きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

奥様は、取り扱い注意

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綾瀬はるか西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気ドラマの劇場版。特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の伊佐山菜美と、現役の公安警察であることを隠しながら菜美を監視するやさしい夫・伊佐山勇輝。半年前、ある出来事により菜美は記憶喪失になってしまい、2人は桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていた。2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、開発反対派と推進派の争いが激化していた。そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止める。勇輝が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、菜美は大きな事件へと巻き込まれていく。菜美役を綾瀬、勇輝役を西島が演じるほか、岡田健史、前田敦子鈴木浩介小日向文世らが脇を固める。監督は「カイジ ファイナルゲーム」の佐藤東弥
(映画.comより)

2017年に全10話のドラマとして放映されていた『奥様は、取り扱い注意』の劇場版。
当初は昨年6月に公開予定でしたが、やはり新型コロナの影響もあり、3月19日に満を持して公開スタートとなりました!
実を言うと普段ドラマを見ない私ですので、当然ドラマ版は末視聴。
しかし、ドラマ版のあらすじもあるし、映画自体が単体としても楽しめる内容なので十分楽しむ事が出来ました。

綾瀬はるかと言えば素は天然でおっとりとした印象がある一方、身体能力が高く日本でも屈指の動ける女優さんでもあるわけですが、本作ではスタントなしのキレッキレのアクションをこれでもか、とばかりに見せてくれます。
まず冒頭のシーンから彼女の白熱したアクションシーンを楽しむ事が出来、つかみはバッチリ!
それでいて専業主婦としてのどかな港町でのんびり暮らす姿もバッチリハマる。
まぁそこは『海街Diary』でのイメージが蘇り、彼女の二つの魅力をひとつの作品で楽しめる内容と言えるのかもしれません。

一方での夫・勇輝役の西島秀俊さん。
公安警察であるもその姿を明かさず菜美の良き旦那として彼女を支えるのですが、旦那としての勇輝と警察としての彼の表情の使い分けが非常に印象的で西島さんの役者としての妙を見る様です。

また、菜美のカウンセラーを前田敦子さんが演じていますが、彼女も謎の多い存在。
しかし、後半になるとその謎も明かされ、また作中においての菜美の心理描写をガイドするという役割も持ちます。

スパイと公安警察が夫婦という特殊な設定から産み出されるストーリー展開も楽しませてくれます。
その一方、新エネルギー源開発を近年の原子力発電等の問題のメタファーとして取り上げたり、政治家と暴力団・警察と暴力団の癒着等社会的な闇にも踏み込んだ社会派エンターテイメントとしての側面も見る事が出来ました。

いちドラマの劇場版として軽く見ていたところもありますが、実はなかなか深いなと感じた次第です。
ただ、この製作側の姿勢は良いものの、やや強引過ぎたきらいがあり、結果的に消化不良感が否めなかったのが残念なところ。
まずそもそも菜美が記憶喪失になった経緯にも無理があったけどストーリーの都合上、ある程度は仕方なかったのかなとそこは目を瞑りましょう(何様じゃ!)
ラストのシーンよ。
予告編でもよく目にした菜美の左胸に銃弾が撃ち抜かれるシーンね。
その後、彼女は断崖絶壁から海面へと投げ出されるのだが、その後何事もなく元気にしてるんですよ。
菜美は生身の人間じゃなく、サイボーグなんかいっ!
その昔、綾瀬はるかさんサイボーグの役もやってましたからね(笑)
それからこれはドラマ版を見ていた人の意見にあったのはドラマではレギュラーの様に出ていた主要なキャラクターがごっそり出ていなかったという事で。
この辺はドラマを見ていない僕が言うのも何ですが、ドラマを見ていた人へのサービスとして登場させていてもよかったかもしれないですね。
例え劇場版の重要な場面に関わらないとしても。

なんてドラマを見ていない癖に生意気言いましたが、でも綾瀬はるかの極上のアクションシーンは一見の価値はあります!
是非劇場でご覧下さい!