きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)

f:id:shimatte60:20190417220314j:plain

大ヒットアニメシリーズ「名探偵コナン」の劇場版23作目。劇場版シリーズでは初めての海外となるシンガポールを舞台に、伝説の宝石をめぐる謎と事件が巻き起こる。コナン宿命のライバルでもある「月下の奇術師」こと怪盗キッドと、これが劇場版初登場となる空手家・京極真が物語のキーパーソンとなる。19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を、現地の富豪が回収しようとした矢先、マリーナベイ・サンズで殺人事件が発生。その現場には、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていた。同じころ、シンガポールで開催される空手トーナメントを観戦するため、毛利蘭と鈴木園子が現地を訪れていた。パスポートをもっていないコナンは日本で留守番のはずだったが、彼を利用しようとするキッドの手により強制的にシンガポールに連れてこられてしまう。キッドは、ある邸宅の地下倉庫にブルーサファイアが眠っているという情報をつかむが……。
(映画.comより)

ハイ、今年もコナンの季節がやって来ましたよ~!
今作で23作目なのですが、ここ近年は右肩上がりで興業収入もあがってきていますが、そもそも何故コナンはこんなに人気があるのでしょう?
まず、ひとつに謎解きの面白さ‥と言いたいところですが、これは何も今に始まった事ではありません。
もっと違った部分を見ていきましょう。

ひとつに魅力的なキャラクターを配し、それらの見せ場を作る事によって各々のキャラクターのファンのみならず、新規層にも十分なアプローチをしていく。
去年の『ゼロの執行人』で言えば安室透なんかはまさにそれでしたね。

次にアニメーションの次元を超えたアクションの派手さが高揚感を生み出す。
爆破、カーチェイス、格闘アクションに脱出劇と何でもござれのアクションのデパートと呼びたくなる程多彩。
ぶっちゃけ言うとハリウッドのアクション大作に決してひけを取らないです。
去年なんかは『ワイルドスピード』を見に来てんのかなと思ったくらいですよ(笑)
また、実在する建物や或いはそれをモデルにした建物等でドンパチ繰り広げたり想像だにしない様な事しちゃいますからね。
これはアニメーションだからこその強みだと思いますよ。

後はシリアスだけではなく、適度なギャグパートを配する事でメリハリがある。
物騒な事件があってもその後の阿笠博士と少年探偵団が登場するだけでほっこりしますからね。
冷静な突っ込み役である灰原が居る事でまとまりがあるし。

それを踏まえての最新作『紺青の拳』です。
ちなみに僕自身、『コナン』で好きなキャラクターは?と聞かれたら怪盗キッドかなて思ってます。
コナンの永遠の宿敵であり、同時に何だかんだで素敵な関係。
魅力あるキャラクターだと思いますよ。
で、今作はそのキッドを大々的にフィーチャーしているのでまぁ、とにもかくにもなキッド祭りなんですよね。
そして京極真。
園子との関係も良い感じに登場するので、2017年の『から紅の恋歌』にも通じるところがあり。
そして、園子がまた可愛いんだわ。
普段と雰囲気が違う。
ある意味本作のヒロインは蘭ではなく園子だったと思います。

そして相変わらずな爆破を含めた派手なシーンの数々。
今回はシンガポールが舞台なのですが、まさかのマーライオンから‥みたいなね。
荒唐無稽なんだけど、まさに前述の様にアニメだからこそ出来る妙義。
すげ~ホラーでもあったんだけどシンガポールで事件となればあの気持ち悪さは逆にありでしょ。

で、本作はシリーズ初の女性監督。
名探偵コナン』のファン層は老若男女幅広い層がいるわけですが、とりわけここ近年は女性ファンの存在が目立ちますね。
去年は特に顕著で安室透の存在は多くの女子の心をキャッチした様ですからね。
ならば、という事なのか女子目線でのコナンをという経緯かどうかは知らないですが、初の試みとして挑む姿勢は攻めてると思います。

ただ、正直今年は去年ほどの熱さはなかったというのが私の本音です。
去年は全体通してしまってたし、何より良い意味での緊張感があった。
何度も引き合いに出すし、過去の記事を見て頂いた方が良いかもしれませんが、とにかく安室透のカーチェイスは鳥肌モノだった。
アニメ映画でここまでやるか~と見ていて僕の溜飲が下がったものです。
あれ見たさに結局三回程見ましたからね(笑)

ところが今年に関してはうん、確かに面白いんですよ。
だけど、あの手に汗握り血湧き肉躍った興奮がなかったです。
少々抑え目になったきらいがどうしても否めませんでした。

後、いつもの予定調和が今回はない。 
例えば阿笠博士のクイズなんかもそうだけど、あれは博士が出題して少年探偵団がわちゃわちゃやるから良いのですが、今作ではコナンと灰原しか絡んでない。
当然、この二人にクイズを出題したところであっさり交わされるのは目に見えてわかるじゃないですか。
後、少年探偵団が去年はあんなに活躍してたのに今年は「彼ら要る?」てくらい存在感がなかった。
もっと出してあげて(笑)

後、去年で言うドローンだとかフリーランス弁護士の様な今っぽさを感じる要素が今年はなかったなぁ。
いや、必ずしもそれがないといけないわけではないけど、「ほ~、そうきたか~」と思わせる何かが欲しかったかな~。 

で、本作は「洋画か?」と思うほど英語での会話プラス字幕が多かった。
いや、大人はいいんですよ。
でも『コナン』は本来、子供を対象の主としているわけだから。
製作者の英語得意ですよアピールでもしたかったのかなという位、英語が出てくる。

なんて言いたい事も言えるこんなブログで好き勝手言いましたけど、全体的に見て面白いのは間違いないです。
ただ、どちらかと言うと大人向けかな?

ちなみに僕はMOVIX日吉津で見ましたが、本編始まる前の予告は熱かったです。
何しろあの『アベンジャーズ』とコラボしてますから。
GW映画の洋画と邦画の両雄並び立つといったところでしょうか。

シリーズ初の興収100億も狙えそうな大ヒットとなっている様です。
是非、皆さんも劇場でご覧下さい!