きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ワンダーウーマン 1984

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DCコミックスが生んだ女性ヒーロー、ワンダーウーマンの誕生と活躍を描き、全世界で大ヒットを記録したアクションエンタテインメント「ワンダーウーマン」の続編。スミソニアン博物館で働く考古学者のダイアナには、幼い頃から厳しい戦闘訓練を受け、ヒーロー界最強とも言われるスーパーパワーを秘めた戦士ワンダーウーマンという、もうひとつの顔があった。1984年、人々の欲望をかなえると声高にうたう実業家マックスの巨大な陰謀と、正体不明の敵チーターの出現により、最強といわれるワンダーウーマンが絶体絶命の危機に陥る。前作でもメガホンをとったパティ・ジェンキンス監督のもと、主人公ダイアナ=ワンダーウーマンを演じるガル・ギャドットが続投し、前作でダイアナと惹かれあった、クリス・パイン演じるスティーブも再び登場する。
(映画.comより)

久しぶりの大規模公開のアメコミ映画です!
MCU映画を劇場で鑑賞したのが2019年7月の『スパイダーマン ファーフロムホーム』で、DC作品は昨年3月の『ハーレイクインの華麗なる覚醒』以来。
ほんの少し前なら毎月の様にアメコミ映画は公開されていましたが、やはりこれもコロナの影響ですね。
もっともこの『ワンダーウーマン』にしたって10月に予定されていましたが、12月に延期。
しかし日本での公開は12月25日から一週間前倒して12月18日公開となったのはファンとしては嬉しいものでした。

そして久しぶりのアメコミ映画をしかと満喫してきたワタクシですが、やはりこのテの映画は劇場で見なければと改めて感じた次第。
まずは3年振りの続編となったこの『ワンダーウーマン』。
2017年の一作目更にその後にDCEUのヒーロー達が集結した『ジャスティス・リーグ』でも存在感を放っていたワンダーウーマン(ダイアナ)。
ガル・ギャドットの当たり役であり出世作でもありますが、今回もあの美しさと強さは健在。
思えば前作では第一次世界大戦下を舞台に人間の世界を知らない彼女が天然ぶりを発揮させながらも、戦う姿が非常にカッコ良かったのですが、あれから時は経ち、1984年に生きる彼女からは天然さは抜け、すっかり都市に生きるデキる女へと変貌しておりました。
そしてそんな彼女に憧れを抱く女性の登場と彼女に近づく実業家がこの映画を盛り上げていくわけです。
そしてその中でテーマとなっていくのが人間の欲望。
人それぞれではありますが、欲には様々なものがあります。
お金持ちになりたい・有名になりたい・異性にもてたい・出世したい・賢くなりたい等々。
その欲を巧みに操り世界を混乱へと招いていく本作のヴィランの恐ろしさ。
とりわけアメリカ大統領へ近づき、大統領の欲をコントロールするシーン等は戦慄をおぼえます。
そしてそんな彼もまた欲のコントロールを誤り破滅へと導かれていくわけですが、そここそが見ている我々に問題を突きつけてくる場面と言えるでしょう。
ことほどさように現代はとかく欲に餓えた社会でもあり、SNSでのフォロワー数の獲得等に見られる承認欲求へも通じるものがありますよね。
とりわけダイアナの同僚女性においてのそれがかなり人間の本質を突いてるなと感じまして、元々は職場内でも目立たない存在。
そんな彼女が仕事も出来、コミュ力の高いダイアナに憧れるのは無理もない話し。
だけど彼女は町ではホームレスを介抱したりと優しい性格でもあるのです。
しかし、彼女が美貌や力を手中にしてからはとにかく野望の塊の様に豹変し、少し前までのホームレスへの優しさはどこへやら?
「全人類最強の存在へ上り詰めてやる!」とまで臆面なく口にするわけですから。
これは彼女の存在を我々非力な人間そのもののメタファーとして登場させ、メッセージを投げ掛けているという事ですよね。

それから面白いのが、ダイアナの恋人・スティーブ(クリス・パイン)の再登場ですね。
前作を知ってたらまさか彼が登場するなんてという驚きがありました。
そして面白いのが前作では女戦士だけが暮らす島から20世紀初頭のアメリカの都市へやってきたダイアナ。
文明的な物に触れ、天然っぽさを出して笑いを誘ってくれた彼女に色々と教えてくれたのがスティーブでした。
今度はスティーブが自分がかつて生きていた時代を越え、1984年へやって来たもんだから戸惑うばかり。
ダイアナは彼にその時代の習慣を教えたりファッションのコーディネートをしたりと前作と逆の立場になっていたのが印象的でした。
そしてこの二人が共闘していくのですが、やはり前作を見ているとアツくなりますね!

さて、この予告編でも気になっていたのが、ゴールドのスーツ。
昔見た『聖闘士星矢』感が男の子的なワクテカ感を煽ってくれるのですが、このスーツ果たして何なの?というのが本作を見る上で気になってたし、『ワンダーウーマン』前作からのファンはやはり私の様な心境になると思うんですよ。
ところが、ここぞという決めシーンにドラマチックに登場するでもなくはじめからダイアナの部屋にあるんですよね。
あのスーツを手に入れる経緯も気になるし、予告編へ本作のポスターでも大々的に出てるからめちゃくちゃスペシャル感のあるヤツだと思うじゃないですか。
案外そうでもなくて、それどころか結構雑に扱われてて逆に笑っちゃいましたけどね。

なんて具合に大味な面とか突っ込み所は確かにありますが、150分の長さも感じない痛快な内容でした。
それから私しきりに前作の話しを出したところからもお分かりかと思いますが、本作鑑賞においては前作を見る事を強くオススメします!
前作末鑑賞で楽しめなくもないですが、より楽しめる事必至かと思いますので。