きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー

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ABBA」のヒット曲で構成される人気ミュージカルの舞台を映画化した「マンマ・ミーア!」の10年ぶりとなる続編。主人公ソフィがホテルの開業を目指して奮闘する現在と、ソフィの母ドナの若き日である1979年の物語を交錯させながら、母から娘へと受け継がれていく物語をつづる。ギリシャのカロカイリ島で念願のホテルを完成させたソフィは、オープニングパーティの準備に追われていたが、母ドナの親友ロージーとターニャもやってきて、久々の再会を喜ぶ。しかし、ニューヨークにホテルビジネスを学びにいっている夫のスカイから、一緒にニューヨークで暮らさないかと誘われ、心揺れるソフィ。そんな彼女に、ロージーやターニャ、そして3人のパパのひとりであるサムらは、若き日の物語を話し始める。キャストにはソフィ役のアマンダ・セイフライドを筆頭に、ドナ役のメリル・ストリープら前作のメンバーが再結集。若き日のドナ役に「シンデレラ」のリリー・ジェームズ、若き日のサム役に「戦火の馬」のジェレミーアーバイン、ソフィの祖母ルビー役に「バーレスク」のシェールら、新たなメンバーも参加。「17歳のエンディングノート」のオル・パーカーが監督・脚本を手がけた。
(映画. comより)

前作公開から約10年。満を持して公開された『マンマ・ミーア!』の続編です。
元々ABBAが好きだからというのもありますが、前作はこの作品にドップリとハマりました!
とりわけ前作だとABBAのベストアルバムには必ず入っており、ABBAを知らない人でも間違いなく聴いた事があるナンバーがこれでもかとばかりに流れてくる。
そんなこんなで僕もしばらくはABBA中毒とも呼べる程ABBAヘビーローテーションし、カラオケに行ってはABBA祭りをしたものです。
DVD も何回見た事かわからないです。

そんな作品の新作に期待が上がらないわけがない。
公開初日に鑑賞してから現在までに三回ほど見ています。
ただ、実を言うと一回目見た時って途中まで自分の期待してたよりは物足りない感じがしたんですよね。
「おいおい、マンマミーアこんなもんか?9年前俺を感動と興奮の渦に落としてくれたあの勢いはどうしたんだ?」と思ったくらいです。しかし、後半になるにつれ「やっぱりマンマミーアは違うぜ!やっぱこうでなくっちゃ!」とそれまでの僕のもやっとしたものを吹き飛ばすかの如く盛り上がっていきました。そして終わった時には僕の目から涙が流れ、頬を伝っていきました。
そして気付けば2回目、3回目のリピート鑑賞。
一定のクオリティ以上のものがあったみたいです。

それがこの『マンマ・ミーア!』最新作に触れた私の総体的な感想なのですが、細かく見ていく事にしましょう。
まず、ストーリーから見ていくと前作を見た人なら度肝を抜かれます。
いきなり「えっ、あの人居ないの?」と衝撃的な事実を突きつけられるわけですから。
「前作ではめっちゃ元気やったや~ん?」とか裏の裏を見てしまう僕なんかは「そっか、あの人のスケジュールに折り合いがつかなかったのかな?」なんて邪推をしてしまいました。
そして1回目鑑賞時の前半の物足りなさはこの人の不在が大きい事もかなり影響しています。
しかし、それを埋めるかの様に他キャストの演技は素晴らしかった!
ソフィ役のアマンダ・セイフライド、ドナの若かりし頃を演じたリリー・ジェームズ更に三人の父親候補たちの若き時代を演じた俳優陣等若手の面々の存在が光ったと思います。
とりわけハリー(コリン・ファース)の若い頃のエピソードは笑えたな。
かなりヘタレでなおかつ童貞という設定ですからね。
その顔でそれはねぇだろ!みたいなね(笑)

で、現在と過去をシンクロさせて見せる手法はよかったな。
ただの回想シーンにするわけではなく「あっ、ここからこういう風に結びつけていくのか」といちいち感心させられました。

