きんこんのブービームービー

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~

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あらすじ
物語の舞台は2002年。料理人として、人生最後に食べたい料理の依頼を受けていた佐々木充。彼は麒麟の舌の持ち主と言われ、一度食べた味を再現することができる天才的人物だが、独善的な性格ゆえに従業員や客との信頼関係を結べず自身の経営する料理店を閉店に追い込み多額の借金を返済する為に最後の料理人としての仕事をしていた。
あるとき、中国の料理人・楊清明から1930年代に宮廷料理人をしていた山形直太朗が完成させた伝説のレシピ「大日本帝国食菜全席」を完成させてほしいと依頼される。
その後、戦争を経て「大日本帝国食菜全席」の存在は闇に葬られてしまう。
多額の謝礼の元、依頼を引き受ける事になった佐々木。
山形直太朗に関わりのある人物からの話しを元にレシピ復元に動く佐々木だが、意外な事実を知らされる。

おくりびと』などの滝田洋二郎監督と『母と暮せば』などの二宮和也が初タッグを組む料理を題材とした感動大作。西島秀俊宮崎あおい綾野剛竹野内豊等豪華キャスト陣が共演し、異なる時代に生きた二人の天才料理人の生きざまを描きます。


さて、目下大ヒット中の本作ですが、どんな作品なのでしょうか。ブログという鍋で私が料理してみたいと思います。どうぞ召し上がれ!


さすが料理を題材としてるだけあって出てくる料理が全て美味しそうです。
まず、冒頭で登場するのは半熟卵のオムライス。
最後の料理人としてとある病人の元へ出向き生涯最後に食べたい料理を提供する為に佐々木は腕を奮うのですが、調理のシーンでは野菜を細かく刻み肉を炒めます。
フライパンにはふんわり半熟の卵。
そして柔らかく包み込みデミグラスソースをかけオムライスは完成。
炒める時の香ばしい香りであったりデミグラスソースの香りであったりスクリーンからはその匂いが漂ってきそうです。
はてはその食感や味まで口の中で広がりそう。
それほどこのオムライスが生きた料理として映し出されます。
また、山形直太朗が作る数々の独創的な料理の数々が何とも魅力的です。
ロールキャベツにおもちを入れ、雑煮風にしたもの。
鮎の塩焼きに衣をつけ春巻きにした料理ではスイカで作った特製ソースをかけて食べるというオリジナリティ溢れるもの等どれを取っても実に美味しそう。
更にパンフレットには作中に登場した料理の数々が写真入れで紹介されるだけでなくその調理方法まで載せてあり、本作での料理へのこだわりを強く感じさせてくれます。
しかし、しかしです!

テレビの料理番組を見るわけではありません。
美味しそうな料理をお金を出して見る価値はあるのか?だと思います。

そこはご心配要りません。
ストーリーもしっかりしてるので鑑賞後にはカタルシスが生まれる事は保証付きです!

冒頭、最後の料理人として料理を提供する佐々木ですが、褒賞として受けとるのは何と100万円!
一回料理を作るだけで100万円ですよ!
何の予備知識もなく見たので「もしやこれは料理版ブラックジャック?」なんて思っちゃいました。
言うまでもなく手塚治虫の名作『ブラックジャック』ですね。
もちろんこれはこれで面白そうですが、本作はあくまで現代と過去に生きた天才料理人の生きざまと二人を結びつけるストーリー。

という事でどの様に描かれているかというとズバリ‼
『永遠の0』です!
現代のシーンから伝聞を通じて過去へフラッシュバック。
そしてその時代、つまり本作では1930年代の満州国へと我々を誘ってくれます。
1933年、満州鉄道の機関車に乗った山形直太朗ら一行へと場面が切り替わる時は新天地へ懸ける山形らの高揚感が伝わる様なロマンに満ちた描写が印象的でした。
また、佐々木と山形に共通する点として独善的で他者を信用しない点にあります。
それがとある出来事を機に変化していく山形。
しかし、そんな山形に悲劇が待ち構えています。
人を受け入れ、人の為にと動く山形が最終的に日本の混乱が招いた泥沼に陥る様子には胸を打たれます。
おおよそ本作の2/3くらいは山形直太朗のシーンで構成されてるので実質的な主役は山形直太朗演じる西島秀俊さんか?と思う程。
その為、ニノを見たいという女性ファンはもしかしたら肩透かしかも?少なくとも中盤までは。

しかし、後半は二宮和也演じる佐々木収祭りとばかりに再び佐々木にスポットが当たる様に展開されていきます。
というのも山形直太朗と佐々木収の二人を結びつける核心にいよいよ迫っていくからです。
そして頑なに人を受け入れなかった佐々木にも変化が。
それを成長という言葉で表すにはあまりに小さな変化ですが、しかし確実に彼の心には新たな感情が生まれます。
それが最後の「うまい!」という言葉に要約されておりここに帰結させる事でこの作品が昇華された様でえもいわれぬエモーショナルな感情に揺さぶられます。

美味しそうな作中に登場した料理を目で楽しむエンドロール。
心の中で「ごちそうさま」と呟き劇場を後にしたのでした。

目も心も満腹にさせてくれる『ラストレシピ』。
見た後には美味しい料理を食べに行くのはいいでしょうね。
出来れば大切な人と見て大切な人と食事をするのが理想です。

えっ、私にとっての大切な人?

今このブログを読んで下さってるあなたです(何じゃ、そりゃ・笑)