きんこんのシネマ放談

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

アベンジャーズ/エンドゲーム

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アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルクといったマーベルコミックが生んだヒーローたちが同一の世界観で活躍する「マーベル・シネマティック・ユニバースMCU)」の中核となるシリーズで、各ヒーロー映画の登場人物たちが豪華共演するメガヒット作「アベンジャーズ」の第4作。前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描く。「インフィニティ・ウォー」では姿を見せなかったホークアイアントマンといったヒーローも登場し、新たにキャプテン・マーベルも参戦。監督は前作に引き続き、アンソニージョー・ルッソ兄弟が務めた。
(映画.comより)

ようやくといった感じですね、『アベンジャーズ』最終作です。
もう好きな人は見てるでしょうし、公開から一ヶ月近く経つわけですが、まぁそこはいつもの事です。
ご勘弁を。
前作『インフィニティ・ウォー』が衝撃的なラストで、果たしてどうなる事やら?と首を長くする事一年。
いや~、この一年待った甲斐があった!と唸りたくなる様な内容の本作はシリーズ最長の三時間。
トイレ問題・睡魔問題等身体面での心配はあるでしょうから万全の体調で鑑賞に臨んで下さい。

まず、大前提として言いますが、とりあえず一見さんお断りなのは毎度の事です。
アベンジャーズ過去作は元より『アイアンマン』、『キャプテン・アメリカ』、『マイティ・ソー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』、『ドクター・ストレンジ』、『ブラック・パンサー』等々MCU作品の何作かは見ておかないと理解に苦しむ事でしょう。
それを前提として話しを進めていきますね。
アベンジャーズに参戦したメンバーで死んだ人、そして生存した人がはっきり別れたのが前作のラストでした。(それは上記概要でも触れられているのでネタバレと判断せず。)
生き残った面々があの強大なヴィラン・サノスにどの様に向かい合っていくのかが見所となるのが本作です。
ヒーロー稼業から足を洗い平穏な日常を過ごす人も居たりする中、皆で結集していくのですが、本作ではシリーズで初めてタイムスリップというSF要素が登場します。
これまでの『アベンジャーズ』シリーズからすると意外であり、しかも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というタイムスリップ物の名作も比喩として出してみたり。
そして『アベンジャーズ』の歴史を語る上で重要な時代へ各メンバーが向かいその活躍を描く。
まず、その点が意外だったし、新鮮でもあったのですが、同時に違和感も。
深くは話せませんが、あるメンバーが犠牲になった後、生き返りを示唆する様なセリフが作中に出てくるんですよ。
それは見ている側に希望的視点を生み出すのですが、一方ではこんな不安も。
「これ、禁じ手としての生き返りを出したら何でもありになるんじゃないの?」と。
ざっくりと言えば『ドラゴンボール』的手法です。
戦いに敗れ、死んでしまったとしても、生き返るからいいんじゃない?というね。
それを否定はしないけど、『アベンジャーズ』ってそんな作品だっけ?と。
その結果については直接見て頂くとして、展開的には悪い方向にはいかなかったので良かったですが、何か良くも悪くも『アベンジャーズ』らしくないなという印象です。

それから本作を見て感じたのは「正義」というもののあり方ですね。
このアベンジャーズに関しては集まった面々の視点を中心に話しが展開されるから彼ら目線による「正義」がどうしても全面的に出てしまうのですが、実は悪役であるサノスにはサノスなりの正義があるんですよね。
何故、人口を減らす必要があるの?という答えが前作『インフィニティ・ウォー』に描かれています。
そんな辺り、アメリカ的な正義感だなと感じましたが、それこそ今のアメリカとイランに関しても言えるのですが、アメリカを主体で見た場合、イラン=ならず者であり悪であるという見方。
しかし、イランとしてはイランのイデオロギーがそこにあり。
かつてのアメリカと日本でもそうですよね。
アジアを解放する、大東亜共栄圏を作るというのが日本なりの正義であった。
しかし、当のアメリカからするとそれはまかりならん、日本は許せんとその思想から戦争となった。
実際の戦争と映画の世界を混同するのはどうかというのはありますが、物事の対立というのは正義対悪ではなく、一方の主張対一方の主張なんですよね。
ここで「正義」ではなく、「主張」と置き換えたのには、手塚治虫の『ブラック・ジャック』におけるこのセリフにインスパイアされたからです。

