きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ヴェノム

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スパイダーマンの宿敵として知られるマーベルコミックの人気キャラクター「ヴェノム」を、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ダンケルク」のトム・ハーディ主演で映画化。サム・ライミ監督作「スパイダーマン3」にも敵として登場したヴェノムを、「ゾンビランド」「L.A. ギャング ストーリー」のルーベン・フライシャー監督のメガホンで、新たなダークヒーローとして描く。「誰もが望む、歴史的偉業」を発見したというライフ財団が、ひそかに人体実験を行い、死者を出しているという噂をかぎつけたジャーナリストのエディ・ブロック。正義感に突き動かされ取材を進めるエディだったが、その過程で人体実験の被験者と接触し、そこで意思をもった地球外生命体「シンビオート」に寄生されてしまう。エディはシンビオートが語りかける声が聞こえるようになり、次第に体にも恐るべき変化が現れはじめる。
(映画.comより)

それにしてもマーベルは次から次へと引き出しが多いですなぁ。
アベンジャーズ』シリーズという大舞台の為にここ数年でも数々のキャラクターをソフト化してきたわけですが、遂にはヴィラン=悪役を主人公に持ってきたわけですよ。
サム・ライミによる『スパイダーマン3』は個人的にもシリーズ中の名作だと思っているのですが、同作に登場するヴェノムがどの様に誕生していくかそしてそんなヴェノムが大活躍を見せるアクション大作。
当初は年末に公開される予定だったのですか、諸事情により前倒しで11月公開となりました。
さて、マーベル作品と言えばどうしてもライトな人には敷居が高いというイメージがあらます。
新シリーズが公開されても必ず他シリーズが絡んできたりともすれば『アベンジャーズ』の過去作も押さえておかなければならなかったり。
本作もまた『スパイダーマン』のヴィランであれば『スパイダーマン』シリーズを網羅しなければならないのかと思いがちですが、心配ご無用。
本作に関しては全くと言っていい程他シリーズ作が絡んでこない新しいユニバース作なので、全く予習が必要ありません。
そしてもっと端的に言ってしまえば『寄生獸』とか『ド根性ガエル』です(笑)
ひとつの人体に全く別の人格があり、ともすれば対話までしてしまうという至ってシンプルかつ馴染みやすい作風ではないかと思います。

主人公となるのはエディという人物。
彼はジャーナリストとして非常に強い正義感を胸に日夜戦う一方、弁護士である恋人と幸せな生活を過ごすのですが、その正義感が仇になり仕事を失い、更には恋人にもフラれるというなかなか悲惨な状態からストーリーが始まります。

まず、この時点で『スパイダーマン』的じゃないですか。
冴えない男がとあるきっかけで化けていく。
まぁ、ありがちっちゃありがちですが、「らしさ」を垣間見れたのは個人的には良かったです。

そしてエディとヴェノムの関係性から見るとこの映画ってバディ物なんですよね。
エディの体に寄生してしまったヴェノムの暴走をエディが制止する。
でも身体はエディなものだからはたから見ればエディが暴れてる様にしか見えない。
コメディ的演出により笑いを誘ってきます。

と、そんな事をつらつらと綴っているうちにふとある事を思い出しました。
「あれ、そういえばこの映画ってグロさをおしてなかったっけ?」
そもそもこのヴェノムという地球外生命体そのものがグロテスクだし、予告編にしろポスターにしろさも『エイリアン』的なグロさや気持ち悪さを強調するかの様なコピーでした。
しかし、エディに寄生するシーンだって染み込んでいく様にスッと入り込んでいくし悪党を呑み込んでいくシーンだって全然残虐性がない。
なかなか過激な描写と本来はなるべき所、実にあっさりしている。
まぁ、ファミリーやカップルで見に行く分には良いですよ。
ある意味デートムービー向き。
しかし、スリルを求めていると肩透かしを食らってしまうのは事実ですね。
それから個人的にはヒロインとなる女弁護士はどうにも都合の良い女に思えて仕方ないんだよなぁ。
冒頭ではエディと愛を語り、濃厚なラブシーンを展開していたと思ったら仕事をクビになるやいなや別れるってそういう時こそ支えてやれよ(笑)
エディもエディでこんな女放っときゃいいのに別れてからもケツ追っかけ回してさ~。
まぁ、こういうキャラ設定だからこそ映えるってのはあるんですけどね(笑)

それからどうにもすっきりしないんだけど、シンビオートが結局何なのか?の説明がないし、何でエディの身体に寄生したのかの意味も明らかにされない。
もやっとするなぁ、もう。

そしてこれはMCU映画特有のものですけど、エンドロールが終わっても次の展開を匂わせる映像が今作もあります。
その辺りを心得てる人は問題ありませんが、そうでない人もいるわけです。
そこをカバーする様に冒頭で注意書きが表示されます。
しかし、エンドロール長すぎっ!!
レイトショーで見に行ったのもありますが、そこでは僕は心地よい眠りについてましたよ(笑)
で、そのエンドロール明けには目を引く映像があるのかと思いきや、とってつけたかの様なアニメでのスパイダーマン登場。
それがねぇ、「これ、誰得?」感が半端ないんですよね。
10分強に渡る長いエンドロール明けにこれかいっ?て突っ込んじゃいましたよ。

今回は少々不満が多くなりましたね、ただ個人的には今回の残念な点は見直し、良い点はブラッシュアップさせた上で次回作を見たいという気にはなりました。
次作に期待です!