きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

ジャスティスリーグ

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バットマンワンダーウーマンなど、DCコミックのスーパーヒーローが結集して戦うアクション超大作。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」で描かれた、自らの命を賭して地球の危機を救ったスーパーマンの行動によって、人類への信頼を取り戻したバットマンが、迫りくる強大な敵に立ち向かうため、ワンダーウーマンとともに新たな仲間を探していく。そうして集まったのは、バットマンワンダーウーマンに加え、アクアマン、サイボーグ、フラッシュという、いずれも一筋縄ではいかない個性の強い超人たち。バットマンは彼らをまとめあげ、地球崩壊の危機に立ち向かわなければならないが……。出演は、バットマンブルース・ウェインを演じるベン・アフレックのほか、単独映画「ワンダーウーマン」が大ヒットしたワンダーウーマン=ダイアナ・プリンス役のガル・ギャドットら。
映画・com より


DCEU版アベンジャーズともいうべき『ジャスティスリーグ』。遅まきながら見て参りました!
実は本作を見るにあたっていささか不安がありまして…。
というのもワタクシ、バットマンが登場する映画と何かと相性が良くないんですよね。
更に言えば近年のバットマン映画ですかね。
ダークナイト』シリーズにしろ『バットマンVSスーパーマン』にしろあのダークで重い作風が苦手でして今作にもややそれがハードルになっていた部分があります。
そもそもバットマンていつからあんな暗い作風になったんですかね、昔はもっと明るかったハズなんですが。


そんな私の不安を吹き飛ばすかの様に蓋を開けてみたら何ともポップに仕上がっており、ひたすら作品に没頭する事が出来ました。

ただ、この作品なんですが、これという粗もなければ特筆すべき鑑賞ポイントもない。
だからといって残念な映画というのではなく、むしろかなり面白かったです!

結論としてはストーリーがシンプルでわかりやすい。
そして余計な脚色などもされていない。
これほどまでに端的にシンプル・イズ・ベストという言葉が合致する作品もないのではないかと感じた次第です。

まず、ざっくり言ってしまえばスーパーマンが死んでしまってからの世界が舞台。
スーパーマンの死については『バットマンVS スーパーマン ジャスティスの誕生』に明るいのでここでは割愛しますが、要はこれまでスーパーマンによって保たれていた秩序が崩壊し、悪の手がはびこりそして立ち上がったのがバットマンジャスティスリーグだったというわけです。

バットマンが集めていった超人達というのはどれも個性派揃いで来年公開が決定しているアクアマンをはじめ今後単独作も作られていくのでしょうが、中でも印象的なのはフラッシュ。
彼は一見ぱっとしないコミュ障なオタク青年なんです。
戦闘においては特に戦力になるのではなく、むしろ非力なキャラなのですが、バットマンワンダーウーマンらが持ち前のアクションで格闘を繰り広げる中、瞬間移動という特殊能力で捕らわれた人々を助けるというスキルを見せます。
他メンバーとどこかぎこちなく接しますが、なかなかユーモラスで見所あるキャラクターでした。
そんなフラッシュをスカウトするのがバットマンことブルース・ウェイン
キングスマン』や『スパイダーマン ホームカミング』に共通する様な非力な青年の育成要素として特徴的な場面でもありました。

ワンダーウーマンの活躍は相変わらず見事でした!
今年8月に公開された『ワンダーウーマン』によって世の男性達のハートを鷲掴みにしたワンダーウーマンことダイアナ。
単独作での活躍がまだまだ記憶に新しい中で公開された本作。
う~ん、実にタイミングが良い!
ワンダーウーマン』で虜になってしまったワタクシも実はこのワンダーウーマンの登場を楽しみに本作鑑賞へのモチベーションを高めていたものです!
ワンダーウーマン』では強くて美しいだけどちょっぴり天然系という萌えヒロイン要素たっぷりだった彼女も本作ではかなりキレモノのデキる女。
そして一癖も二癖もあるジャスティスリーグメンバーをまとめるお姉さんの様なはたまたお母さんの様な存在として楽しませてもらいました!

そして後半には何とあの人が登場します!

最強で個性的なメンバーで固められたジャスティスリーグなのですが、とにかく歯が立たない敵。
そして助っ人として呼び寄せられたのがあの人なのですが。

そしてあの人はとにかく強い!
前半のジャスティスリーグメンバーの奮闘ぶりは何だったんだ?というほどあの人は無双です。

そう、最終的にこの映画はあの人の強さを再証明する為、ジャスティスリーグメンバー達はあの人を呼び起こす為の最強の前座だったのではないか?

そしてあの人を加え、新たな展開を広げるためのいわば壮大なエピローグだったのだ~と。

そしてそんな期待を抱かせながら次作へ持ち込んでいくDCEU の見せるエンタメ性にただただ感嘆し鑑賞を終えたワタクシなのでした。

ちなみに本作は元々180分くらいの上映時間だったものを編集して120分にまとめたとの事ですが、賢明だと思います。
コンパクトにまとめられテンポも良く飽きさせない作りとなっていたので最後まで実に気分良く鑑賞する事が出来ました。

いよいよ本格化する正月商戦を前に『ジャスティスリーグ』の鑑賞はオススメですよ!

