きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

インサイド・ヘッド

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「ねぇ、お父さん(お母さん)人間ってどうして泣いたり怒ったりするの?」なんてお子さんに言われたお父さん、お母さん。そんな事を聞かれたら迷わずこの映画を一緒に鑑賞してみては如何ですか?

私がこの映画を鑑賞したのは2015年夏。ちょうどTOHO のフリーパスをゲットした時でして(TOHO のフリーパスについてはシネマイレージカードをググってみて下さい)
数ある大作と共にこの『インサイド・ヘッド』を鑑賞しました。(あの夏は大作揃いだったなぁ。)
しかし、本編上映前に気恥ずかしい思いをしたものですよ。こ~んな顔(苦虫を潰した様な顔をイメージして下さい・笑)で大勢のファミリーに紛れて鑑賞したのも今となれば良き思い出です(笑)
…というのもドリカムの曲と共に市井の人達が笑顔で写ったスナップ写真が次々に画面いっぱいに出てくるんですよ。周りはファミリーやカップル、スクリーンには幸せそうな人達のスマイル写真。
いや~その場から逃げ出したかったですよ。
実際かなり悪評だったみたいですが、そんな私のトラウマがふと甦った『インサイド・ヘッド』を先日久し振りにDVD 鑑賞したという次第です。

本作の主人公は11歳の女の子・ライリー…の脳内に潜む感情のヨロコビです。
他にもカナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ等のキャラクターが登場してライリーの感情をコントロールしていきます。
また、ライリーの父親や母親にも同様の感情キャラクターが登場し、夫婦間のやり取りやライリーを叱りつける描写をコミカルに演出していきます。

面白いのは人間の脳内あるあるとでも言うべきか例えば日々の性格の中で人生の何の役にも立たないくだらない事をふとしたタイミングで思い出す事ってありませんか?
本作の中では以前見たガムのCM がその題材として使われてますが、心当たりのある描写だけに思わずクスッとしちゃいましたよ。
私も昔作ったかかりつけの眼科のテーマソングを思い出したりしますもん。
山田邦子大江千里が作った『やまだかつてないテレビ』のテーマソングを日常のなんて事ないタイミングで思い出す事も多々あるし(笑)あ、ここに食いついた人、飲みにでも行きましょう(笑)
また、妄想で作り上げたボーイフレンドがクサイ事を言ってたりね(う~ん、10代の時に脳内で付き合ってた奥菜恵似の彼女はこんなトコロに潜んでいたんだな・笑)
また、人間の記憶の処理についても面白かったですね。
まるでゴミでも捨てるかの様に必要な記憶と不要な記憶を分別し、処理するという描写。
ただ、この記憶については外せないキャラクターがおりまして、涙なしでは見れないですが、一旦ここで置いといて…と(笑)
睡眠中に見る夢に関する場面もありましたね。
映画の撮影でもするかの様なスタジオではセットもあって指示を出す監督もいて演じる役者にカメラ、照明、音声もスタンバイ。
さながら「夢」という名の舞台裏をみせてくれるかの様な演出に思わずニヤリです。

そして何と言っても外せない存在がビンボンです。
ビンボンは3歳の時のライリーが作り出した空想のキャラクターで、猫と像を掛け合わせた様な容姿でわたあめの様な肌の質感、イルカの鳴き声で涙はキャラメル味のキャンディーという子供ならではの発想から生まれた独創的なキャラクター。
指令室から飛び出し、道に迷ったヨロコビとカナシミの案内役なのですが、なかなか道案内もままならない困ったちゃんです。
すっかり11歳のライリーの記憶からは薄い存在なのですが、ビンボンは昔の様にライリーと一緒に遊びたいのです。
しかし、子供の成長は残酷なものです。
いつまでも幼い頃の空想のお友達と同じ時を過ごす事は出来ません。
ビンボンが遂にその姿を消してしまう時がやってくるのですが、そこが本作最大の泣きドコロです。(あかん、思い出しただけで涙腺が…・泣)

出来れば『インサイド・ヘッド』は続編があれば是非見たい作品です。
でもそれ以上に3歳のライリーとビンボンによるスピンオフが見たいですね。
ライリーとビンボンの冒険譚とか出来そうじゃないですか。

ちなみに人間の脳内を題材にしたものだと日本では『脳内ポイズンベリー』(2015)があります。
あれはあれで面白かったのですが、『インサイド・ヘッド』程の構成力が足りなかった感がありますね。その内機会があれば『脳内ポイズンベリー』も紹介していきたいと思いますが。