きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ジェミニマン

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ウィル・スミスが現在の自分と若い自分の2役を演じ、「ブロークバック・マウンテン」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」の名匠アン・リーがメガホンをとった近未来アクション。史上最強とうたわれるスナイパーのヘンリーは政府に依頼されたミッションを遂行中、何者かに襲撃される。自分の動きをすべて把握し、神出鬼没な謎の襲撃者の正体は、秘密裏に作られた若い頃のヘンリーのクローンだった。その衝撃の事実を知ったヘンリーは、アメリカ国防情報局の捜査官ダニーの協力を得ながら、政府を巻き込む巨大な陰謀の渦中へと身を投じていく。主演のスミスは現在のヘンリーのほか、クローンである若いヘンリーも演じ、クローンのヘンリーは最新のデジタル技術によってスミスの外見を若返らせている。ダニー役はメアリー・エリザベス・ウィンスレット。製作に「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのジェリー・ブラッカイマー
(映画.comより)

今回はこちら!ウィル・スミスがウィル・スミスと戦うウィル・スミスのウィル・スミスによる映画ファンの為のウィル・スミス主演映画『ジェミニマン』です。
…って何回ウィル・スミスて言うねんて話しですが、こういう紹介したかっただけです、ハイ(笑)
まずは上のポスター画像を見て下さい。
ウィル・スミスがウィル・スミスと向かい合ってキャストのクレジットにウィル・スミスが2つ。
まぁ、インパクト大ではありますが、これは上映前から話題になっていましたね。

で、その最大のポイントですが、若き日のウィル・スミスはもちろんCG。
今のウィルが実際に演技をし、そこに最新の技術で加工し、出来上がったのが、本作での実年齢より約30歳程若返らせたウィル・スミスというわけです。

そんな二人が(野暮な事言えば一人だが)対峙し、繰り広げるアクションシーンは迫力あります。
ウィル・スミスといえばなんと言っても『アラジン』でのジーニーがあまりに記憶に新しいところ。
青いウィル・スミスがとにかく陽気に歌い、踊り、時におどけとそんなウィルジーニーに萌えた人も多い事でしょう。
それだけにこういう本来の彼の持ち味であるアクション系で見せるシリアスな表情にもジーニーを重ねた人は多いのでは?
まぁ、僕もそんな一人ですがww

で、この若いウィル・スミスはと言えばクローンです。
中年のウィルと若いウィルの対決を全面に打ち出してはいますが、最も胆となるのは実はここなんですよね。
もしもう一人の自分がいたら?
色んな想像が広がっていきますね。
ただおしなべて自分本人の優位に立つ事を想像して不都合な事をクローンに押し付けたりとか。
でも、もしそのクローンに意思というものが存在したら?という事なんですよね。
その昔『ドラえもん』でもそんな話しを見た記憶がありますが。
この『ジェミニマン』ではクローンが意思を持ちながら中年の自分と戦うわけですが、その後に中年ヘンリーが青年ヘンリーと向き合いポジティブなメッセージへと落とし込むあたりが印象的です。

そう、ただのエンタメ映画で終始させるだけでなく、見ている者へと伝える高いメッセージ性や大きなテーマも設けられた非常に深い内容になっているんです。

そしてとにかくアクションも豪快だし、バイクチェイスなんかも迫力満点!
そしてまさかこのバイクで…という手に汗握るシーンは必見だし、こういうシーンこそスクリーンに映えるわけですよ!

ただ、ハリウッドのアクション映画ならではというかCGやバトル等々は良いのですが、ストーリーがね~、なんというか大味なんですよ。
前半から既にその兆候が見えるんですが、まずクローンヘンリーが登場するまでかなり引っ張るんですよ。
しかも、その引っ張り方がお世辞にも見応えがあるとは言えない。

一応前提としては若い頃から結婚もせず、子供も作らずスナイパーとしての仕事に生き続けた孤独な男・ヘンリーが引退を決意するというところから始まるのですが、その内面をフォーカスするのに時間を割きすぎてスムーズに感じないんですよね。
そこに現れるメアリー・エリザベス・ウィンスレット演じるヒロインのヘンリーとのやり取り等もどうも冗長的に感じてスマートさがない。
率直に見た僕の印象がこうでした。

まぁ、それがあるからこそクローンヘンリーの登場がいきてくるというのはわかるんですけどね。

後もうひとつ欲を言えば音楽面もう少し頑張ってほしかったなという感じ。
アクションシーンであったり、クローンヘンリー登場シーンであったり見所はいくつかあるのにこれといったアガる様な曲がない。
そこもったいないな~。
『アラジン』の様にウィル・スミスに歌ってほしいとまでは言いませんが、曲の使いどころに特徴的な音楽が流れないのは個人的にはもったいない様な印象。

ただ、何度も言う様に映像的な満足度はかなり高いし、アクション重視で楽しみたいという方にはオススメ出来る内容かとは思います。
個人的にはウィル・スミスか好きなだけにやや肩透かし感は否めませんでしたけどね。