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

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1990年に映像化されたスティーヴン・キングのホラー小説を、『MAMA』で注目を浴びたアンディ・ムスキエティ監督が映画化。静かな田舎町に突如現れた正体不明の存在が、人々を恐怖に陥れるさまが描かれる。『ヴィンセントが教えてくれたこと』などのジェイデン・リーバハー、『シンプル・シモン』などのビル・スカルスガルドをはじめ、フィン・ウォルフハード、ソフィア・リリスらが出演。

とある田舎町で児童が行方不明になる事件が相次ぐ中、おとなしい少年ビルの弟が大雨の日に出掛け、大量の血痕を残して姿をくらます。自分を責めるビルの前に突如現れた“それ”を目撃して以来、彼は神出鬼没、変幻自在の“それ”の恐怖に襲われる。彼と同じく“それ”に遭遇した人々とビルは手を組み、“それ”に立ち向かうが……。

シネマトゥデイより


11月3日に日本公開され、高推移をキープし続け三週目に動員ランキング1位に輝いた話題のホラー映画『IT』。
後れ馳せながら先日鑑賞して参りました。
その日は祝日という事もあって多くの人で賑わっていたシネコン
本作も9割方の客席が埋まるという賑わいでしたが、驚くべき事にそのほとんどが10~20代の若者。
老若男女ならぬ若男女で埋められた劇場に突撃したアラフォー男。
さて、どんな作品だったのでしょうか。

本作は言うまでもなくホラー作品です。
ホラーと言えばやはり恐怖の対象と言うべきジェイソンや貞子の様なホラーアイコンが当然登場するわけですが、本作はピエロです。
ピエロと言えば遊園地やサーカスの人気者というイメージですが、そんなピエロ見ようによっては凄い不気味な存在だと思いませんか?
例えばあなたが夜道を一人で歩いているところ、背後からピエロが迫ってきたら滅茶苦茶怖くないですか?
それもアメリカで起こった殺人事件のイメージも起因してるのですが、本作はそんな殺人ピエロをモデルにしており本作に登場するピエロ・ペニーワイズはただただ怖いです。

冒頭では幼い兄弟のエピソードが始まります。
雨の日に兄が作った船を雨水に浮かべながら遊ぶ弟。
ふとした不注意から船は道端の溝に入り込んでしまいます。
何とか溝から船を取り出そうとするのですが、そこに現れるのが件の殺人ピエロ・ペニーワイズです。
そして幼い弟が犠牲になる様子はグロテスクな描写ゆえ胸を締め付けられる様な痛々しさを感じます。


その後は冒頭の兄弟の兄が仲間と共にペニーワイズと対峙する展開が中心となるのですが、彼らはクラス内においては決して満足な生活を送れていないいわゆるスクールカーストの下層部にいる子供達です。
乞音の症状があったり喘息持ちで病弱な子であったりヒロインの女の子も父親と確執があり、学内でもあらぬ噂を立てられていたり、転校してから友達も出来ず本ばかり読んでいるでぶっちょな少年も居たり。

そんな彼らはいつもいじめっ子にも目をつけられいじめの標的になります。
このいじめの描写も生々しく顔をしかめてしまいます。
ナイフで腹を切り刻んだりともはやいじめの範疇を超えてるので見ていて胸糞悪くなります。
このいじめる連中の思考はひたすら下劣で銃の練習台に猫を捕まえて標的にしたりする根っからのクズでありクソガキです。
そんな奴らですから当然報いを受けなければならない。
しかしその点はなかなか良く描かれており彼らはペニーワイズによりそれ相応の裁きが下されます。
あ~、よかった。このクズヤローと主人公の少年達の共通の敵がペニーワイズで最終的に共闘するという展開だったらかなり萎えるところですよ(笑)

ちなみに本作はホラーであると同時に少年達の成長ストーリーでもあります。
それぞれが心に闇を抱えながらもペニーワイズと恐怖対象との対峙から生まれる友情や強者へ向かっていく強さそして逞しく成長するまでの過程が丁寧に描かれており思春期を通り越した人であれば共感性が生まれる作品なのではないでしょうか?
スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』等に相通じるものがあります。