また、笑いどころも随所随所に盛り込まれております。
コリン・ファースが派手にオチる、画になる歌唱シーンでまさかのハプニングが…等々。

そして忘れてはいけないのがABBAの楽曲の数々です。
今回も余す所なくABBAのナンバーが盛り込まれ、楽しませてくれます。
前作で使われた楽曲もあれば今作ではじめて起用される曲もあり。
楽曲の傾向としては前作が前述の様にABBAヒットパレードの様な様相でしたが、今作ではややしっとり系な曲が多かった点、更に決して大ヒットした曲ではないけどABBAファンには嬉しいちょっぴりマニアックな曲が目立つ点が挙げられます。
それ故、ABBAの曲をある程度聴き込んで前作をきちんと見た上で鑑賞する方が望ましいです。
数々の曲が流れる中で、とりわけ印象的だったのが、『悲しきフェルナンド』です。
実は僕自身、ABBAの曲の中でも『フェルナンド』ってそんなに言う程好きではないんです。
もっと言えば『ヴーレ・ヴー』、『ギミーギミーギミー』、『レイ・オール・ユア・ラヴ・オン・ミー』みたいなコテコテのディスコ・チューンが好きなものでして。
しかし、本作においては『フェルナンド』が圧倒的に群を抜いて良かった!
何と言っても唄った人が素晴らしい!
あのシェールですから!
シェールの歌唱力はハンパない!
いや、それだけではない。
存在そのもののオーラがもはや神がかってる!
ラスボス見参!
後半、僕のテンションが一気に上がったと伝えましたが、そうです。ここなんです!
『フェルナンド』を唄うシェール姐さん、そしてバックでは花火がバンバン打ち上がる!
このシーン見たさに後2~3回行きたいくらいですよ、ぶっちゃけ。
そしてそれだけではなかった。
I’VE BEEN WAITING FOR YOU』と『MY LOVE, MY LIFE』
何だよ、この二曲~神曲かよ~‼
ABBAのベスト聴く時、何となく飛ばしてた自分を恥じるぜ(笑)
いや~、この二曲に関しては映像との相性が抜群だった!
この二曲はホントに泣けた。
そして僕が渇望していたあの方も遂にここで登場しました。
メリル・ストリープ様、あなたの存在は実に偉大です!

いや、ホントに後半の展開には参りました!
前半物足りないと感じたのは事実ですが、後半でそれ以上の物を見た様です。
このシーンを見るだけでも十分価値のある映画だと思います。

そして更に前作同様、出演者総出で唄うエンディング。
前作の『恋のウォータールー』は劇中に移動し、ここでは『スーパー・トゥルーパー』を唄います。
この曲も好きなんだよなぁ。
キラキラ感あって。
それをあの『007』のボンドが、『キングスマン』のハリーが、『プラダを着た悪魔』でアン・ハサウェイパワハラしてたあの人が、『アベンジャーズ』シリーズのハルクが、『テッド2』に登場するマリファナ大好きな弁護士が一同に会して往年のABBA風衣装を身にまとい唄うわけです。
胸アツじゃないですか~‼
泣かしに泣かして気持ちよくすっきりとさせてくれる。
「やるね、やるよマンマミーア!」そして僕は余韻に浸りながら劇場を後にし、気付けばパンフとサントラCD を手にしていたのでした。



 

銀魂2 掟は破るためにこそある

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空知英秋による人気コミックを小栗旬主演&福田雄一監督のタッグで実写映画化し、2017年の邦画実写でナンバーワンの大ヒットを記録した「銀魂」の続編。原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を融合させたストーリーが展開される。金欠で家賃も払えない万事屋の3人は、ついにアルバイトをすることを決意。しかし、バイトに行く先々で天下の将軍様と遭遇する羽目に。同じ頃、内紛に揺れる「真選組」はかつてない危機に見舞われていた。それはやがて将軍をも巻き込む陰謀へとつながり、江戸中で大騒動が勃発。万事屋と銀時も最大の危機に立ち向かうことになる。主人公の坂田銀時を演じる小栗のほか、菅田将暉、橋本環奈ら豪華主要キャストがそろって続投。
(映画.comより)

2017年夏、原作未読ながら1作目を鑑賞。
ドハマりしましたね!
何しろやってる事がアホそのものですもん!
元々福田雄一作品は好きでした。
三谷幸喜宮藤官九郎というコメディ作らせたらこの人!という監督はいますが、福田さんの場合、このお二人ともまた違う。
独特な空気感とか間が生み出すシュールさ。
それが絶妙なんですよね。
で、それを美男美女が本気でやるあたりに意味があると思います。
往々にしてイケメンや美人が面白げな事を言ったりやったりするのって実は苦手なんですよ。
何となく本当は面白くないけど「その人だから許されてんだよ」みたいな空気ってあるでしょ?
あれが苦手でうすら寒い感じをおぼえるんですよ。(あ、言っときますがひがみとかじゃないからね・笑)
しかし、この『銀魂』の場合、美形の俳優さん達が真面目にバカをやってしかもその見せ方が超絶うまい!
吉本新喜劇ワハハ本舗顔負けのギャグセンスの高さを感じるんです。

おっと!前置きが長くなりましたが、一年振りの新作となる今作にも並々ならぬ期待がありました!
だってあの『銀魂』ですよ、面白くないわけがない!

