きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ターミネーター ニューフェイト

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ジェームズ・キャメロンが生み出したSFアクション「ターミネーター」のシリーズ通算6作目で、キャメロンが直接手がけ、名作として人気の高い「ターミネーター2」の正当な続編として描かれる。キャメロンがプロデューサーとなり、「ターミネーター2」以来にシリーズの製作へ復帰。「デッドプール」を大ヒットさせたティム・ミラー監督が新たにメガホンをとった。人類滅亡の日である「審判の日」は回避されたが、まだ危機は去っていなかった。メキシコシティで父と弟とごく普通の生活を送っていた21歳の女性ダニーのもとに、未来から最新型ターミネーター「REV-9」が現れ、彼女の命を狙う。一方、同じく未来からやってきたという女性戦士グレースが、ダニーを守るためにREV-9と壮絶な戦いを繰り広げる。何度倒しても立ち上がってくるREV-9にダニーとグレースは追いつめられるが、そこへ、かつて人類を滅亡の未来から救ったサラ・コナーが現れる。リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーも28年ぶりにカムバックし、シリーズの顔であるT-800を演じるアーノルド・シュワルツェネッガーも出演。グレース役に「ブレードランナー 2049」のマッケンジーデイビス、ダニー役にコロンビア出身の新鋭女優ナタリア・レイエス
(映画.comより)

はい、今回はご存知『ターミネーター』新作です。
あの名作『ターミネーター2』の正当な続編と謳われているとあって映画ファンの期待は高まるばかり…ではあるんですが本国・アメリカでは興行的に不振なんてニュースも入っていたりとややすっきりしない心持ちで見て参りました。
と言うのもこの『ターミネーター』。
本作で6作目ですが、2を頂点とするもその後が評価的にも興行的にも振るわないじゃないですか?
思えば私も中学生の頃、今は亡き米子SATYに父親と見に行き、かなりエモい感情に打ちひしがれたものですが、それ以後新作が出る度に楽しみにしては裏切られてきたわけですよ。
で、4年振りの新作は本気出してきましたね!
ジェームズ・キャメロンが制作・原案に復帰し、リンダハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガーが「I'LL BE BACK」の先月通りシリーズにカムバック!
ただ、『ターミネーター』って80年代~90年代のあの時代だからこそ持て囃されたと思うんですよ。
事実、ターミネーターというあのロボット。
あれって冷戦時代のソ連のメタファーであり、サラ・コナーは聖母マリアすなわち神の国とするアメリカの象徴という位置付けなわけですから。
それがソ連崩壊、冷戦終了から30年近く経った今も同じ構造でやってる辺り古くささは感じを得ないんですよね。

なんてポジティブとネガティブが交差する語り口でお伝えしましたが、良い点残念な点整理しながら話していきましょう。
まずは2015年の前作『ターミネーター 新起動ジェネシス』と比較すると遥かにメリハリがあるし、アクションも見応えあります。
デッドプール』1作目のティム・ミラー監督の起用が功を奏してしいます。
それにジェームズ・キャメロンが加わったのも大きいでしょうね。
リンダハミルトンの現役っぷりにも圧倒されるし、シュワちゃんがビシッと作品を締めてくれる。
まぁ、さすがにその辺はレジェンドクラスですからね、当然として、物語の鍵を握るダニー・ラモスを演じたナタリア・レイエス、ダニーを守るグレースを演じたマッケンジー・デイヴィス等の好演も光りました。
フツーにアクション映画としては面白かったです。
採点すれば60点といったところ。

では残りの40点はどうなの?という話しですよね。
ハイハイ、わかりました。
焦らない焦らないその辺りはちゃんとお話ししますね。
先ほどフツーに面白かったとお話ししたじゃないですか?
そう、あくまでフツーに面白いんですよ。
あまり比較すべきではないかもしれませんが、今年公開されたもので言えば同じジェームズ・キャメロンが関わったあの作品やつい先日取り扱ったウィル・スミスのアレと比べると確かに映画的な楽しさは感じられるんですよ。
前作が酷評だった分それを挽回すべく臨んだ姿勢は評価出来ます。
でも他のいわゆるアクション映画と比較して面白いというだけで目新しさに欠ける、ともすれば「この流れどこかで見たなぁ」なんて既視感アリアリだし、CGとか映像面でもよくありふれた様なものを繋ぎ合わせてるだけでチャレンジングな試みを感じないんですよ。
ジェームズ・キャメロンやリンダハミルトンとシュワちゃんというシリーズ最大の功労者達を担ぎ上げて、ここ近年流行りの人気シリーズの最新作ブームに乗っかっちゃいましたの域を出ないのは何とも残念なところ。
特に2の正当続編とハードル上げた以上、それに応える様なスケールには仕上げてほしかったな。
移民問題やトランプ政権への批判等社会情勢を暗に取り入れるのはいいですが、詰め込み過ぎた結果、散漫になってしまった感は否めません。
後、やはり先の話しに戻りますが、80年代~90年代前半から脱却出来てないし、偉大なる名作である2の幻影に今回もまた飲み込まれてしまった様な気がします。
そう考えるとこの『ターミネーター』というシリーズ。
28年も前に生まれた過去のシリーズ作というとてつもなく高いハードルがこれからもつきまとい、それとの戦いが続くわけです。
日本のアニメだとドラゴンボールに近いかな?
ドラゴンボールGT』、『ドラゴンボール超』とありますが、『ドラゴンボール』と『ドラゴンボールZ』を超えないというね。

まぁ、今回も色々と言いました。
人気シリーズの最新作として見た場合、期待を超える領域ではないものの、アクション映画としては見応えある内容ではないかなと思います。

まだの方は是非劇場でご覧下さい!