多少のご都合主義ややや上映時間が長いという感も否めませんが、作品自体は非常に良かったです。

決してグロすぎずカタルシスも生まれる作風が若い子に人気なのかな?と思いました。
早くも続編が予定されているそうなので今から期待が高まっております。

マイティー・ソー バトルロイヤル

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マーベルコミックのヒーローが集う「アベンジャーズ」シリーズにも参戦している、クリス・ヘムズワース扮する雷神ソーの活躍を描いた「マイティ・ソー」シリーズ第3作。人工知能ウルトロンとアベンジャーズとの戦いから2年、アスガルドを追放された父オーディンを捜しにニューヨークへやってきたソーだったが、突如として現れた強大な敵ヘラによって宇宙の果ての惑星に飛ばされてしまう。その星で行われていた格闘大会に出場させられたソーは、対戦相手として盟友ハルクと再会。危機を乗り切った2人はヘラを倒すためアスガルドへ向かい、わけありの女戦士ヴァルキリー、そして宿敵であるロキも仲間に加え、チームを組んでヘラに挑むが……。ソー役のヘムズワースのほか、義弟ロキ役のトム・ヒドルストン、父オーディン役のアンソニー・ホプキンスらが続投し、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・カンバーバッチも出演。ヘラ役は、オスカー女優のケイト・ブランシェットが演じている。ニュージーランド出身でコメディアン、俳優、映画監督と幅広く活躍し、「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」で注目されたタイカ・ワイティティがメガホンをとった。
(映画・com より)


担当しているラジオ番組のコーナーと連動して更新しているのですが、今回はコチラ!
『マイティー・ソー バトルロイヤル』です!

実は私、これまでのシリーズ作は見ていなかったので本作鑑賞にあたって過去二作を見て予習、その後『アベンジャーズ』二作を復習し鑑賞にあたりました。

過去二作はニューヨークを舞台に襲撃する敵と戦ってきましたが、本作はソー(クリス・ヘムズワース)の故郷であるアスガルドそして敵キャラ・ヘラによって飛ばされてしまうサカールという惑星が主な舞台となります。

そんな本作ですが、まずふんだんに使われているCGでの映像がキレイ!
二回目を3Dで鑑賞した理由もそこにありましてゲスト的に登場するドクターストレンジ(ベネディクト・カンバーバッヂ)が繰り出す魔術もより立体的で実に見ごたえがありました!

また、本作でも登場するソーの義弟・ロキ(トム・ヒドルストン)。
どこかしらユーモラスでソーと繰り広げる笑いを誘うやり取り。
元々敵キャラでありながら愛すべきキャラでもあり、やっぱり憎めない。
いまやシリーズ通してなくてはならないキャラクターですね。

また、本作での敵キャラとして登場した死の女神・ヘラ。(ケイト・ブランシェット)
一見デビルマンを思わせる様な風貌でありながら何とも美しい‼
ケイト・ブランシェットだからこそハマる妖艶でありながらも滅法強いキャラクターでソーの武器であるムジョルニア(ハンマー)をいとも簡単に破壊してしまうという強さ。
第一作目では土中に埋められたムジョルニアを取る為、トラックにロープを結び強引に取る様試みるもハンマーは取れずトラックの荷台がぶっ飛ぶというシーンがあり、それを知ってるならばかなり衝撃を受ける事でしょう。
そんなヘラですが天海祐希さんが吹替をされてます。
天海さんといえば『ミニオンズ』(2015)でのスカーレット・オーバーキルの名演を思い出しましたが、美しき悪役を演じさせたら右に出る者はいないのでは?と思わせる程のはまり役。
今後も吹替のニーズは高まる女優さんかと思います。

主人公であるソー。
サカールに飛ばされバトルロイヤルへ出場させられてしまうのですが、対戦相手は何とアベンジャーズで共に戦うあのハルクです。
ハルクが対戦相手とわかった時のテンションの高まりが何となく微笑ましかったりもします。
そんなソーですが、戦闘シーンに入るとやはり強い‼
冒頭鎖に繋がれたソーが鎖を解き、ザコキャラをバサバサとなぎ倒していく時のアクションシーンは高揚感をいやがおうにも高めてくれます!
今回はトレードマークだった長髪もバッサリ切り短くなるのですが、男前ですな~!
女性ファン必見ですよ(笑)
ちなみにこの短髪はクリス・ヘムズワース自らの提案だそうです。
これまでからの変化を求めてという事みたいですよ。

また、本作で使用される音楽も私好みでもありまして前述の冒頭でのソー無双シーンではレッド・ツェッペリンの『移民の唄』。
また、随所に散りばめられた80sっぽさも印象的でしてピコピコしたテクノポップが使われていたりハルクへ変身するブルース・バナーが着用しているTシャツがデュラン・デュランのアルバムのジャケットであったりとか。
作り手の80sオマージュに思わずニヤリとさせられてしまいます。

エンドロール後にも思わぬ映像が。
ソーとハルクが戦わせられるバトルロイヤルを支配する胡散臭いグランドマスターが途中から姿を消してしまいます。
「あれ?どこに行ったの?」と思ったら意外なところから登場。
案外次作あるいは来春公開の『アベンジャーズ』最新作への引きだったりして?


と今後の展開を期待させる演出も見逃せない『マイティー・ソー バトルロイヤル』
オススメですよ!

ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~

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あらすじ
物語の舞台は2002年。料理人として、人生最後に食べたい料理の依頼を受けていた佐々木充。彼は麒麟の舌の持ち主と言われ、一度食べた味を再現することができる天才的人物だが、独善的な性格ゆえに従業員や客との信頼関係を結べず自身の経営する料理店を閉店に追い込み多額の借金を返済する為に最後の料理人としての仕事をしていた。
あるとき、中国の料理人・楊清明から1930年代に宮廷料理人をしていた山形直太朗が完成させた伝説のレシピ「大日本帝国食菜全席」を完成させてほしいと依頼される。
その後、戦争を経て「大日本帝国食菜全席」の存在は闇に葬られてしまう。
多額の謝礼の元、依頼を引き受ける事になった佐々木。
山形直太朗に関わりのある人物からの話しを元にレシピ復元に動く佐々木だが、意外な事実を知らされる。

おくりびと』などの滝田洋二郎監督と『母と暮せば』などの二宮和也が初タッグを組む料理を題材とした感動大作。西島秀俊宮崎あおい綾野剛竹野内豊等豪華キャスト陣が共演し、異なる時代に生きた二人の天才料理人の生きざまを描きます。


さて、目下大ヒット中の本作ですが、どんな作品なのでしょうか。ブログという鍋で私が料理してみたいと思います。どうぞ召し上がれ!


さすが料理を題材としてるだけあって出てくる料理が全て美味しそうです。
まず、冒頭で登場するのは半熟卵のオムライス。
最後の料理人としてとある病人の元へ出向き生涯最後に食べたい料理を提供する為に佐々木は腕を奮うのですが、調理のシーンでは野菜を細かく刻み肉を炒めます。
フライパンにはふんわり半熟の卵。
そして柔らかく包み込みデミグラスソースをかけオムライスは完成。
炒める時の香ばしい香りであったりデミグラスソースの香りであったりスクリーンからはその匂いが漂ってきそうです。
はてはその食感や味まで口の中で広がりそう。
それほどこのオムライスが生きた料理として映し出されます。
また、山形直太朗が作る数々の独創的な料理の数々が何とも魅力的です。
ロールキャベツにおもちを入れ、雑煮風にしたもの。
鮎の塩焼きに衣をつけ春巻きにした料理ではスイカで作った特製ソースをかけて食べるというオリジナリティ溢れるもの等どれを取っても実に美味しそう。
更にパンフレットには作中に登場した料理の数々が写真入れで紹介されるだけでなくその調理方法まで載せてあり、本作での料理へのこだわりを強く感じさせてくれます。
しかし、しかしです!

テレビの料理番組を見るわけではありません。
美味しそうな料理をお金を出して見る価値はあるのか?だと思います。

そこはご心配要りません。
ストーリーもしっかりしてるので鑑賞後にはカタルシスが生まれる事は保証付きです!

冒頭、最後の料理人として料理を提供する佐々木ですが、褒賞として受けとるのは何と100万円!
一回料理を作るだけで100万円ですよ!
何の予備知識もなく見たので「もしやこれは料理版ブラックジャック?」なんて思っちゃいました。
言うまでもなく手塚治虫の名作『ブラックジャック』ですね。
もちろんこれはこれで面白そうですが、本作はあくまで現代と過去に生きた天才料理人の生きざまと二人を結びつけるストーリー。

という事でどの様に描かれているかというとズバリ‼
『永遠の0』です!
現代のシーンから伝聞を通じて過去へフラッシュバック。
そしてその時代、つまり本作では1930年代の満州国へと我々を誘ってくれます。
1933年、満州鉄道の機関車に乗った山形直太朗ら一行へと場面が切り替わる時は新天地へ懸ける山形らの高揚感が伝わる様なロマンに満ちた描写が印象的でした。
また、佐々木と山形に共通する点として独善的で他者を信用しない点にあります。
それがとある出来事を機に変化していく山形。
しかし、そんな山形に悲劇が待ち構えています。
人を受け入れ、人の為にと動く山形が最終的に日本の混乱が招いた泥沼に陥る様子には胸を打たれます。
おおよそ本作の2/3くらいは山形直太朗のシーンで構成されてるので実質的な主役は山形直太朗演じる西島秀俊さんか?と思う程。
その為、ニノを見たいという女性ファンはもしかしたら肩透かしかも?少なくとも中盤までは。

しかし、後半は二宮和也演じる佐々木収祭りとばかりに再び佐々木にスポットが当たる様に展開されていきます。
というのも山形直太朗と佐々木収の二人を結びつける核心にいよいよ迫っていくからです。
そして頑なに人を受け入れなかった佐々木にも変化が。
それを成長という言葉で表すにはあまりに小さな変化ですが、しかし確実に彼の心には新たな感情が生まれます。
それが最後の「うまい!」という言葉に要約されておりここに帰結させる事でこの作品が昇華された様でえもいわれぬエモーショナルな感情に揺さぶられます。

美味しそうな作中に登場した料理を目で楽しむエンドロール。
心の中で「ごちそうさま」と呟き劇場を後にしたのでした。

目も心も満腹にさせてくれる『ラストレシピ』。
見た後には美味しい料理を食べに行くのはいいでしょうね。
出来れば大切な人と見て大切な人と食事をするのが理想です。

えっ、私にとっての大切な人?