そんな高い期待値を胸に鑑賞。
そして始まるややはり見せてくれるわの銀魂ワールドです。
まず、映画が始まるやいなや万事屋の静止画での会話劇が始まります。
菅田将揮をいじる小栗旬をいじる日本アカデミー賞ディスる(笑)
「真実はいつもひとつ!」のあのアニメやパルムドールで話題となった万引き映画のヒットに便乗する(笑)
相変わらずやりたい放題です!
更に更に映画鑑賞前に誰もが目にするあの映画泥棒までパロディにする。
更にポイント高いのはこの映画泥棒パロにはポップコーンを口にくわえあんぐりしている女性の姿が!
映画ファンならご存知でしょう以前この映画泥棒に出ていたあのお姉さんです。
何て再現度の高さ!
お金をかけた悪ふざけですよ(笑)
その後も前半は実にテンポ良くその悪ふざけを徹底して終始笑いが絶えません。
元々バラエティが好きと公言する夏菜や素の喋りが面白い関西人の堤真一という今作から参加の二人は違和感なくこの『銀魂』ワールドでおバカをやってのけ更に前田敦子と結婚ホヤホヤのあの彼が「よく事務所がNG出さなかったな」という醜態を見せてくれます(笑)

更にパロディも満載です!
ヱヴァンゲリヲン』、『ブラックジャック』からジブリのあのバスまで(笑)
更に『踊る大捜査線』もあれば朝までやるあの討論番組も。
しかも「これ、大丈夫なの?」とキャストに心配させる始末。
はっきり言ってギャグパートは前作より更にパワーアップしてる!
和製『デッドプール』か(笑)

ただ、一転してシリアスになるとだれてくるんですよね。
これは前作でも感じた事ですが、今作はより顕著に感じられました。

後半はひたすら真選組を軸に話しが展開されていきます。
真選組の内部抗争という軸はありますし、三浦春馬窪田正孝という新キャストも良かったと思います。
しかし、万事屋でわちゃわちゃやった後、一気にシリアスな展開にしていくもんだからこちらの気持ちが追い付かない。
如何にして観客の心理を上手く誘導させていくかが本作の胆になるわけだから、そう考えると『銀魂』って作品は本来実写にするとかなりハードルが上がるんですよね。
後、バトルシーンなんかがどうも安っぽい。
例えて出していいのかわからないけど特撮系の戦隊ヒーロー物を見てる感覚なんですよね。

これはあくまで素人目線での意見なんですが、もし次作が作られるのであればアクション系に強い監督と共作で作ったらどうかなと思います。
具体的に誰というのは出ませんが、福田監督は得意のコメディパートに注力し、一方の監督はポテンシャルの高いアクションシーンのメガホンを取る。
そうする事によってよりグレードの高い作品に仕上がると思うのですが、如何でしょう。

あくまで素人目線での意見ですが。

さておき、とことんエンタメに徹した一流のおバカ映画(褒めです)
劇場で見ないテはありませんよ。 

オーシャンズ8

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スティーブン・ソダーバーグ監督が手がけ、主演のジョージ・クルーニーほかオールスターキャスト共演で話題を集めた「オーシャンズ」シリーズを、新たにオール女性キャストで描くクライムエンタテインメント。クルーニーが演じたダニー・オーシャンの妹デビー・オーシャンが主人公となり、女性版オーシャンズが結成される。史上最強の犯罪ドリームチーム「オーシャンズ」を率いたカリスマ的リーダー、ダニー・オーシャンの妹デビーが仮釈放された。出所したデビーは犯罪プロフェッショナルである7人の女性に声をかけ、ニューヨークで開催される世界的ファッションイベント「メットガラ」の会場で1億5000万ドルの宝石を盗み出すという前代未聞の計画を実行に移す。デビー役のサンドラ・ブロックほか、ケイト・ブランシェットアン・ハサウェイヘレナ・ボナム・カーター、歌手のリアーナら豪華女優陣が顔をそろえる。ソダーバーグがプロデュースを務め、「ハンガー・ゲーム」のゲイリー・ロスがメガホンをとった。
(映画.comより)
さて、本作を見るにあたっては楽しみな面と不安な面がありました。
楽しみな面。それは何と言っても豪華女優陣の共演ですね!
主役級のキャストが勢揃いで彼女たちが一体どういう風に絡むのかに注目していましたし本作一番のウリでもあるわけです。

不安な点というのは主要キャストを全て女性で固めた「女版⚪⚪」というシリーズ物の失敗が脳裏をかすめたからです。
近年で言えば2016年の『ゴーストバスターズ』がありましたね。
僕はあれはあれでB級感があって割と好きなんですが、どうも評判はよろしくなかったです。

楽しみにしていた面に関してはこれは言うまでもなく、良かったです!
サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットアン・ハサウェイにリアーナという面々がそれぞれのキャラクターに合ったキャスティングで見事にハマっていた。
とりわけ私が推したいのはアジア系アメリカ人のオーク・フィアーナです。
本業はラッパーという事で音楽面でも注目したいのですが、本作ではかなり存在感を発揮していた。
大物女優陣に負けずとクールなスリ師を好演。
今後注目していきたい女優さんですね。
また、アン・ハサウェイも見事なハマリ役でした。
きっと同性からは嫌われる、だけど男はこんな女に弱いのよ~というタイプ。
更にアンってこんなヨゴレ演技もするの~?と思わせる様な体の張り方も見せてました(笑)
そしてターゲットになるかと思いきや?
後半のどんでん返しぶりも見事でしたね!

