きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版

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庵野秀明監督による大ヒットアニメ「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズの最新作にして完結編。1995~96年に放送されて社会現象を巻き起こしたテレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を再構築し、4部作で描いた「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ。2007年に公開された第1部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」、09年の第2部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」、12年の第3部「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に続く今作は、「新劇場版」シリーズの集大成となる。テーマソングは、これまでの「新劇場版」シリーズも担当した宇多田ヒカル。ミサトの率いる反ネルフ組織ヴィレは、コア化で赤く染まったパリ旧市街にいた。旗艦AAAヴンダーから選抜隊が降下し、残された封印柱に取りつく。復元オペの作業可能時間はわずか720秒。決死の作戦遂行中、ネルフのEVAが大群で接近し、マリの改8号機が迎撃を開始した。一方、シンジ、アスカ、アヤナミレイ(仮称)の3人は日本の大地をさまよい歩いていた……。
(映画.comより)

まずはじめに言わせて下さい。
私はヱヴァンゲリヲンに関してはほとんど詳しく知りません。
あくまで今回はとりあえず流行りに乗っかりというライトもライト、超にわかです。
そんな僕が「エヴァが、エヴァが」なんて語ると「お前にエヴァの何がわかるんだ!」とコアなファンからお叱りを受けるのではないか。
それを前置きした上で今回はお話しさせて頂きます。
とはいえ、これまでのシリーズを全く末見で本作を鑑賞するのはあまりに無謀と思い、元々の1月公開に合わせて去年の年末に新劇場版の序・破・Q三部作を鑑賞。
しかしそれだけではとてもじゃないが、理解に乏しくネットでエヴァに関する情報をキャッチしたりエヴァ好きな友人からレクチャーを受けるなどして本作を鑑賞。

ちなみにこんな事を言うと早速コアなエヴァファンからお叱りを受けそうなのですが、かつて90年代に「エヴァを見てる」なんて言えばヲタクとして周囲からいじられなかなか口外出来なかった風潮が少なくとも僕の周囲でありまして、それがこの年までエヴァに触れなかった理由でもあるんですよ。

さて、当初は2020年6月の公開が予定されていた本作。
しかし、新型コロナの影響で今年1月に延期となるもこちらも直前で延期となったのはご存知の通り。
3月8日。異例の月曜日公開となったわけですが、平日にも関わらず初日の興収は8億円。
改めて人気の高さを証明したわけですが、それにしてもネタバレの禁止の声が高かったですね。
今なら好きな人であればあらかた見終わってる事でしょうからこうしてレビューをお届け出来る運びではありますが、それでも細心の注意を払いながらお伝えしますが、そもそもネタバレさせようにも出来ないでしょ?
つまりそれくらい作品をきちんと見ないと…いや見ても正しくなんて理解出来ないのかもしれない内容です。

でも敢えて素人目で言えば異次元的な世界で繰り広げられる全く意味がわからない世界観。
それでいてにわかの僕でもかなり楽しむ事が出来ました。
そしてわかりましたよ、コアなエヴァファンの気持ちが!
それは答えがひとつではない。
だからこそファン一人一人の解釈があってそれをぶつけ合いたくなるんだろうなという事が。
故に本作に関しては極端に賛否両論分かれてるでしょ?
それは一人一人のエヴァに対しての思い入れや愛が生み出しているって事じゃないかな?
例えば宮崎駿とか新海誠
コアなファン以外の心も動かす日本を代表するクリエイターですけど、圧倒的に目にするのが賛の意見ですよね。
もちろん否定的な意見だってあるんだけど全体的には少ない印象です。
それって一般的な人に向けての80点以上の内容を常に提示していると見てるんですね。
ところが庵野秀明はと言えば特に誰かに向けての合格点を見据えてるわけではなく、庵野さん自身の面白い事を具現化してるのではないかなと思います。
シン・ゴジラ』を見た時に感じましたけど、東日本大震災というベースを持ちつつも、ゴジラが現代の東京に襲来した時に国の首脳はどの様な対応を迫られるのか?
それを庵野さんの構想でエンターテイメント性を追及しているなと思ったんですよ。
エヴァの場合、自己の内面というものをフォーカスしてそれを作品の世界観にしている。

今回シンジとゲンドウの関係性を見て強く感じたのがこれまで微妙な距離感で描かれていた父子の関係性に落とし前をつける描写が登場してきますよね。
それもかなりシュールな場所での戦闘シーンという形で(笑)
更にゲンドウの私小説的な語りでの生い立ちを写す場面等。
メタ的な構造で視聴する我々に提示するというのは『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』の時の様な悪夢が一瞬脳裏によぎったけどでもそうではない。
最終的に碇ゲンドウ庵野秀明の生い立ちと重なる様であり、それを見続けた25年来のファンのそれでもありと。
そして長年に渡るエヴァにおいてのミステリーが明かされ、溜飲が下がったのでは?と。
そしてそれぞれが追い続けたエヴァンゲリオンと重なっていく好きな人にとっては最高のラストであり、同時に戸惑いも感じる作品なんだろうなと思いました。

そんな本作を見た僕の最終的な感想です。
今回、僕は取ってつけた様な付け焼き刃的知識と浅い予習だけで本作を鑑賞しました。
そんな僕が見てもめっちゃ心に余韻が残りました。
もし時計の針を25年前に戻せるならその時の俺に言いたい。
エヴァを見ておけ!25年間人生損する事になるぞ!」と。

以上極力ネタバレを避けながら『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版』についてお話ししました。
コアなファンの方は既に見ている事でしょうが、僕みたいなライトな方。
事前の予習をした上での鑑賞を強くオススメします!