今このブログを読んで下さってるあなたです(何じゃ、そりゃ・笑)

先生!、、、好きになってもいいですか?

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青空エール」、「俺物語!!」などで知られる人気漫画家・河原和音の大ヒット少女コミックを、生田斗真広瀬すず共演で実写映画化。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などのヒットアニメを手がけてきた岡田麿里が脚本を担当し、「僕等がいた」でも生田とタッグを組んだ三木孝浩監督がメガホンをとった。弓道部に所属する女子高生・島田響は、クールで生真面目だが実は生徒への愛に溢れる世界史教師・伊藤貢作に恋をする。生まれて初めて誰かを好きになった響は、伊藤に対し自分の気持ちを率直にぶつける。伊藤はそんな彼女に惹かれながらも、教師という立場から一歩を踏み出せずにいたが……。
キャスト(映画・comより)


さて、ここで本ブログをご覧の皆さまへお知らせでございます。
先週までは月~金で新作旧作問わず私が鑑賞した映画を紹介しておりましたが、今後は劇場鑑賞したもののみをピックアップしていこうと思っております。
理由としてはひとつに作品の鮮度の問題。
新作を毎日紹介していけば良いのですが、何分にも経済的にも時間的にも限度がございます。
そして時間的という意味ではブログ更新の時間にあてるまとまった時間が取れないという事情もあり従来の形態ではなかなか難しいかなと思いました。
よって今回からは鮮度を保ち尚且つ時間的に負担の掛からない様にさせて頂きたく思い、上記の形態での更新を致しますのでどうぞご理解の程よろしくお願い致します。


さて、今回お届けするのは『先生!』です。
生田斗真広瀬すず主演の恋愛映画ですが、興行的には奮わない様ですね。
私にとって少女漫画原作のいわゆるスイーツ映画は実に久しぶりでして、たまにはこんなのもいいかと軽い気持ちで本作を鑑賞しました。

とかく教師と生徒の恋愛物というと何かと嫌悪感を感じる方が多い様です。
不純とか不潔という一言で済ませそうではありますが、何より日本の道徳観に基づいて考えると到底考えられない逸脱した価値観と見なされるものなのでしょう。
しかし、年頃の女の子から見たら若くて格好いい年上の先生に憧れるというのは割と作りやすい題材なのか古くは『おくさまは18歳』や『お願いダーリン!』(懐かしい~!)とか『高校教師』等が比較的よく知られたトコロでしょうか?
作風としては『おくさまは~』や『お願い~』は吹っ切ったコメディとして作られ『高校教師』だとヘビーでダークな悲恋モノになっておりますが、
今作の場合はそのどちらに傾倒する事もなくいち恋愛映画として至ってシンプルに作られているのでそこは賢明だと思います。
例えば悲恋モノというと最近の映画だと『昼顔』とか『ナラタージュ』の様な作風ですよね、どちらかと言うと酸いも甘いも経験したお姉さま方が好むテイストじゃないですか?
一方、この『先生!』だと主人公と同世代の女子高生とかがメイン客層になります。
『昼顔』系のダークなテイストは好まないでしょうし、かといって一見不純な恋愛観を反映させた本作をおちゃらけたコメディにするのも今の時代と合わないでしょうし、作風的には良かったと思います。

主演はここ数年で急成長を見せてきた広瀬すず
今年は『チア☆ダン』、『三度目の殺人』とタイプの違う作品で魅了してきましたが、意外にもスイーツ系で見るのは初めてなのでその意味では新鮮でした。
ただ、生田斗真と並ぶとどうしても年の離れた兄妹下手すればロリコンぽく見えてしまったのでそこはどうかな?
と前半は感じてましたが、後半には完全に覆されました。
逆に良かったんですよ、すずちゃんで。
というのも本作は教師と生徒という障害と同時に大人と子供という年齢的ギャップもハードルになってるからです。
元々童顔というのもありますが、すずちゃんがめっちゃ子供っぽいんですよ。
それに対して生田斗真の隙のなさ。
そんな二人が並んだ時に生まれる絶妙な教師と生徒感あるいは大人と子供感。
そこを不快に感じるのはわからなくもないですが、あくまで教師と生徒の恋愛というテーマでのキャスティングとしてはうまいなと思いますね。

しかし、どうしてもこの映画、手放しで称賛するには引っ掛かるものがあるんです。
教師と生徒の恋愛が不純だから?
いやいや、違います。そんなものは割り切って見てますからww
では何か?