そして不安な点に関してですが、これは私の杞憂でした。
そもそもこの『オーシャンズ』シリーズですが、元々は1961年にフランク・シナトラが出た「オーシャンと十一人の仲間」がベースになっています。
それを当代随一の名優たちがズラッと並び大人の男たちの粋な遊びの様な作風でリメイクしたのが『オーシャンズ11』(2001)だったわけです。
以来、大人のダンディズム溢れる粋な遊びを貫き続け、三作作られてきました。
それを女版にリメイクした時に一体何をウリにするのかという点ですが、「う~ん、こうきたか~!」と感心しました。
それは「女なのに…」「女だてらに…」という声を払拭させるかの様に「女だってこれくらいの事出来るんだけど何か?」と言わんばかりのクライムアクション。
あたかも先日紹介した『インクレディブル・ファミリー』にも通じる様な女性に対してのエールでも「男たち、見ていなさい!これが私たちのやり方なの!」とばかりに男達を刺激するかの様なスタンスにやられちゃいます。
しかもそれを女子会よろしくわちゃわちゃしながらもしっかりと連係の取れたチームプレーでもって見せてくれるもんだからワクワクさせてくれるもんです。
そもそも冒頭でのサンドラ・ブロック演じるデビー・オーシャンが猫を被る刑務所内そして一転してシャバでの傍若無人な万引きプレーからして爽快ですよ。
テーマや内容、メッセージ性などで大きな違いはありますが、パルムドールを受賞したあの作品。
あの作品は万引きという行為から見た現代日本の闇を抽出した作品でした。
公開当初、「万引きという行為を正当化するのか?」とか「犯罪を助長させる映画か?」という頓珍漢なコメントを見かけましたが、そういう人に言いたい。
オーシャンズ8」のデビーの方が悪質だからね、はっきり言って(笑)

ケイト・ブランシェットの姉御っぷりも良かったです!
これまた今年のヒット作を引き合いに出しますが、『名探偵コナン ゼロの執行人』での安室透ばりに婦女子がハマる要素たっぷりですよ!
スカジャン着てバイクにまたがる姿なんてオットコ前ですもん(笑)

ただ、欲を言えばもっとスカッとさせる様なカタルシスを生み出して欲しかったかな。
特に目立った敵と呼べるキャラクターもいなかったし、特に派手なシーンがあるわけでもない。(キラキラした装飾品はこれでもかとばかりに出るけど)
でもそれを抜きにしても楽しむ事が出来ました!
個人的に続編キボンヌ(死語)な作品です!

女性は同姓としての共感性が持てるでしょうし、豪華女優陣のファッションを楽しめるでしょう。
そして男性の皆さんは知性と美貌を兼ね備えた女達のスリリングなクライムアクションを楽しんで下さい!  

ミッション:インポッシブル/フォールアウト

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トム・クルーズ主演の人気スパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズ第6作。盗まれた3つのプルトニウムを回収するミッションについていたイーサン・ハントと仲間たちだったが、回収目前で何者かによりプルトニウムを奪われてしまう。事件の裏には、秘密組織「シンジケート」の残党が結成した「アポストル」が関与しており、手がかりはジョン・ラークという名の男だった。ラークが接触するという謎めいた女、ホワイト・ウィドウに近づく作戦を立てるイーサンとIMFだったが、イーサンの動きに不信感を抱くCIAが、監視役として敏腕エージェントのウォーカーを送り込んでくる。イーサンは疑惑の目を向けるウォーカーを同行しながら、ミッションを遂行するのだが……。シリーズを通してさまざまなスタントに挑んできたクルーズが、今作でも、ヘリコプターを自ら操縦してアクロバット飛行にも挑戦するなど、数々の危険なスタントをこなした。前作に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンをとり、シリーズで初めて2作連続の監督を務めた。共演はシリーズおなじみのサイモン・ペッグ、ビング・レイムス、前作から続けて登場するレベッカ・ファーガソンのほか、ウォーカー役で「マン・オブ・スティール」のヘンリー・カビルが初参戦した。
(映画.comより)

はい、のっけから言っちゃいます。
内容覚えていません(笑)
いや、正確に言えばあまりにすご過ぎてストーリーの内容が頭に入っていないと言うべきかもしれません。
それもそのハズでして、本作は第一にアクションありきで製作され、脚本云々に関しては撮影が始まってからちょいちょい付け足して付け足してそして出来上がったという事なんです。
今サラリと言いましたが、それっと凄くないですか?
いや、凄いなんてものではない。
ヤバイですよ、ヤバイ!!

