグがある事で重くなり過ぎずバランスが整っていたなと思いますね。

更にはアクションもてんこ盛り!ソーはもちろん新たなマイティ・ソーとなったジェーンがムジョルニアを手に大活躍!やはりジェーンが見せ場を作る辺り本作は『ソー』と冠しているものの、ほぼ主役はジェーンだった印象が強い作品です!

また、神殺しのゴアという強大な敵。彼もまた深い悲しみを背負い神と戦う事になるのですが、冒頭ではそこに至るバックボーンがよく分かります。また、彼によって捕らわれてしまったアスガルドの子供達にも見せ場が用意してありましたね。彼らの前に現れるゴアの得体の知れない恐ろしさとの対比としても子供達の活躍はよく活きていたと思いますし、ソーから子供達に託したアスガルドの未来を話す場面は今の時代を生きる子供達への希望を作品全体のメッセージとして反映させていたと思います。

こうして見ると本作のサブタイトルの「ラブ&サンダー」は作品全体のテーマとして十分機能していたなと思います。ひとつにソーからジェーンへの愛。ソーとジェーンの関係は元恋人同士。恋愛としての関係では既にないんですよね。だけどソーにはまだ未練が残ってるし、ジェーンだって紆余曲折があって別れる事にはなったもののいざ再会すると昔を思い出して…なんて心の揺らぎがある。だけど恋人とは違う友人としての愛が描かれていましたし、愛とは形が変わってもお互いが意識すれば存在し続けるものであると作品で伝えています。

次に未来を担う子供達への愛。これは前述の様にソーの口から伝わります。これは我々が生きるこの世界とリンクさせたテーマなんですが、暗いニュースばかりで気持ちも下がりそうな毎日です。だけど子供達は今日も元気に遊びに勉強にと日々過ごしている。その子供達の笑顔を我々大人は守っていかなきゃいけないし、やがてその子供達だって大人になる。そしてまた彼らも次の世代の為に走り続けていくわけですね。作品からは「君達、未来を築いてくれよ。その為に今は俺達大人が頑張っていくよ!」というメッセージが内包されていた様な気がします。そしてそれがラストのシーンにも反映されていたのではないでしょうか?

そして敵であるゴアへの愛。冒頭で示されたゴアが神へ憎悪を募らせるシーン。彼は絶大な力を身につけ神々を苦しめるのですが、その背景を知れば如何に神がおごった存在であるかわかります。これは我々に置き換えてもそうかもしれません。勝手に格下の存在と決めつけ、その人を冷遇する。だけどそれは危険な考えであり、しっぺ返しだって食う。どんな人に対しても最善の愛を尽くしなさいというメッセージを僕は読み取りました。

とこの様に全編に渡ってラブが詰まった素晴らしい作品だったと思います。個人的には素晴らしい映画でした!

是非劇場でご覧下さい!オススメです!

バズ・ライトイヤー

ピクサー・アニメーション・スタジオの代表作「トイ・ストーリー」シリーズに登場した、おもちゃのバズのルーツが明らかにされる長編アニメーション。「トイ・ストーリー」シリーズを通して活躍したおもちゃのバズは、持ち主アンディの大好きな映画の主人公であるスペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーがモデルになっており、本作ではそのアンディが大好きだったいう映画の物語が描かれる。バズ・ライトイヤーは有能なスペース・レンジャーだが、自分の力を過信したことで、1200人の乗組員とともに危険な惑星に不時着してしまう。相棒でもある猫型ロボットのソックとともに、全員を地球に帰還させるためのミッションに挑むバズは、個性豊かな新米のジュニアパトロールたちとの出会いを通して、自らの運命を大きく変えていく。主人公バズ・ライトイヤーの声は「アベンジャーズ」「キャプテン・アメリカ」のクリス・エバンスが担当。監督は「トイ・ストーリー」シリーズの短編「トイ・ストーリー・オブ・テラー!」「ニセものバズがやって来た」を手がけたアンガス・マクレーン。(映画・comより)

ご存知『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ作品。ウッディと並ぶメイン・キャラであるバズ・ライトイヤーを主人公に据えた作品です。というかそもそもアンディが大事にしているバズというおもちゃが映画の中のキャラクターという事でその映画をそのまま作品に仕上げたのが本作という事ですね。『トイ・ストーリー』シリーズでは仲間想いの熱いヤツ。そんなバズの知られざるエピソードがこの映画で明かされるという事で私も「さぁ、無限の彼方へ!」と張り切って見て参りました!