ストーリーの運びやテンポとか演出ですね。
まず、正直に言います。
前半はメチャクチャ退屈でした。
話しがあまりに淡々と進むし、盛り上がりもない。
弓道部で汗を流す広瀬すずを見て「いっそ『ちはやふる』とか『チア☆ダン』みたいに弓道を題材にした部活映画にした方がええのに?」なんて思ったくらいです。
ただ、中盤以降二人の関係が校内に知れ渡ってからはなかなか展開がテンポ良く進んだので楽しめましたが。
次に気になったのが、基本生徒は広瀬すず演じる響と森川葵演じる千草恵、竜星涼演じる川井浩介という三人が仲良しグループとして一緒に行動しています。構図としては『君の名は。』の三葉、さやちん、テッシーを連想させますね。
そこはいいのですが、取って付けた様な登場人物がちょくちょく現れるんですね。
響に合コンを誘うクラスメートとか繁華街の夜道を一人で歩く響に絡むサラリーマン風の酔っぱらいとか特に作中に重要なシーンではない中で現れては消えていくのですが正直この人達の不要感は拭えませんでしたね。
それからTBS製作とあってか(?)かつてのキラーコンテンツを二つも盛り込んでましたね。
ひとつは響と教師の伊藤貢作。
言うまでもなく往年のヒットドラマ『高校教師』です。
その一方、男子生徒・川井浩介が美術教師・中島幸子(比嘉愛末)に想いを寄せる辺りは『魔女の条件』を彷彿とさせたりと。
ただ、120分もない上映時間の中で盛り込み過ぎ感は否めなかったですね。
響と伊藤先生だけに集中させて欲しかったです。
後、時間の扱い方に違和感を感じ「おいおい」と思わず言いたくなったのですが、例えば響が誤って伊藤先生の眼鏡を割ってしまい、視力の弱い先生のサポートをしながら家まで送るシーン。
バスに乗る時なんて外はめっちゃ明るいんですよ、ところが先生の家に着く頃には夜。
「先生ん家どんだけ遠いんだよ!」とか
伊藤先生にショッキングな言葉を言われ落ち込む響。
校舎内と思われる場所で昼間に言われてるのですが、泣きじゃくって親友の千草の家に行くと風呂上がりで髪を乾かす千草登場!(推定時刻夜7~8時頃?)とかね。

そんな感じで色々と突っ込んでしまいましたが、映画自体は悪くはなかったですよ。
中盤以降の展開が良かったのと広瀬すず生田斗真の演技が良かった事、そしてスピッツのエンディング曲に救われたというトコロでしょうか?
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映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!

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ストーリー
フランスで開催される世界パティシエ選手権に出場するためパリにやってきたいちかたちキラキラパティスリーの面々。しかし、突然シエルの調子が悪くなり、スイーツ作りも失敗ばかり、プリキュアへの変身もキラリンの姿でキュアパルフェになってしまい戦闘もできないなど、支障を来す状態となっていた。

そんな時、コンテスト前夜祭のパーティー会場でシエルのパリ時代の師匠だったジャン=ピエール・ジルベルスタインと、彼に付いている妖精に似た女の子クックに出会う。シエルとジャン=ピエールは久しぶりに再会するが、「頼れるのは自分の力のみ」という信念を持つジャン=ピエールは、キラパティの仲間たちと仲良くスイーツ作りをするシエルの姿に落胆する。かつての師匠からそのように言われたことでシエルは落ち込むが、いちかはシエルを元気づけるため、昔シエルがジャン=ピエールに作ってもらったことがあるという、ミルフィーユをコンテストで作れば、と提案する。

一方、パーティー会場にはスイーツを頬張るみらいたち『魔法つかいプリキュア!』の3人とモフルンの姿もあった。彼女たちは魔法の水晶(キャシー)のお告げにあった「降りかかる災い」から街を守るため、パリにやってきたのだという。

いちかやシエル達がミルフィーユをいざ作ろうとしようとした最中、パリの街中では次々とパティシエを襲う謎の巨大スイーツが出現、さらにパリの街並みも本物のスイーツに変えられてしまう事態が発生する。混乱する街を救うため、魔法つかいプリキュアの協力を得ながらキラキラ☆プリキュアアラモードの6人は敵と戦う事になる。




わたくし、人生初の『プリキュア』映画体験でした。
何となく日曜朝に『プリアラ』は見ているので軽い予備知識程度はありますが、週末動員ランキングでも一位を取り、ファンの間でもかなり好評との事なので「それならば」と駆り立てられる好奇心により、あえてこの映画をチョイスしてみました(笑)
余談ですが、本作鑑賞の直前に見たのが三回目の『アウトレイジ 最終章』どれだけ振り幅広いんだよて話しですな(笑)

ちょっとした好奇心での鑑賞とは言え、流石に作品が作品だけになかなかハードルは高いもの。
ただ最近は自動券売機なる便利なものがあるわけでして、受付のお姉さんに「プリキュア大人一枚」という何かの罰ゲームの様な仕打ちは受けない様に出来ております。そして迷わず後ろの左端の席をキープ決して目立たない様にそう、「お子さまの目の届かない場所に行ってください」です(笑)
そして上映時間5分後にシアターへゴー!
これは本編開始の約5分前。
館内が暗くなり、映画泥棒が流れるくらいの時間です。

