きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ダンケルク

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クリストファー・ノーランによる初の実話という宣伝が功を奏して(?)目下大ヒット中の戦争映画『ダンケルク』を見て参りました。
かねてより林修先生の解説による予告で事前に付け焼き刃的な予習はしていたのですが、なかなか重厚ながらもスリリングな映像はクリストファー・ノーランならではと感心しっ放し。
素晴らしい映画でした。

なんて言うと陳腐なまとめ方なのでもう少し詳細にお伝えしていきます。

今作は陸・海・空からダンケルクを脱出し、本国へ帰還するまでの過程をセリフも最小限にし、あくまで映像を主体に我々鑑賞者へ伝える作品となっています。
よくある仲間の兵士に生い立ちを話すとか家族との絆を描くなどという事もありません。
民間人も救出に出掛け、兵士達の祖国帰還のサポートをしますが、その過程ではあらゆる困難が待ち構えており、その度に絶望に苛まれる描写にいたたまれなくなります。
船で運航中にドイツ軍の魚雷にぶつかり海に投げ出される事になったり、そしてまた逃げ延びた船でも
同様に…と決して安息の時を与えず、容赦なくドイツ軍が英兵達を襲いかかります。

その都度我々鑑賞者も戦場ならではの不条理さにやるせなくさせられる事は必至です。

無事に生還し、祖国へ帰還するという結末はわかっているので、そこに至るまでの並々ならぬ兵士達の生還劇を見届けるのが、この映画の主軸であると言えるでしょう。

さて、この映画の登場人物は全て男性です。
唯一の女性は船で給仕をするおばちゃんくらいですが、作中において重要な役割はありません。
また、前述の様に家族との絆に触れるわけでもなければ祖国に残した恋人との再会を目指してなんてロマンスの様相も含んでおりません。
兵士のパーソナルな部分に触れる事もなくひたすら生還して帰還する事のみに照準を絞っています。
それによってリアリティーを生み出しドキュメンタリー要素を強める事に繋がっていきます。
派手な爆撃シーン等戦争映画ならではの描写を期待するとやや物足りない感も生まれるでしょうが、例えばクリント・イーストウッド監督の実話題材作を見るスタンスで鑑賞すれば満足度の高い作品だと思います。


ちなみにこの映画は映画ファンの間ではI MAXで鑑賞する事が薦められています。
でも…でも島根県鳥取県にはI MAX の設備を持つシネコンがねぇんだよ~、地方の映画事情は辛いよ~(-_-;)(-_-;)(-_-;)

というわけで皆さん、I MAX で楽しんで来て下さい。