きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命

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山下智久新垣結衣らの共演で、リアルな医療・災害・事故現場の描写や主人公たちの成長と絆の人間模様を描き、2008年7月の放送以来、連続ドラマ3シリーズ、スペシャル版1作品が放送された人気テレビドラマを映画化。舞台は17年に放送された3rdシーズンで描かれた地下鉄トンネル崩落事故から3カ月後。東京湾を運行していたフェリーが濃霧の影響で海ほたるに衝突し、さらに成田空港でも異変が生じる。未曽有の連続大事故現場から藍沢たちに出動要請が入る。藍沢役の山下、白石役の新垣、戸田恵梨香比嘉愛未浅利陽介といった10年間シリーズに参加したレギュラー陣のほか、テレビ版から続投の安藤政信椎名桔平、劇場版から参加する新田真剣佑、かたせ梨乃、山谷花純らが出演。
(映画.com より)

フジテレビ製作のドラマ映画と言えば『踊る大捜査線』、『HERO』、『海猿』の様なメガヒット作を筆頭に近年では『信長協奏曲』や『昼顔』など軒並み大ヒットとなっています。
私自身、TVドラマ自体はあまり見る慣習がない為、劇場版鑑賞にあたってはDVD で予習をした上で鑑賞する機会が多いです。
この『コードブルー』に関しても然りで08年の1stシーズンから2017年の3rdシーズン、更に09年正月に放映されたスペシャルとこの数ヵ月間、暇を見つけてはレンタルをしてチェックしてきました。
それによってコードブルーに関しての基礎的な部分はカバー出来たと思います。

その上での劇場版鑑賞なのですが、まず冒頭でこれまでのドラマシリーズ10年間を走馬灯の様に振り返ります。
ドラマ末見であっても大体は把握出来るとは思います。
しかし、ドラマシリーズを見ておいた方がより作品への理解力が高まります。
なのでこの劇場版鑑賞においては今からでも出来る限りレンタルした上でドラマ版まとめ見をしておきましょう。

さて、本作の内容に入っていきますが、前半部ははっきり言います。
『余命一ヶ月の花嫁』です(笑)
結婚を控えたひと組のカップル。
癌に冒された女性とそんな彼女を支える男性のエピソードです。
『余命一ヶ月の…』はあまたある人の死を大々的な売り文句にする感動ポルノ…失礼、言葉が過ぎましたね。
ピュアな感動ラブストーリーです。
同じ列に座ってた若い女性がしくしくしてましたよ。
「ああ、こういうのが好きなのね」なんて思ったワタクシ。
はい、うるっときました。
いや、案外嫌いじゃない。てか好きな方です(笑)

ただ、このカップルのストーリーは悪くはない、いや良かったですよ。
しかし、そこに何の余韻も残さないまま次の事故が発生し、新たな展開に持っていく辺りは残念でしたね。
しばらく浸らせてくれよ~。
あえて素人が偉そうに言うならばこの花嫁エピソードをきれいにまとめて余韻を残した後、コメディリリーフである浅利陽介演じる藤川の面白エピソードで和ませた後、シリアスな展開に運んでくれた方がメリハリがついてよかったと思うんだけどなぁ。

それから本作全体を通して言えるのがあれやこれやと詰め込み過ぎなんですよ。
ひとつひとつのエピソードにはテーマも盛り込まれているし、それに向き合っていくメンバーの姿は確かに良かったですよ。
ただ、尺の問題も有るんでしょう。
前述の花嫁も然りですが、消化不良が否めません。

また、これはドラマからそうなんですが、関係者が事故に巻き込まれ過ぎ。
まぁ、そういうオヤクソクみたいなものなんでしょう。
竜ちゃんが「押すなよ、押すなよ」と言えばみんなで押す為の前フリみたいなね(笑)
後、オペ中の会話シーンが多すぎるし、件のとあるメンバーが事故に巻き込まれ患者になった後の回復力早すぎでしょ?
瀕死の重体だったんだよね?

それから雪村(馬場ふみか)の母親(かたせ梨乃)が登場するシーン。
彼女らのエピソードではアルコール依存性という病気、更に母娘の確執というテーマが描かれていませが、母親登場シーンはパンチが効きすぎていて良くも悪くもめちゃくちゃインパクトあります。
ホラーなのかコメディなのかあのシーンをどう見るかでその人の感性が試されてる様ですね。
ちなみに私は顔をしかめながら見てました。

ドラマからのシリーズのファンを大切にしてるなというのは感じます。
ドラマで登場した数々のエピソードを踏襲しながら本作へ反映させる描写は数々見られましたし、3rd シーズンには一切登場しないあの人も登場します。

ただ、その一方での不満を口にするならば、あの人も出すなら何であの人出さないんだよという点。
脳死や臓器移植についての問題も気になるんだよなぁ。
自分の息子の脳死で落ち込む父親に対する言葉がけがすごい良い話しっぽくなってるけど腑に落ちないなぁ。
それからMr.Childrenのテーマ曲『HANABI 』の使い方。
これは一言言わせて頂きたい。
この曲は『コードブルー』という作品を語る上では欠かせないその世界観や登場人物達の心境や生きざまを投影させた名曲です。
『コードブルー』と言えばこの曲、この曲と言えば『コードブルー』という程根付いている訳です。
3rd シーズンまでドラマがあるにも関わらず一度も主題歌を変える事なくこの曲を起用し続けたのには製作陣のこだわりがあると思います。
にも関わらず、何であの使い方するかなぁ。 
綺麗なエンディングで余韻をしっかり残してほしいのにその点が頂けないな~。
終わり良ければ何とやらって言うでしょ?


なんて不満は尽きないのですが、私のぼやきとは関係なく映画は大ヒット!
景気の良い話しですな。
作品の出来はともかく邦画の明るい話題は嬉しいものです。