と着席までにまるで隠れキリシタンの如く人目を忍んでの映画鑑賞。
それも『プリキュア』だからこそです。
ドラえもん』や『コナン』、『しんちゃん』辺りなら余裕綽々、行き付けの飲み屋にでも行くノリですよ(笑)

上映が開始されるとミラクルライトの使い方の説明が始まります。
これは劇中でプリキュアがピンチになるとみんなで照らして応援する為のものとの事。
中学生以下のお子様がもらえるそうでぶっちゃけ「俺にもくれよ!」と思ったり思わなかったり(笑)
その説明を聞いてる時の居心地の悪さときたらですよ、以前も言いましたが、ディズニー映画『インサイド・ヘッド』の上映前に流れたドリカムのテーマソングと笑顔のスナップ写真を思い出しましたね(笑)

5分程度の短編に続いて始まった本編。
ようやく落ち着いて『プリキュア』を見るに至ります。いや~、ここまで長かった!

毎週ではないですが、日曜朝のレギュラー放送はちょくちょく見てるので世界観とキャラクターには馴染みがありスッと入り込んでいけました。
東映アニメ王道の普段のテレビシリーズから発展させた劇場版ならではのスケールになっていたのでお子様もそのスペシャル感は楽しめるのではないでしょうか?
とりわけ前シリーズの『魔法つかいプリキュア』のキャラクターが登場したりするときっとテンション上がると思いますよ。(あ、そこはお子様もだし、プリキュアファンの大人もだと思いますよ)

今回は6人目のメンバーであるシェルをフィーチャーしています。
前述の様にTV ではちょくちょく見てますが、あくまで「ちょくちょく」なのでこのシェルはいつの間にか仲間になってたという感じでどういうキャラクターか知らなかったんですね。
しかし、今作ではそのシェルのルーツなどがきちんと描かれており、はじめてそのキャラクターを理解するに至りました。
そしてそのシェルの師匠であるジャン=ピエールというキャラクターが本作の軸となる人物でして、とにかくスウィーツの事ばかり考えるスウィーツバカなんですよ。
腕も確かでシェルが師事する様になったのは彼のスウィーツによって救われたからなのです。
ストイックで熱い奴なのですが、不器用な人なのでしょうね、仲間を作らずひたすら孤独にスウィーツ作りとその研究を続ける人物です。

敵キャラであるクック。元はジャン=ピエールの助手的な存在なのですが、彼女には心の闇があってその反動から腕の良いパティシエに呪いをかけたりパリの街をスウィーツまみれにしたりし、いちか達と戦います。
悲しい過去には同情出来る面もあります。

とこんなキャラクター達が魅力的な本作でしたが、いや~面白かった!

子供向けとは言え、結構内容が深いんですよ。
ジャン=ピエールは仲間を作る事なくひたすらスウィーツ作りに打ち込んできた職人肌のパティシエです。
そんな彼にしてみたら仲間とつるむのはスウィーツを作る上では邪魔という考えを持ちます。
その一方でシェルにとってはいちからキラパティメンバーに出会えた事によって自身のパティシエとしての腕も人間としても成長をしているわけです。
それをひとつのテーマとして盛り込みメッセージ性を生み出していたのは良かったです。 

また、クックはジャン=ピエールの腕に敬意を払いながらも散々自分の腕を否定してきた人間達に怨みを晴らすべくあらゆる手段でパリの街をスウィーツまみれにするという暴挙に出ます。
内面的な闇を抽出させる事によってこのキャラクターの悲劇性をクローズアップさせていました。
また、彼女が仕掛ける攻撃も見応えありましたね。
キラパティメンバーの特性を奪うために亀にしたり、パンダにしたり、ナマケモノにしたり。
それによってキラパティメンバーは苦戦を強いられるのですが、逆転の発想でその動物の特性を生かした反撃に出るくだりはお見事でした。

気になる点はあるにはあります。
プリキュア』なんだしもっと寛容に見ようとも思うのですが、敢えて言うならばクックの内面描写ですかね。
悲劇的要素を秘めたキャラクターなのにそれを具体的に現したエピソードが描ききれてないんですよ。
人間達に「まずいまずい」と言われた事がトラウマになってるのはわかりますが、その描写がまるまる描かれてないのが物足りないというかそこ重要だろ!と感じちゃいます。
更に言えばお子様の教育面で描くならこのクックにも仲間の大切さを伝えるでもいいし、まずいと言われて人間を恨むのではなく、改心してジャンの元で美味しいスウィーツを作るため勉強に励むという描写にした方が良かったのではないかな?
なんて思います。

それにしてもミラクルライトというアトラクション的要素は素晴らしいですね!
お子さんにとってもイベント感出て楽しいと思います。
映画自体も大人が見ても楽しめる良い内容だったと思います。オススメです!
オススメされてもハードル高くて躊躇してしまうという皆さん、怖いのは初めだけ!
私の鑑賞方法を参考に(笑)一回チャレンジしてみて下さい♪
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あやしい彼女

