きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

先生!、、、好きになってもいいですか?

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青空エール」、「俺物語!!」などで知られる人気漫画家・河原和音の大ヒット少女コミックを、生田斗真広瀬すず共演で実写映画化。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などのヒットアニメを手がけてきた岡田麿里が脚本を担当し、「僕等がいた」でも生田とタッグを組んだ三木孝浩監督がメガホンをとった。弓道部に所属する女子高生・島田響は、クールで生真面目だが実は生徒への愛に溢れる世界史教師・伊藤貢作に恋をする。生まれて初めて誰かを好きになった響は、伊藤に対し自分の気持ちを率直にぶつける。伊藤はそんな彼女に惹かれながらも、教師という立場から一歩を踏み出せずにいたが……。
キャスト(映画・comより)


さて、ここで本ブログをご覧の皆さまへお知らせでございます。
先週までは月~金で新作旧作問わず私が鑑賞した映画を紹介しておりましたが、今後は劇場鑑賞したもののみをピックアップしていこうと思っております。
理由としてはひとつに作品の鮮度の問題。
新作を毎日紹介していけば良いのですが、何分にも経済的にも時間的にも限度がございます。
そして時間的という意味ではブログ更新の時間にあてるまとまった時間が取れないという事情もあり従来の形態ではなかなか難しいかなと思いました。
よって今回からは鮮度を保ち尚且つ時間的に負担の掛からない様にさせて頂きたく思い、上記の形態での更新を致しますのでどうぞご理解の程よろしくお願い致します。


さて、今回お届けするのは『先生!』です。
生田斗真広瀬すず主演の恋愛映画ですが、興行的には奮わない様ですね。
私にとって少女漫画原作のいわゆるスイーツ映画は実に久しぶりでして、たまにはこんなのもいいかと軽い気持ちで本作を鑑賞しました。

とかく教師と生徒の恋愛物というと何かと嫌悪感を感じる方が多い様です。
不純とか不潔という一言で済ませそうではありますが、何より日本の道徳観に基づいて考えると到底考えられない逸脱した価値観と見なされるものなのでしょう。
しかし、年頃の女の子から見たら若くて格好いい年上の先生に憧れるというのは割と作りやすい題材なのか古くは『おくさまは18歳』や『お願いダーリン!』(懐かしい~!)とか『高校教師』等が比較的よく知られたトコロでしょうか?
作風としては『おくさまは~』や『お願い~』は吹っ切ったコメディとして作られ『高校教師』だとヘビーでダークな悲恋モノになっておりますが、
今作の場合はそのどちらに傾倒する事もなくいち恋愛映画として至ってシンプルに作られているのでそこは賢明だと思います。
例えば悲恋モノというと最近の映画だと『昼顔』とか『ナラタージュ』の様な作風ですよね、どちらかと言うと酸いも甘いも経験したお姉さま方が好むテイストじゃないですか?
一方、この『先生!』だと主人公と同世代の女子高生とかがメイン客層になります。
『昼顔』系のダークなテイストは好まないでしょうし、かといって一見不純な恋愛観を反映させた本作をおちゃらけたコメディにするのも今の時代と合わないでしょうし、作風的には良かったと思います。

主演はここ数年で急成長を見せてきた広瀬すず
今年は『チア☆ダン』、『三度目の殺人』とタイプの違う作品で魅了してきましたが、意外にもスイーツ系で見るのは初めてなのでその意味では新鮮でした。
ただ、生田斗真と並ぶとどうしても年の離れた兄妹下手すればロリコンぽく見えてしまったのでそこはどうかな?
と前半は感じてましたが、後半には完全に覆されました。
逆に良かったんですよ、すずちゃんで。
というのも本作は教師と生徒という障害と同時に大人と子供という年齢的ギャップもハードルになってるからです。
元々童顔というのもありますが、すずちゃんがめっちゃ子供っぽいんですよ。
それに対して生田斗真の隙のなさ。
そんな二人が並んだ時に生まれる絶妙な教師と生徒感あるいは大人と子供感。
そこを不快に感じるのはわからなくもないですが、あくまで教師と生徒の恋愛というテーマでのキャスティングとしてはうまいなと思いますね。

しかし、どうしてもこの映画、手放しで称賛するには引っ掛かるものがあるんです。
教師と生徒の恋愛が不純だから?
いやいや、違います。そんなものは割り切って見てますからww
では何か?

ストーリーの運びやテンポとか演出ですね。
まず、正直に言います。
前半はメチャクチャ退屈でした。
話しがあまりに淡々と進むし、盛り上がりもない。
弓道部で汗を流す広瀬すずを見て「いっそ『ちはやふる』とか『チア☆ダン』みたいに弓道を題材にした部活映画にした方がええのに?」なんて思ったくらいです。
ただ、中盤以降二人の関係が校内に知れ渡ってからはなかなか展開がテンポ良く進んだので楽しめましたが。
次に気になったのが、基本生徒は広瀬すず演じる響と森川葵演じる千草恵、竜星涼演じる川井浩介という三人が仲良しグループとして一緒に行動しています。構図としては『君の名は。』の三葉、さやちん、テッシーを連想させますね。
そこはいいのですが、取って付けた様な登場人物がちょくちょく現れるんですね。
響に合コンを誘うクラスメートとか繁華街の夜道を一人で歩く響に絡むサラリーマン風の酔っぱらいとか特に作中に重要なシーンではない中で現れては消えていくのですが正直この人達の不要感は拭えませんでしたね。
それからTBS製作とあってか(?)かつてのキラーコンテンツを二つも盛り込んでましたね。
ひとつは響と教師の伊藤貢作。
言うまでもなく往年のヒットドラマ『高校教師』です。
その一方、男子生徒・川井浩介が美術教師・中島幸子(比嘉愛末)に想いを寄せる辺りは『魔女の条件』を彷彿とさせたりと。
ただ、120分もない上映時間の中で盛り込み過ぎ感は否めなかったですね。
響と伊藤先生だけに集中させて欲しかったです。
後、時間の扱い方に違和感を感じ「おいおい」と思わず言いたくなったのですが、例えば響が誤って伊藤先生の眼鏡を割ってしまい、視力の弱い先生のサポートをしながら家まで送るシーン。
バスに乗る時なんて外はめっちゃ明るいんですよ、ところが先生の家に着く頃には夜。
「先生ん家どんだけ遠いんだよ!」とか
伊藤先生にショッキングな言葉を言われ落ち込む響。
校舎内と思われる場所で昼間に言われてるのですが、泣きじゃくって親友の千草の家に行くと風呂上がりで髪を乾かす千草登場!(推定時刻夜7~8時頃?)とかね。

そんな感じで色々と突っ込んでしまいましたが、映画自体は悪くはなかったですよ。
中盤以降の展開が良かったのと広瀬すず生田斗真の演技が良かった事、そしてスピッツのエンディング曲に救われたというトコロでしょうか?
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