そもそもトム・クルーズ程のキャリアともなると体を張ったアクションなんてする必要ないんですよ。
いや、それどころか周囲からストップが入るところです。
「トムさん、無理っす!無茶っすよ~!」なんて。
しかし、今のトムは誰も止める事なんて出来ない。
何故なら本作のプロデューサーは他ならぬトム・クルーズ本人だから!
トム総指揮の元、「俺がやるんだ!」とトムが言えば周囲はそれに従わざるを得ないのです。

それにしてもトム・クルーズ
御年56歳。
ひと昔前であれば定年前ですよ。
ちなみに波平さんより二つ年上です(笑)
しかし、そんな年齢を感じさせないどころ若い俳優でもこんなの無理だろ?てなアクションをひょいとこなす。
ただ、流石に今回は無理もあった様で撮影中に大怪我を負うというニュースが入りました。
しかし、全治9ヵ月と診断されながらも僅か数週間で撮影にカムバックするという超人ぶり。
トムさん、あんた本当に人間かよ??
そしてトムが骨折した後のショットもそのまま作中に盛り込んでます。
よく迫真の演技なんて耳にしますが、これは迫真ではありません。
マジです(笑)

パリの街を舞台にビルからビルをジャンプする、ノーヘルで繰り広げるスリリングなバイクチェイスをするトム、地上から飛行するヘリコプターに乗り込むトム。
クラブに潜入捜査するだけなのに豪快にスカイダイビング(笑)
他にも一般的なアクション映画であればウリになる様な派手なスタントがてんこ盛りです!
いや、そもそも作中ではトム・クルーズではなくイーサン・ハントなんですよ。
しかし、もはやトム・クルーズというアクション俳優のドキュメンタリー映画として見てましたよ。
「トム、スカイダイビングに挑戦」みたいなね(笑)
よくアクションスターとの比較でジャッキー・チェンの名前を出す人がいますが、本作を見ればジャッキーも真っ青ではないでしょうか。
トムの魅力を余す所なく詰め込んでますからもちろんオヤクソクのトム走りを楽しめます(笑)

はっきり言います!
この映画はポップコーン食いながら見るんじゃない!
きちんと瞼をかっ開いてしっかりと目に焼き付けなさい!
でないと後悔するよ!

すいません、つい熱くなりました(笑)
そもそもこのシリーズ。
元々は1966年~1973年に放映されたTV シリーズが元ですよね?
当時はこんな豪快で派手でそれでいて死と隣り合わせのスリリングなアクション映画になるなんて誰が考えていた事でしょうかね。
いや、そもそもこの『ミッション~』のシリーズ初期だって決してそこまで派手な事はやらかしていない。
あくまで『スパイ大作戦』という下敷きがある上で、当代随一のアクションスタートム・クルーズのスパイアクションというオリジナリティを追及していたものですが、いつしか常人の域を脱したトム・クルーズのスタントなしのド派手なアクションが本シリーズ最大のウリとなっていった感があります。
とりわけ4作目からその傾向が強まり、本作でその頂点に達したかの様な感はありますね。

ストーリーについて言えば覚えていないなんて言いましたが、厳密に言えば非常にシンプル…というかよくある設定です。
これでアクションが平坦なものであれば毒にも薬にもならないつまらない物になっていたと思います。

だからこそアクションの頑張りが半端ない!
そしてそのアクションだけでご飯何杯でも食べれるボリューム!
だから是非食べに行って下さい!
味は保証しまっせ!

ただ、映画は脚本重視、ストーリーが大事なんや~という人にはオススメはしにくいかも?

派手なアクションを大画面で堪能したいという人ならば四の五の言わず見に行って下さい!
劇場で見てこその作品だと思いますよ。








 

インクレディブル・ファミリー

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第77回アカデミー長編アニメ映画賞を受賞したディズニー/ピクサーの大ヒット作「Mr.インクレディブル」の14年ぶりとなる続編。スーパーパワーを持つボブたち家族は平凡な日常を送っていたが、ある出来事をきっかけに、母ヘレンがイラスティガールとしてヒーロー活動をすることに。多忙になった彼女の代わりに家事と育児を任されたボブは、底知れない能力を秘める息子ジャック・ジャックの世話に悪戦苦闘。そんな中、新たな敵が家族の前に立ちはだかる。ブラッド・バード監督が前作に続いて監督・脚本を手がけ、声優陣もボブ役のクレイグ・T・ネルソン、ヘレン役のホリー・ハンターら前作のキャストが続投。日本語吹き替え版もボブ役に三浦友和、ヘレン役に黒木瞳、長女ヴァイオレット役に綾瀬はるか、謎の敵アンダーマイナー役に高田延彦ら前作のメンバーが再集結した。
(映画.com より)

