きんこんのブービームービー

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ラプラスの魔女

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東野圭吾のベストセラー小説を三池崇史監督のメガホンで実写映画化し、櫻井翔広瀬すず福士蒼汰が初共演を果たしたサスペンスミステリー。妻と温泉地を訪れた初老男性が硫化水素中毒で死亡する事件が発生した。捜査を担当する刑事・中岡は妻による遺産目当ての計画殺人を疑うが、事件現場の調査を行った地球化学専門家・青江修介は、気象条件の安定しない屋外で計画を実行するのは不可能として事件性を否定。しかし数日後、被害者男性の知人が別の地方都市で硫化水素中毒により死亡する事故が起きる。新たな事故現場の調査に当たる青江だったが、やはり事件性は見受けられない。もし2つの事故を連続殺人事件と仮定するのであれば、犯人はその場所で起こる自然現象を正確に予測していたことになる。行き詰まる青江の前に謎の女・羽原円華が現われ、これから起こる自然現象を見事に言い当てる。彼女は事件の秘密を知る青年・甘粕謙人を探しており、青江に協力を頼むが……。
(映画・com より)

新作映画を月5~6本平均で見ているとたまに鑑賞後めっちゃ後悔するという作品にぶち当たってしまう事があります。
それを私は事故案件として扱い年間ワースト候補にもれなくノミネートしてしまうのですが、この『ラプラスの魔女』なんかはまさにその事故案件でした。
思えば最近駄作続きの三池崇史によるサスペンス作品という時点で手を引くべきでしたね。

というのも原作こそ読んでいませんが東野圭吾原作として『祈りの幕が下りる時』という個人的な大ヒットと今年遭遇していたのでそこに対しての期待から鑑賞に踏み切ったという次第です。

まず本作のキャスト陣について。
主演の櫻井翔の必要性があまりに希薄でした。
若くて有能な大学教授という事でしたが、ストーリーの中心として目立つのは広瀬すず演じる羽原円華と福士蒼汰演じる甘粕謙人という特殊な能力を持つ二人。
櫻井くんに関してはひたすら事件を追いかけ回してすずちゃんのアッシーになるというくらいしか存在意義がありませんでした。

また、円華の父親役であったリリー・フランキーに関しても今回はよくわからなかったですね。
役者としてのリリーさんは個人的にはすごい好きです。
当ブログで扱った作品で言えば『探偵はBARにいる3』でも評した様に善人から悪人までどれを取ってもサマになり本職の俳優さんでないにも関わらずそ演技の幅が非常に広いと感心します。
しかし本作ではキャスティングのミスマッチが生じたのかリリーさんの良さを活かしきれてない様な気がします。
ただ淡々としており眠気を誘う様てました。

豊川悦司による映画監督役は見事でした。
トヨエツと言えば近年の作品だと『後妻業の女』での怪演が個人的には好きなのですが、それに劣らずなイカれた人物を演じていました。
本作におけるMVPをあげるならこの豊川悦司さんになるのではないかなと思いました。

役者の演技については以上ですが、映画全体としては非常に理解に苦しむものでした。
サスペンスとして内容が難しかったのかというとそういうわけではありません。
容疑者Xの献身』や『真夏の方程式』といった『ガリレオ』のシリーズものが楽しめれば理解出来る程度の内容です。

脚本や演出の問題です。
本来説明が必要な箇所に何の説明もないし時系列の追い方ひとつ取ってもテロップの挿入がなかったり(テロップの多用はよろしくないが要する場面でないのは頂けない)、次の展開に向かうまでその展開を示唆する描写が欠落していたりするのであまりに唐突なストーリー展開に見る側が置いてきぼりを食らう事になります。
つまり鑑賞者に優しくない作りなんですよね。

例えば広瀬すず演じる円華を櫻井翔演じる青江修介が車に乗せ逃走するシーン。
カーチェイスを繰り広げるのですがそのシーンだって『名探偵コナン ゼロの執行人』のカーアクションシーンを見た後だと何とも見劣りするんです。(アニメと実写の違いがあるとは言え)
で、追ってきた連中とバトルを繰り広げるのですが高嶋政伸演じる刑事が居るんです。
円華がその刑事の名前を呼ぶシーンがあるのですが、さも知ってる事前提の刑事の名前。
元々この刑事は前のシーンでも登場してたのですが名前は名乗ってないんですよね。
「えっ?この人そんな名前なの?」と戸惑うばかり。

それからネタバレになるので特定の名前は控えますが事件の犯人である人物の犯行動機がいまいち理解に苦しむ。
「えっ?そんな事で犯行に及ぶの?」なんて引っ掛かります。
いや、百歩譲ってそれを犯行動機にするならするでもう少しそれに付随する様なストーリー上の盛り上がりが欲しかったですね。

それからその人物が立て籠る廃墟について。
あの廃墟自体は趣があって良かったですよ。
ただ、何であの場所まで行かないかんかったのかな、てかどこだよ、あそこ?

…なんて不満しか口に出てこないです。

ただ、エンディングテーマを嵐の楽曲を起用しなかったのは良かったかな。
曲がりなりにも重厚なサスペンス映画である以上、キャッチーな曲を使わない姿勢は評価出来る点だと
思います。