「正義か そんなもんはこの世の中にありはしない」

名言ですね。こと『アベンジャーズ』におけるアベンジャーズとサノスの対立構図にはまさにこの言葉が当てはまります。
余談ですが、アベンジャーズの面々がタイムスリップした際、子供時代のサノスを殺そうとするシーンがあります。
言い分としてはここでこそ子供ではあるが、やがてあの強大なサノスへと化す。
悪い芽は早めに摘み取ろうという思想に基づくものです。

さて、この『アベンジャーズ/エンドゲーム』ですが、見所は多々ありますが、まず常に仲違いをしていたアイアンマンとキャプテン・アメリカの関係の変化。
10年来このシリーズを見てきましたが、ここにきて…という展開には思わず胸アツです。
それからこのシリーズらしからぬ自己犠牲の崇高さを描いてもいましたね。
それもまさかのあの人物から。
そしてあの傲慢だったトニー/アイアンマンの「かっけーぞ!」描写。
はっきり言って本作はトニーの為にあったのではないか?と思いました。

そもそもMCU作品の初期から支えてきたのがこのアイアンマンですもんね。
10年ですっかりこの『アベンジャーズ』シリーズもMCUも大きくなりました。
街中で「MARVEL」のロゴが入ったTシャツを着てる人もよく見るし、アメコミアメコミと十把一絡げで言われていたのに今ではMCUとDCEUの違いにうるさい人も増えたし、単発作でも安定した興収をあげるコンテンツに成長しました。
10年前の『アイアンマン』一作目が公開された当時から大きく取り巻く環境も変わりましたね。

10年間、MCUを見てきた自分としては感慨深いものがあります。

ありがとうアベンジャーズ
ありがとうMCU

映画賭ケグルイ

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月刊「ガンガン JOKER」連載の大ヒットコミックを原作とするテレビドラマ「賭ケグルイ」の劇場版。原作者の河本ほむらが原案・監修を手がけ、完全オリジナルストーリーで描く。「ギャンブルの強さ」で生徒の階級が決まる名門校・私立百花王学園。2年華組に転校してきたギャンブル狂の少女・蛇喰夢子は、学園の絶対的支配者である生徒会長・桃喰綺羅莉との対決を心待ちにしていた。そんな中、学園内で「非ギャンブル」「生徒会への不服従」を掲げる白装束集団「ヴィレッジ」が台頭。ヴィレッジ解体と夢子潰しをもくろむ生徒会は、全校生徒をタッグで強制参加させるギャンブルイベント「生徒代表指名選挙」の開催を宣言する。浜辺美波高杉真宙池田エライザらドラマ版でおなじみのキャストに加え、テレビドラマ「僕の初恋をキミに捧ぐ」の宮沢氷魚、「4月の君、スピカ。」の福原遥、元「乃木坂46」の伊藤万理華が新たに参加。「3D彼女 リアルガール」「ヒロイン失格」の英勉がメガホンを取る。
(映画.comより)

今回はちょっと異色な作品かもですね。
そもそも元々は僕の鑑賞候補からは外れていたんですよ。
じゃ、何で見たのか?

気まぐれです。

でも、結果的には良かった。
いや、フツーに楽しめましたよ、『賭ケグルイ』。
序盤では本作の舞台となる私立百花王学院の説明場面が登場します。
この学院の序列は全てギャンブルによって決定するという事。
勝者は学院内でのステータスが高まり、将来まで約束される。
しかし、負ければ家畜の如き扱いを受け、多額の借金を背負わされる。 
まるで『カイジ』の様な世界観でもあり、学園内で特殊な規定によって、カーストが形成されるという面では記憶に新しい『翔んで埼玉』に通じるものがあります。
高校生がギャンブルなんて!とか金の使い方がおかしい!とか眉をひそめたくもなりますが、あくまで架空の世界での出来事。
目くじらは立てないで、鑑賞したいものです。