2004年に公開され、アカデミー長編アニメ映画賞を獲得した『Mr.インクレディブル』から14年ぶりの続編にして、ピクサー20本目という節目の作品です。
前作から14年も経ってるんで、ある程度独立した話かなと思いきや、前作の3ヶ月後を描いた地続きな続編となっています。
実は私既に二回鑑賞してるのですが、一回目は前作末鑑賞。
そして地上波放送された前作の『Mr.インクレディブル』を見て二回目を見てきたという次第です。
前作末鑑賞の場合でも十分楽しめるのですが、前作を見るとより作品の設定など理解力が深まります。

前作で面白かったのがスーパーヒーローが日常生活に入り、いち社会人として生活したら?という描写でした。
たとえば同じアメリカ産ヒーローでもマーベル作品で見られるそれはいち社会の人間としてもやり手の人が多いイメージです。 
例えばアイアンマンはバリバリの実業家ですしドクターストレンジは天才外科医です。
ところがこのインクレディブルはいち社会人となると不器用なんですよね。
人の良さが災いして上司に叱責されるはヒーローとしての任務を優先させる余り会社をクビになったり。
妙に人間くささを出してくれるのでヒーローとて完璧ではないという面が浮き彫りになっていたりして。

そしてこの新作でもインクレディブルいや、ボブの不器用さが際立っています。
そして今回は父親としてのそれが全面的に表れます。
ひょんな事から妻のイラスティガールが家を空けてヒーロー活動に勤しみます。
その間留守を預かるのはもちろん夫のボブ。 
しかし、年頃の子供たちの育児に向き合うとこれが何とも悪戦苦闘。
わんぱく盛りのダッシュの宿題をきちんと教えてあげる事も出来ないし、思春期のヴァイオレットの繊細な乙女心を理解出来ないで余計なおせっかいをしてしまう。
赤ん坊でありながら特殊な能力を身につけたジャック・ジャックにも翻弄されてしまう。
妻のヘレンことイラスティガールが外で大活躍をしてるのに対比して彼は家でてんてこ舞い。
でもこれって世の男性の皆さんこそドキッとしちゃうかもしれませんね。

本作のテーマ。
それは女性の社会進出。
普段は良き妻良き母として家庭を守るヘレンがイラスティガールとして世に蔓延る数々のピンチを救う姿を通して女性の皆さんへエールを送る。
そんな作品だと思います。

ちなみに私は本作を吹替版で見ましたが、三浦友和黒木瞳綾瀬はるかといったキャストの演技が素晴らしいのは言うまでもありません。
個人的に印象深かったのはこじるりこと小島瑠璃子さんです。
なかなかアクの強いキャラクターでしたが、非常に存在感のあるポジションをキープしていましたよ。
バラエティもいいけど本格的に演技の世界にも染まっていってほしいなと思いました。

夏の大作アニメーションとして高いポテンシャルを持つ作品でしたが、強いて言えば脚本で弱い部分がありました。
前半部にヒーローの存在意義や必要か否かを問う場面がありましたが、結局そこがうやむやになってしまった点。
イラスティガールの大活躍ぶりや一家揃ってのアクションシーンなど見ごたえたっぷりでしたが、そこがもったいなかったかな。

しかし、大人も子供も楽しめるエンタメ作品としては申し分ないクオリティはさすがにディズニー・ピクサーでした!
是非劇場でご鑑賞下さい!



 

劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命

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山下智久新垣結衣らの共演で、リアルな医療・災害・事故現場の描写や主人公たちの成長と絆の人間模様を描き、2008年7月の放送以来、連続ドラマ3シリーズ、スペシャル版1作品が放送された人気テレビドラマを映画化。舞台は17年に放送された3rdシーズンで描かれた地下鉄トンネル崩落事故から3カ月後。東京湾を運行していたフェリーが濃霧の影響で海ほたるに衝突し、さらに成田空港でも異変が生じる。未曽有の連続大事故現場から藍沢たちに出動要請が入る。藍沢役の山下、白石役の新垣、戸田恵梨香比嘉愛未浅利陽介といった10年間シリーズに参加したレギュラー陣のほか、テレビ版から続投の安藤政信椎名桔平、劇場版から参加する新田真剣佑、かたせ梨乃、山谷花純らが出演。
(映画.com より)

フジテレビ製作のドラマ映画と言えば『踊る大捜査線』、『HERO』、『海猿』の様なメガヒット作を筆頭に近年では『信長協奏曲』や『昼顔』など軒並み大ヒットとなっています。
私自身、TVドラマ自体はあまり見る慣習がない為、劇場版鑑賞にあたってはDVD で予習をした上で鑑賞する機会が多いです。
この『コードブルー』に関しても然りで08年の1stシーズンから2017年の3rdシーズン、更に09年正月に放映されたスペシャルとこの数ヵ月間、暇を見つけてはレンタルをしてチェックしてきました。
それによってコードブルーに関しての基礎的な部分はカバー出来たと思います。

その上での劇場版鑑賞なのですが、まず冒頭でこれまでのドラマシリーズ10年間を走馬灯の様に振り返ります。
ドラマ末見であっても大体は把握出来るとは思います。
しかし、ドラマシリーズを見ておいた方がより作品への理解力が高まります。
なのでこの劇場版鑑賞においては今からでも出来る限りレンタルした上でドラマ版まとめ見をしておきましょう。

