きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ボヘミアン・ラプソディ

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世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。クイーンの現メンバーであるブライアン・メイロジャー・テイラーが音楽総指揮を手がけ、劇中の楽曲には主にフレディ自身の歌声を使用。「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった名曲誕生の瞬間や、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」での圧巻のパフォーマンスといった音楽史に残る伝説の数々を再現するとともに、華やかな活躍の裏にあった知られざるストーリーを描き出していく。「ナイト ミュージアム」のラミ・マレックがフレディを熱演し、フレディの恋人メアリー・オースティンを「シング・ストリート 未来へのうた」のルーシー・ボーイントンが演じる。監督は「X-MEN」シリーズのブライアン・シンガー
(映画.comより)

ただいま大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』。
日本でのクイーン人気の高さは今更言うまでもないですが、正直ここまでの大ヒットになるとは思っていませんでした。

でもこの映画を見て納得!
これは流行るわ~と確信したワタクシです。

それでは早速この映画について語らせて頂きましょう!
でもその前に!

私にとってのクイーンとの向き合い方について簡単にお伝えしておきます。
はっきり言ってめっちゃライトです!
10数年前にドラマでクイーンの楽曲が起用され、その時に出たベストアルバムをせいぜいかじった程度です。
好きな曲は色々ありますが、「大ファンです!」なんて口が避けても言えないです。

でも、本作はそういう人にこそ刺さる映画。
クイーンそしてフレディ・マーキュリーという人を知る上でこれ以上ない程の入門編映画はないという程の指南書的役割を果してくれる映画です。

まず、映画の本編が始まる前から心掴まれます。
20世紀フォックスのファンファーレが流れます。
ギターの音がギュイ~ンとそのファンファーレを奏でてくれる。
何とブライアン・メイロジャー・テイラーがこの映画の為に新録したとの事。
時間にして僅か25秒なのですが、この時点でえもしれぬ高揚感が生まれます。

そして本編に入っていくのですが、クイーンのキャリアを物語る上で伝説的なアクトを行った85年のライブエイドについてカメラが追っていくのですが、フレディ・マーキュリーの目線から見た客席をスクリーンに映し出してくれます。
あ~、鳥肌モノ。

そのライブエイドを到達地点としてフレディはどの様に音楽を始め、クイーン結成に至ったのか青年期のエピソードへとフラッシュバックさせていきます。

クイーン結成~メジャーデビュー~そして大成功へ。
ひとつのバンドのサクセスストーリーを追いながら、それに寄り添う様に流れるクイーンの名曲の数々。
そしてその名曲は何と劇中では30曲近く使用されているとあり、クイーンファンではエモーショナルな情感に満ち、僕の様にあまりクイーンに詳しくかいという人には大スクリーンで流れるクイーンの楽曲には圧倒される事でしょう。
そしてその名曲が生まれていくエピソードは実に興味深かったです。
この映画のタイトルでもある『ボヘミアン・ラプソディ』はもちろん『ウィ・ウィル・ロック・ユー』、『地獄へ道連れ』等々。
そしてフレディ・マーキュリーの生い立ち等々に関しては意外と知らない人も多いと思いますが、その辺りも実に丁寧に扱われていたので参考になったという人も多いのではないですか。
僕もそんな一人です。

それからラミ・マレック演じるフレディ・マーキュリーはじめクイーンメンバーの面々が素晴らしい!
決してモノマネというのではなく、実に巧みに各メンバーを演じていらっしゃいましたから。
とりわけフレディなんかは実際に本人がスクリーンに出てるとしか思えませんでした。
天才が故のぶっ飛んだ変人ぶりも見事でした。
また、フレディと言えば避ける事の出来ない題材としてエイズという病であり、自身がゲイ(正確にはバイセクシャル)という事なのですが、しっかりと盛り込まれています。
しかし、決して重くならず生々しくせず、オブラートに包む様な見せ方は功奏していたのではないかなと思います。

一方、クイーンに詳しい人程辛口な意見や指摘もあるみたいですね。
あのエピソードがない、あの人物が登場しない、あのエピソードを語る上で何故あれを省略するんだ、時系列が史実通りでない等々。
まぁ、気持ちはわからなくもないですよ。
ただ、映画の限られた尺の中であれやこれや詰め込み過ぎて中途半端になってしまう恐れもありますし、それによって感動が損なわれてしまっては本末転倒じゃないですか。
それに本作がフレディ・マーキュリーの伝記であり、ノンフィクションと謳っているのであれば、改変だなんだと言うのも無理はありませんが、決してそうではありませんからね。
あくまでライトな人にも見やすい様にフレディ・マーキュリーとは?クイーンとは?
それを端的に知ってもらう上では最良な作りになっていると個人的には思います。
コアなファンが望むアナザーストーリーはまた別の機会に期待を込めましょう。

ちなみに個人的に敢えてのわがままを言わせて頂くのあれば、ドラマパートでもう少しカタルシスを生み出す仕掛けがあれば良かったかな?
でもそれは強いて言えばの欲求です。
それを上回る至高の映像体験が出来たので十分満足です。
それは何かと言えば、後半20分に渡る壮大なライブエイドのシーンです。
怒涛のクイーンの名曲群をこれでもかと浴びせかけられる圧巻のライブ。
鳥肌は立つわ、心の底から沸き立つエナジー、ぶっちゃけ立ち上がりたくて仕方なかったですよ(笑)
立ち上がって、大声で叫び、手が痛くなる程の拍手をしたかったです。
そして終盤は私の目が滲んでスクリーンがぼやけて見えない。
そう、涙が私の眼を大量に支配してまともに画面を見せてくれないんですよ。
ライトなクイーンリスナーである私がここまでクイーンの曲に胸を熱くさせ、感情を揺さぶられるなんて正直、思いもしませんでした。
断言します!
2018年ベスト級です!

エンドロールが流れても誰一人席を立つ人が居なかったです。
こんな映画って今年あったかな?
皆が満足していつまでも余韻に浸りたいと一同に思ったわけですからね。

そして『ショー・マスト・ゴー・オン』が流れるエンドロールを見終わり、涙を拭いながら劇場を後にしたワタクシ。
売店でパンフレットを買おうとしたら売り切れ。

後日、再度行くもやはりパンフは売り切れで再入荷未定の表示が。
せめてサントラがほしいとCD屋を2~3件はしごするもやはり品切れ。
アマゾン先生をポチッとして、ようやく購入。
そして今は毎日聴いているという次第です。

2018年も終盤に入り、飛び込んだ名作『ボヘミアン・ラプソディ』是非アナタも劇場でご鑑賞下さい。