で、前半部こそ学園を舞台にしながら、若手キャストがわらわら出るわけですから、スイーツ映画にも似たチープな作りだったりするわけです。
「あ~、見る映画失敗したかな~」なんて思っていましたが、学園あげての一大ギャンブルイベント・生徒代表指名選挙が始まってからは引き込まれていきましたね~。
まず面白かったのが、ギャンブルの種類が非常に多岐に渡っていた点。
トランプから紙相撲、カードジャンケン等々。
はじめのうちこそ「ギャンブルをやらない人間が、ギャンブル映画なんて見て大丈夫だろうか」という不安はありましたが、全く問題なし。
比較的シンプルな種類のものが多かったのもそうですが、何と言っても面白かったのが、対戦相手との心理的な駆け引き。
ここでのギャンブルはただの高校生のお遊びなんかではありません。
ギャンブルの結果により、自らの学園内での位置付けや人生そのものがかかっている。
勝てば天国、負ければ地獄。
このサバイバル合戦だからこその参加者の白熱した試合が楽しめるわけです。
そしてそのギャンブルに参戦する者たちのギャンブルへ導かれていく様々なドラマにも魅了されていくそんな内容でした。

とりわけ主演の浜辺美波ちゃんの演技は良かった!
彼女と言えば個人的にはキミスイでの演技に泣かされたクチなのですが、今作はお上品なお嬢様然としなからも、いざキメる時にはガラッとキャラクターが変わり、ドスの利いた演技で対戦相手の心理面をえぐり出し、追い込んでいく。
キミスイから二年、浜辺美波ちゃんの新たな一面を見ておじさんは嬉しいぞ!とまるで親戚の子の成長を見るかの様に胸が熱くなる(笑)

また、池田エライザさんの女帝ぶりもこの作品に厚みを生んでいましたね。

作品全体において覆っている絶望的なシーン。しかし、その中にも笑いが随所に盛り込まれていたりするので『カイジ』や『闇金ウシジマくん』等に見られたあの闇と絶望隣り合わせに潜む笑い。
言わばシュールレアリズムを追及したかの様な世界が展開されています。
作中における話しの運びなんかも上記2作品に共通した点がありましたね。
それからそこかしこに張られた伏線の回収も見事でしたね。
後半に畳み掛けられるヴィレッジの中心人物による応酬はスリリングであり、楽しませてもらいました。
また、サスペンス要素も盛り込まれており、浜辺美波演じる蛇喰夢子の名探偵っぷりにも引き込まれていきます。(コナンにピカチュウにどんだけ名探偵いんだよ・笑)
これまた浜辺美波ちゃんの演技力に感服するシーンでもあります。

ただ、どうしても気になる点はありましたので、最後に触れておきましょう。
後半のちゃぶ台返しの様な展開は悪くはないけど、ただあの試合を見せられるのはつらかった。
昔、ファミコンで負けが混んでくると投げやりになってわざとやる気のないプレイをする奴がいましたが、(そういう奴って嫌われてましたけどね・笑)それを見せられている様で苦痛であり不快でした。

それからヴィレッジと生徒会によるバトルシーン。
ヴィレッジは学園内で虐げられた人達の集団であり、そんな彼らが立ち上がり…なんて言う『グレイテスト・ショーマン』の「THIS IS ME」を思い出す様な場面てはあったけど、正直尺を使いすぎなきらいがありましたね。
そういうシーンもいいんだけど、その分ギャンブルでの対決シーンをもっと写しても良かったかもと思いました。
 

ただ、全体的には楽しめました!
ジャンルは違いますが、去年の今頃公開されてた『孤狼の血』でも感じたこんだけ面白いのに大規模で公開されていない勿体なさがありますね。

ところでこの学校には教師は居ないのか?と素朴な疑問を投げ掛けたところで今回は終了です。
 

キングダム

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中国春秋戦国時代を舞台にした原泰久のベストセラー漫画を山崎賢人主演で実写映画化。紀元前245年、春秋戦国時代の中華西方の秦の国。戦災孤児の少年・信と漂は天下の大将軍になることを目標に掲げ、日々の剣術の鍛錬に励んでいた。王都の大臣・昌文に召し上げられた漂が王宮へ入り、信と漂はそれぞれ別の道を歩むこととなる。山崎が主人公の信を演じ、吉沢亮長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多満島真之介高嶋政宏要潤大沢たかおらが顔をそろえる。監督は「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」「図書館戦争」などの佐藤信介。
(映画.comより)