さて、本作の内容に入っていきますが、前半部ははっきり言います。
『余命一ヶ月の花嫁』です(笑)
結婚を控えたひと組のカップル。
癌に冒された女性とそんな彼女を支える男性のエピソードです。
『余命一ヶ月の…』はあまたある人の死を大々的な売り文句にする感動ポルノ…失礼、言葉が過ぎましたね。
ピュアな感動ラブストーリーです。
同じ列に座ってた若い女性がしくしくしてましたよ。
「ああ、こういうのが好きなのね」なんて思ったワタクシ。
はい、うるっときました。
いや、案外嫌いじゃない。てか好きな方です(笑)

ただ、このカップルのストーリーは悪くはない、いや良かったですよ。
しかし、そこに何の余韻も残さないまま次の事故が発生し、新たな展開に持っていく辺りは残念でしたね。
しばらく浸らせてくれよ~。
あえて素人が偉そうに言うならばこの花嫁エピソードをきれいにまとめて余韻を残した後、コメディリリーフである浅利陽介演じる藤川の面白エピソードで和ませた後、シリアスな展開に運んでくれた方がメリハリがついてよかったと思うんだけどなぁ。

それから本作全体を通して言えるのがあれやこれやと詰め込み過ぎなんですよ。
ひとつひとつのエピソードにはテーマも盛り込まれているし、それに向き合っていくメンバーの姿は確かに良かったですよ。
ただ、尺の問題も有るんでしょう。
前述の花嫁も然りですが、消化不良が否めません。

また、これはドラマからそうなんですが、関係者が事故に巻き込まれ過ぎ。
まぁ、そういうオヤクソクみたいなものなんでしょう。
竜ちゃんが「押すなよ、押すなよ」と言えばみんなで押す為の前フリみたいなね(笑)
後、オペ中の会話シーンが多すぎるし、件のとあるメンバーが事故に巻き込まれ患者になった後の回復力早すぎでしょ?
瀕死の重体だったんだよね?

それから雪村(馬場ふみか)の母親(かたせ梨乃)が登場するシーン。
彼女らのエピソードではアルコール依存性という病気、更に母娘の確執というテーマが描かれていませが、母親登場シーンはパンチが効きすぎていて良くも悪くもめちゃくちゃインパクトあります。
ホラーなのかコメディなのかあのシーンをどう見るかでその人の感性が試されてる様ですね。
ちなみに私は顔をしかめながら見てました。

ドラマからのシリーズのファンを大切にしてるなというのは感じます。
ドラマで登場した数々のエピソードを踏襲しながら本作へ反映させる描写は数々見られましたし、3rd シーズンには一切登場しないあの人も登場します。

ただ、その一方での不満を口にするならば、あの人も出すなら何であの人出さないんだよという点。
脳死や臓器移植についての問題も気になるんだよなぁ。
自分の息子の脳死で落ち込む父親に対する言葉がけがすごい良い話しっぽくなってるけど腑に落ちないなぁ。
それからMr.Childrenのテーマ曲『HANABI 』の使い方。
これは一言言わせて頂きたい。
この曲は『コードブルー』という作品を語る上では欠かせないその世界観や登場人物達の心境や生きざまを投影させた名曲です。
『コードブルー』と言えばこの曲、この曲と言えば『コードブルー』という程根付いている訳です。
3rd シーズンまでドラマがあるにも関わらず一度も主題歌を変える事なくこの曲を起用し続けたのには製作陣のこだわりがあると思います。
にも関わらず、何であの使い方するかなぁ。 
綺麗なエンディングで余韻をしっかり残してほしいのにその点が頂けないな~。
終わり良ければ何とやらって言うでしょ?


なんて不満は尽きないのですが、私のぼやきとは関係なく映画は大ヒット!
景気の良い話しですな。
作品の出来はともかく邦画の明るい話題は嬉しいものです。

未来のミライ

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バケモノの子」「おおかみこどもの雨と雪」の細田守監督が手がけるオリジナルの長編劇場用アニメーション。甘えん坊の4歳の男児くんちゃんと、未来からやってきた成長した妹ミライの2人が繰り広げる不思議な冒険を通して、さまざまな家族の愛のかたちを描く。とある都会の片隅。小さな庭に小さな木の生えた、小さな家に暮らす4歳のくんちゃんは、生まれたばかりの妹に両親の愛情を奪われ、戸惑いの日々を過ごしていた。そんな彼の前にある時、学生の姿をした少女が現れる。彼女は、未来からやってきた妹ミライだった。ミライに導かれ、時を越えた冒険に出たくんちゃんは、かつて王子だったという謎の男や幼い頃の母、青年時代の曽祖父など、不思議な出会いを果たしていく。これがアニメ声優初挑戦の上白石萌歌がくんちゃん、細田作品は3度目となる黒木華がミライの声を担当。両親役に星野源麻生久美子、祖父母役に宮崎美子役所広司
(映画.com より)