スペースレンジャーという仕事。これがバズの職業です。そんな彼の物語となればもちろん宇宙を舞台としたSF大作です。『スターウォーズ』に『スタートレック』、『インター・ステラー』からはたまた昨今のMCUものまでところどころ感じられるこれらの作品の良い部分のみを抽出させながら、まとめ上げられたエンタメ作品でした。つまりはSF好きな人が見たらまずまずの満足感が得られる事は保証します。ウラシマ効果と呼ばれる時空の差異等を活かし、彼の大切な仲間との別れ等随所に現れるヒューマンドラマ要素は作品を盛り立てる上で非常に重要な役割を果たしていたと思います。スペイシーな世界観の中で描かれる感動的な場面に僕も思わず胸を打たれました。

また、『トイ・ストーリー』シリーズで馴染んでるバズとは違うワンマンな面が全体での大部分で描かれるのでそんな彼がどの様に変化していくのかその成長過程も非常に説得力のある展開で構成されているので見ているこちらとしてもなるほどと納得させられます。

この辺りは脚本がよく出来ているので、さすがはピクサーといったところ。また、猫型ロボットのソックがバズを導いていき、バディものとしてもまとまっていたと思います。そしてこのソックがめちゃくちゃ可愛いんですよ!猫型ロボットと聞くと我々のイメージではドラえもんを連想したくなるものですが、このソックはドラえもんの様に便利な道具を出してくれるわけでもなんでもないんだけど、バズのパートナーとして彼の行動には欠かせない存在となっていくんですね。ドラえもん以上に猫要素が強い事もあって本作ではマスコット的存在として一気に虜になっちゃいました。何なら本作はソックで持っていたと言ってもいいくらいです。吹替版で見たのですが、このソックはかまいたちの山内さんが声を担当しています。ロボットだから人間的な感情は出さない。でもそれでいて猫的可愛さも求められる難役だと思いますが、雰囲気がバッチリハマっていましたね!

と吹替版のキャストの話しをしたのでこの流れでキャストについて触れておきましょう。何と言っても主人公のバズですが、鈴木亮平さんです。僕にとっての鈴木亮平さんのイメージが今や『孤狼の血 LEVEL2』の上林なんですが(笑)いやいや元々好青年イメージの強い役者さんなんですからね。バズの一本気なキャラクターとイメージがピッタリ合っていたなと思いましたね。今田美桜ちゃんやりょうさん等もキャラクターに合った演技をされていましたね。

さて、ここまでは割と好意的に話してきましたが、ここからは少し厳し目にお伝えしていきます。先程、様々なSF大作要素を取り入れて云々と話しましたが、実はこの部分です。SF作品として無難にまとまっていたし、決して退屈はしませんよ。だけど、これと言った目新しさがない既視感ありあり…というかディズニー/ピクサー作品ならではの深みのある内容を求めてしまうのは贅沢でしょうか?全てにおいて無難なんですよ。無難に面白いし、無難に映像が良い!だけどそこから更なる盛り上がりと深みが足りない。

更に言えば夏休みシーズンのこの時期、『トイ・ストーリー』の様なわかりやすい活劇モノを求めるファミリー層特にお子さんにはハードルの高い内容になったのではないかというのが個人的な印象としてはありますね。

大人向けのエンターテイメント作品としては問題なかったのですけどね…。

まぁ、身も蓋もない事言っちゃいますが、あくまで好みの問題とだけお伝えして今回は締めさせて頂きます。

後は是非あなたの目で!劇場でご覧下さい!