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2016年4月公開作。瀬山カツ(倍賞美津子)は現在73歳。娘(小林聡美)と孫(北村匠海)との三人暮らしで幼なじみの二郎(志賀廣太郎)の経営する銭湯でパートとして働いてる。貧しい境遇の中、女手ひとつで娘を育ててきたカツ。若い頃は何一つ自分の好きな事も出来ずただただ娘の為に費やしてきた。若さを取り戻したいと思っていたカツ。ある晩、古びた写真屋で撮影をしたところ、20歳の身体とスタイルになっていた。飛び入りで参加したのど自慢大会で優勝し、バンドをしている孫にボーカルをしてほしいと誘われ、加入する事に。人気音楽プロデューサー(要潤)の目にも留まり、メジャーデビューを果たす事になる。


元々は韓国で制作された作品の日本版リメイクです。
多部未華子ちゃんが見た目は20歳、中身は人生経験豊富なおばあちゃんという難役をこなし話題になりました。

さて、40歳前後の方だと『月曜ドラマランド』と聞いてイメージ出来る方多いのではないでしょうか?
アイドルが主演を努め、コミカルな内容で展開するどちらかと言えば低年齢対象のバラエティとドラマを融合した様なかつてのフジテレビ系列でのドラマ枠で系譜として90年代に制作された『ぼくたちのドラマシリーズ』などもありました。
日本映画は良くも悪くもこの『月曜ドラマランド』的なものが量産されます。
それを悪しき風潮と取る映画ファンは多いのですが、私自身は嫌いではありません、というかむしろ好きです。
お手軽に鑑賞出来て、それなりに楽しめるし、内容がわかりやすいというのも良いですね。
最近取り上げた『ミックス。』とか『斉木楠雄』なんかはその典型みたいな映画ですよね、「別に映画で見なくてもいいじゃん」なんですが、それでもついつい見たくなる。
洋画より邦画派な人はわかってもらえるのではないでしょうかww
典型的『月曜ドラマランド』風な本作『あやしい彼女』ですが、何と言っても多部未華子に尽きます。
「見た目は子供、中身は大人」なんていうコナン君のディテールですが、多部ちゃん演じる大鳥節子さんは「見た目は女子、中身はおばあちゃん」というエキセントリックなキャラクター。難役だと思いますが、実に違和感なく演じてらっしゃいました。
スーパーで泣きじゃくる子供をあやし、泣き止むと母親も励まし、思わず母親もその場で泣き出すというシーンがありましたが、人生積み重ねたおばあちゃんの様な包容力に満ちてましたよ。
また、見所として欠かせないのが歌唱シーン。
初めてその歌声を披露する町内ののど自慢大会では『見上げてごらん夜の星を』、孫のバンドに加入しバンドアレンジされた『真っ赤な太陽』(これがメチャクチャカッコいい!)、大ヒット映画『この世界の片隅に』ではコトリンゴが唄った『悲しくてやりきれない』(実はあやしい彼女の方が先ですよ)等どれも聞き応えがあります。
また、『他人の関係』のヒットで知られる金井克子さんが『恋の奴隷』(奥村チヨの大ヒット曲)を唄ってたりします。
昭和歌謡好きなら反応しちゃいます(笑)

他キャストでは孫役の北村匠海さん。
今やすっかり『キミの膵臓をたべたい』のイメージが強いのですが、この映画にも出てたんですね。
公開当時見てたのですが、『キミスイ』の時にはすっかり忘れてました、失礼…。
バンドマンでもあるのでこの作品の孫役はピッタリでした。

ちなみにこの映画の音楽は小林武史さんが担当してます。
ミスチルプロデューサーによって生まれ変わった昭和歌謡を聴くという意味でも楽しめる映画ですね。

と音楽の話しばかりになりましたが、音楽映画ではないというのが惜しいトコロ。
あくまで若返りというのが主題になるので話しの軸はそこなんですよ。
確かにストーリー自体は面白く出来てるし、テンポも悪くはない。
ただ、ひとつの映画にコメディは入れるは音楽は入れるはになるのでやや散漫になった感は否めません。
要因ははっきりしています。
要潤演じる音楽プロデューサーとの恋愛エピソードなんですよ。
最近の映画って恋愛絡めないと駄目という暗黙の掟でもあるのでしょうか?
念願の若返りをして泣かず飛ばずのバンドマンである孫とバンドを組んだらメジャーデビューしちゃっただけの話しじゃ駄目なのでしょうか?
それだけでも十分ストーリー的には面白いし、音楽映画好きは取り込めると思いますよ。
そもそも音楽プロデューサーは自分がプロデュースする若い女の子に手を出してもOKなのかと変な勘繰りをしちゃいますよ(笑)
いっそ恋愛モノでやるなら若返った二郎さんと一緒に憧れの『ローマの休日』よろしく青春取り戻しラブコメにしてもよかったくらいです。

でもそういう話しにするよりは多部ちゃんの歌声を聴きたいし、小林武史アレンジの昭和歌謡を満喫したい。という事でやっぱり嫌いになれない『あやしい彼女』でした。

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