今や日本のアニメーション映画においてその名前で客を呼べるヒットメーカーでもある細田守監督なのですが、どうも本作は評判がよろしくない様ですね。
その要因なのですが、実際に鑑賞した上で言えば作品自体は悪くなかったです。
それなりに楽しんで見る事が出来ました。
少なくとも昨年同時期の『メ⚪リと魔女の花』や『打上げ⚪火下から見るか…』なんかに比べたら遥かに面白かったです。
結局のところ、誇大公告がいき過ぎたというのかな、予告編で多くの人が勘違いをした。
それに尽きるんじゃないかなと思います。

本作の予告を見て多くの人が勘違いした事。
それは未来からやってきたくんちゃんの妹・ミライちゃんと繰り広げる冒険活劇をイメージした事でしょう。
更にタイトルがミライとある様にミライちゃんが主役級の扱いで大活躍を見せるであろうとそりゃそういうイメージは持ちますよね。

ところが蓋を開けて見れば幼児のくんちゃんの目線で繰り広げられる家族のストーリーで舞台となる場所は基本自宅とその庭。
ミライちゃんに至っては登場回数も僅かなものとあればそりゃがっかりもするでしょう。

しかし、それがはじめから本作のテーマを明確に見せていたらまた違っていたかなと思います。
本作のテーマ、それは『家族』。
例えば『リメンバー・ミー』にも通じる様なはたまたNHKの『ファミリーヒストリー』の様な家族のルーツを辿る作品とはじめからわかっていればそこまで腹を立てる事もなかったでしょう。

その意味で言えば作品に罪はない。
むしろ宣伝の仕方に罪があると考えてます。

本作は基本的にはファンタジーです。
擬人化された飼い犬が登場したり両親の子供時代にタイムスリップしたり若き日の曾祖父に遭遇したりそして未来からやってきたミライちゃんに出会ったり。
そんな未来や過去の家族と遭遇する事によって家族の歴史を辿りそして未来へと引き継いでいく。
その過程に何をするかを問う一貫したテーマもあります。
前述の『リメンバー・ミー』でのミゲルが死者の国へ行き、現世では存在しないご先祖様に会うのに対して本作はくんちゃん自身が過去や未来へ行き、ルーツを確認する。
ストーリー的な奥行きで言えばそりゃ『リメンバー・ミー』に軍配が上がります。
現世と死者の国が舞台、更にその死者の国でもあちこち動き回るし登場するキャラクターも多い。
ところが本作の場合、自宅と庭から出ない。
ミニマムな世界なんです。
単調な展開の仕方だし、セリフ回しにも違和感があったりする。
細田守監督の過去作を知ってればこそ消化不良が否めないです。
でも見方を変えてみたら面白かったのが世界観がどこかしら憂いを帯びていたというのでしょうかどこか退廃的で例えて言うならば松本人志がかつて自身のコント作品で反映させてたシュールレアリズムに通じる様な印象を感じました。
例えば犬を擬人化させたキャラクター。
何でオッサンなの?と疑問符がつきましたが、松ちゃん的なアイコンを出せばトカゲのオッサンを連想しちゃいましたよ。
後半のくんちゃんのホラー展開なんかも松本人志のビジュアルバムにあれに近いコントありましたよ。
つまり松ちゃんがかつて作っていた絶望的なシチュエーションを笑いに転化させるあの芸術的試みを連想させるつくりを取り入れる実験性をかいま見ました。
思えば「くん」という名前をつける親もかなりカオスですよ(笑)
また、本作では育児というものもテーマに盛り込んでいます。わがまま言いたい放題のくんちゃんに手を焼くパパとママ。
育児に悩むお父さん、お母さんにはかなり共感出来る描写が随所に登場してきます。
そしてそんなシーンを親世代には「あるある」と共感させる一方、お子さんには決して説教臭くならず押し付け過ぎずさらっと伝えるあたりは良かったと思います。
ただそれをわざわざ映画で、しかも夏の大作で細田家のホームビデオの様な設定でやらなくてもとは思いましたね。
いっそひと月前の6月に公開してもよかったかな?
大人は『万引き家族』と『空飛ぶタイヤ』子供は『未来のミライ』と棲み別けも出来ただろうしね。


あと余計なお世話かもしれませんが。細田監督は原点にかえって次回作では脚本家をつけた方が良いと思いました。
話しが散漫になりすぎたきらいは否めませんからね。

でも、事前の評判を聞いた上で鑑賞したらさほど悪くはなかったです。
しかし、手放しで称賛出来る作品でもありません。
これからご覧になる方、冒険モノを見るという視点を外して鑑賞する事をオススメします。 
これは「家族」の物語です。