きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

劇場版ポケットモンスター みんなの物語

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人気アニメ「ポケットモンスター」シリーズの劇場版第21作。前年公開の「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」から始まった、サトシとピカチュウの新しい冒険を描き、今作には伝説のポケモン「ルギア」が登場。1年に一度の祭りでルギアから恵みの風がもたらされる街フウラシティを舞台に、新しい仲間たちとの物語が紡がれる。1年に一度の風祭りの最終日に、ルギアからの恵みの風がもらえるというフラウシティ。偶然、祭りに参加していたサトシとピカチュウは、リサ、カガチ、トリト、ヒスイ、ラルゴという5人の仲間と出会う。それぞれが悩みを抱え、パートナーのポケモンと一歩を踏み出せずにいる5人との出会いが、運命の歯車を回し始める。芦田愛菜川栄李奈濱田岳大倉孝二野沢雅子のほか、シリーズおなじみの中川翔子山寺宏一がゲスト出演する。
(映画.com より)

ここに来て何故ポケモン

て話しですが、実はワタクシお恥ずかしながらゲームで『ポケットモンスター』なるものをした事がありません。
早い話し世代ではないんですね。
なのでゲームにおいてのポケモンのシステムやら何やらと言うのがわからないです。
そんな私にとって転機となった作品が昨年の『劇場版ポケットモンスター キミにきめた』でした。
アニメの『ポケモン』一作目のリメイクという事でシリーズ末見でも楽しめる内容と聞き、見に行ったらそれがね~、メッチャ良かったんですよ。
泣きこそしませんでしたが、ウルっときたしバトルシーンなんかも熱かった!
いや~、所詮子供向けなんて舐めてましたよ。

そして一年後。再び最新作が公開され見て参りました。
夏休みに入る前の平日に鑑賞してきたのですが、圧倒的に大人が多かった。
ドラえもん』や『しんちゃん』を見た時もそうでしたが、大人達…いや、大きなお友達のみんなは鑑賞するタイミングを心得てらっしゃるのですね。
最近ではそんな大きなお友達の為にレイトショーもあるくらいですから。

さて、本作ですがサトシとピカチュウが主人公であるのは言うまでもないのですが、様々なオリジナルキャラクターが登場し、それぞれに見せ場がある言わば彼ら一人一人が主人公とも言える群像劇となっていました。
しかもみんなそれぞれに色んなコンプレックスを抱え、それに対峙しながらポケモン達と行動を共にし成長をしていく。
虚言癖のあるオッサンに人前で喋るのが苦手な青年、ポケモン嫌いとうそぶく偏屈者のばあさんに陸上に打ち込むも挫折を味わった少女。
年齢も性別もバラバラだが、彼らそれぞれに抱えたドラマがあり、ポケモンを通じてひとつになる。
先日評した『ワンダー 君は太陽』ではオギーという少年を軸に彼の周囲の人々の内面を映し出したのが印象的でしたが、本作ではポケモンを通して登場人物達のヒューマンな部分をフォーカスしていく。 
実に見事なストーリー展開だったと思います。

そしてそれぞれのキャラクターを演じたゲスト声優の面々が素晴らしい!
とりわけ印象深かったのが女子高生のリサを演じた川栄李奈
病気の弟の為にポケモンを探しに行くもポケモンに対して無知が故にカガチの嘘にあっさり騙されて無駄骨を折らされるハメになる。
しかし、彼女には打ち込んできた陸上で挫折を味わった経験がありました。
一見、派手そうな外見とは裏腹に繊細な面を持つ少女を好演していました。
それから野沢雅子さん演じるヒスイという老婆は存在感を放っていましたね。
悟空のイメージがあまりに強い野沢さんですが、おばあさんの役もまたよくハマるものでして、『ONE
PIECE 』のDr.くれはが特に印象深いです。
本作では偏屈な老婆・ヒスイを演じていらっしゃいましたが、ラストに近づくにつれ、このおばあちゃんの活躍に目が離せなくなります。
山寺宏一さんが担当したオリバー市長も印象に残るキャラクターでした。
古今東西あらゆる映画作品において

権力=悪の象徴

という描かれ方はよくされるものです。
しかし、こと本作においてこの市長はサトシ達と手を取り町に起こった混乱を鎮める為に尽力します。 
ジュラシック・ワールド』と近いタイミングで見たせいかどうしても欲にまみれた権力者を思い出してしまったのですが、善人権力者というキャラクターが妙に新鮮でした。

この様に登場するキャラクターや演じられた皆さんいずれも素晴らしかったと思います。

しかし、昨年の『キミにきめた』と比較するのは酷ですが、思いの外淡々としていたのが強いて言えばの不満点です。
山場がなかったわけではないですが、盛り上がりに欠けてしまったのは、否めないですね。
アベンジャーズ』におけるサノスという強大なヴィラン(敵)がいれば…いやいやあんな半端ないのじゃなくてもいいから特徴的な敵キャラがいてほしかったかな~。

ポルノグラフィティのエンディング後には来年の予告が流れました。
かなり騒然としてましたよ。
劇場を後にしてからもその会話をしてる人もいました。

ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』。
去年から見始めた自分にとっては「へ~」くらいの感覚でしたが、初期からのファンにとってこれは大事件の様ですね。