きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ワンダーウーマン

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女だけの島で男を知らず成長した美しき美女戦士・その名もワンダーウーマン
全米では1億ドルの興行収入をあげ、全世界で大ヒットとなったマーベルと双璧をなすアメコミ映画の雄・DCエクステンデッドユニバース、DCEU制作のアクション映画。
日本では今年8月に公開され、現在も大ヒット上映中です。
話題作でありながらかなり遅れをとってしまいましたなぁ。
と言うのも宣伝に引っ掛かってたんですよ。
戦う女性の話しでありながら強さよりも天然ぶりを押した様な予告、乃木坂の曲をテーマソングにしたアイドル売りのプロモーション等が引っ掛かってしまい、なかなか鑑賞する意欲に駆り立てられずで。
ただ、その一方では第一次大戦を舞台にした戦争映画要素もあるし、アメコミ映画としては珍しいモダンな描写もあったりして気にはなってたんです。
そんなこんながありまして、上映終了も近い様なので一度くらいは鑑賞しておこうとやっとの事で『ワンダーウーマン』を見て参りました。その結果…。


ワンダーウーマンことダイアナを演じたガル・ガドットが美し過ぎる!
アクションシーンが見応えバツグン!
140分という上映時間が長く感じない快作!!

でありました。
ではざっとあらすじチェック!

世界から隔離された女だけの暮らす島。ダイアナはそこでプリンセスとしてまた女戦士として鍛練を積んでいたところ、海へ飛行機が墜落。ダイアナによって救出された操縦士はトレバー(クリス・パイン)という男性でダイアナにとって生まれて初めて目にした男でもあった。トレバーと共にロンドンへ行くダイアナだったが、目下第一次世界大戦のさなかなのであった。


ダイアナが成長していく過程は幼少期にはじまり、割と長目の尺で描写されております。
母親からは武術の鍛練を禁止されるのですが、強くなりたいと思うダイアナはひたすら鍛練を重ね、そして美しき美女戦士へと成長していきます。

彼女の暮らす島は原始的で武器も剣と盾です。
そこにトレバーと共にロンドンへ行き、ロンドン到着後に至るまでの彼女のこれまでの生活からのギャップを描くシーンが印象的です。
ロンドン移動までの手漕ぎボート内。夜になっても就寝しないトレバーに一緒に寝ないのか?と聞きます。しかし、トレバーとしては若い女性と隣り合わせで寝るという事は出来ない。
成人男女であればそれが何を意味するのか理解出来るのですが、男を知らないダイアナにしてみればそれを理解する事が出来ません。
男と女という性的観念がないゆえの描写ですね。
また、ロンドン到着後には露出度満載のワンダーウーマン戦闘服を着て街を歩こうが何のその。
今であればコスプレイヤーという人達も居るのでまだ許容の範囲内かもしれませんが、時は20世紀の前半です。
明らかに異質な人物としてマークされてしまう事でしょう。
ただ、そこはトレバーの機転により上着を着させられるのですが、何とその下に戦闘服を身にまとうダイアナ。恥じらいなんて物はありません。彼女にとってはこれが普通ですから・笑
ブティックでオシャレなコートと帽子、メガネを装着しても剣と盾だけは手放せません。
戦う女戦士・ダイアナにとっては命の様な大事な武具ですもんね。
そして生まれて初めて目にする回転ドアには思わずとまどってしまうダイアナなのでした。
予告編で押してた天然エピソードとはこの一連のくだりなんですよね。
でも天然と言うよりは隔世された世界から異次元の世界へ放り込まれたゆえの未知との遭遇感とでも言うのでしょうか。
でも、めっちゃかわいいんですよ、ダイアナのこんなところが(笑)
最強の女戦士の最大の萌え要素が集約されてる様な描写となっておりました。

その隔世のギャップは時に人間社会の価値観でも生じてきます。
上司、先輩、年長者等人間特有の縦社会。
例え自分の意見と上司に食い違いが生じていても組織に属していれば自分の主張は控え、上司に従わなければならない事は多々あります。
例えモラルに逸脱する様な事であってもです。
しかし、ダイアナにとっては不正、不義に対しての主張は相手が誰であろうとぶつけてしまいます。
また、目的遂行の為とか自分達の身を守る為にとか何かしらの名目を掲げた時に犠牲を伴う事はやむを得ず生じる事があります。
トレバーはあくまで人間としての都合優先主義があるのですが、ダイアナにとってはそれが許されません。
慈愛や義を貫き通す為ならば身を挺する事も辞さない性格ゆえ戦線においても勇猛果敢に敵陣へ踏み込んでいきます。
敵の放つ銃弾を盾であるいは素手でと交わしながら突撃し、ちぎっては投げちぎっては投げの大活躍!ダイアナの圧巻たる無双シーンは後半まで続くのでとにかく「ダイアナつえ~」の印象を与えます。
しかし、ただ強いだけでは面白みに欠けてしまいます。
はっきり言ってラスボスと思われてた相手ですら労せず勝ち続けます。
しかし、その後です。
ダイアナにとっては20世紀初頭の帝国主義とは無縁の生活を送り続けてきたわけです。
そこには戦争という概念など生じません。
支配者により、地上が荒廃している事実をギリシャ神話の戦いの神・アルスの仕業と考え続けていたダイアナにとってはアルスによって身体を乗っ取られていた男を倒せば争いはなくなると信じて疑わなかったのです。
しかし、その男を倒しても争いは消えません。
そこで初めて戦争という名の人類が生み出した悪魔の実態を知るに至ります。
ダイアナを襲う絶望感。
その心理描写が胸を打つものとなっておりました。

そしていよいよ真のラスボスの登場。
これまで無敵のダイアナを初めて苦しめる事になります。


本作においては粗探しをすれば割とよく出てきます。
しかし構成がしっかり組み立てられていたのと適度に盛り込まれたコメディ要素、ダイアナとトレバーの恋愛要素、戦争映画としての要素、そしてヒーローアクション要素。どれも絶妙なバランスで取り入れられており、終始飽きさせない内容は良かったと思います。


ワンダーウーマンは11月に公開の『ジャスティス・リーグ』にも登場するのでそちらも気になるトコロ。だけど上映時間170分は長過ぎだろ~。もうちょい編集で何とかならんかったのかな?

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