正直、僕はこの映画を見るまでは不安だったんですよ。
不安要素はいくつかありまして、まずは原作末読である事。
でもそれは漫画の実写化を見る時は大抵そうですからね。
問題はそんな原作末読者が楽しめるかどうかです。
続いて中国史にはとんと疎いという事。
いや、歴史は得意なんですよ。
ただ、中国史に関しては…て所なんです。
三國志やらより日本の戦国時代とかを見た方が遥かに取っつきやすい。(ましてや本作が舞台となっている春秋戦国時代なんて世界史で習ってその名称だけは知っていても内実は知らないというくらい)
と、以上は僕自身によるところが多分にありますが、最大の不安点はというと古代の中国を舞台としている話しなのに何でオール日本人キャストなんだよ問題。
せめて日中合作で向こうの俳優さんもバンバン起用して大作感出してくれた方がよかったんじゃないの?


なんていくつかの不安点を出してみましたが、それは全て杞憂でした。
まずは原作末読問題。
登場人物やらは原作を読んである程度の相関図を描けるくらいにはしておいた方がより作品への理解が高まるのは確かかもしれません。
しかし、それが必要ないくらいライトにもわかりやすい作り。
ストーリーだって至極わかりやすい。
奴隷として生きる二人の青年・信と漂は天下の大将軍を夢見て日夜剣術の稽古に励んでいます。
ある日、二人を見た大臣の昌文君は二人のうち、漂だけを王宮へ連れていきます。
夢の王宮仕えをする漂だったが、変わり果てた姿で信の元へと戻ってきます。
そこには若き王・贏政(えいせい)の腹違いの弟である成きょうのクーデターが絡んでおり…といったのが簡単なあらすじですが、中国史云々なんてのは関係ない。
要は王宮でのクーデターを主軸に奴隷である信も関わり、成きょうの軍勢との対立を描く軍記ものであり、仲間を集め成きょうと戦いに行くなんていう日本人が大好きなRPG要素の強いファンタジーでもありました。

そして最大の不安点でもあったコテコテの日本映画臭くしないでくれ問題。
思えばここ数年、バトル系の実写モノは目も当てられない様な酷い作品を随分と見てきました。
ま、それゆえにという不安が強かったんですが、山﨑賢人とバトルものというのがイメージ的に結び付かなかったんですよ。
いまだに恋愛スイーツ映画のイメージが強い僕なんかからすると果たしてどうなんだというのがありまして、でもね結果的には良い意味で裏切ってくれた。
アクションもよかったし、奴隷の青年故のがさつや荒くれっぷりも、見ていて悪くはない。
かつて佐藤健が『るろうに剣心』という当たりを生み出した様にこの作品は山﨑賢人君の代表作になったのではないかと思っています。
他キャストも豪華俳優陣の名前が連なりますが、正直日本人キャストだけでこの映画をやるのはどうなんだ?と思ってましたが、全然問題ありませんでした。
山﨑賢人をはじめ、王の贏政と漂の二役を演じる吉沢亮高嶋政伸宇梶剛士加藤雅也石橋蓮司大沢たかお等の男性陣に橋本環奈、長澤まさみといった女性陣も光っていました。
とりわけ個人的には長澤まさみが印象的でしたね。
彼女は山の民の王として登場するのですが、バトルシーンにあいてのアクション等ワンダーウーマンを彷彿とさせる様。
彼女の身体能力の高さを最大限に活かした演出もさる事ながら無駄口を一切叩かないクールさが美しくもミステリアスな魅力が溢れていました。
それにしても戦う女というと何で衣装がエロいんでしょう…ま、いいんですけどね(笑)
ちなみに彼女の前作は『マスカレードホテル』。
そして近々の待機作は『コンフィデンスマンJP』。
この短期間でタイプの違う長澤まさみが見れちゃうわけなんですな。

さてさて、映画全体通しては非常に内容が濃いし、セットも見応えあるし何より前述の様にともすれば難しくなる題材を非常に丁寧に初見にもわかりやすく楽しくさせてくれる様なアプローチは非常に好印象です。
何よりエロい長澤まさみを見せてくれてありがとう!!…ってそっちかいっ!!

とにかく満足度の高い作品だったと思います。
ただ、敢えて突っ込ませて頂くのであれば、まぁ元が漫画だからなんて言ってしまえばみも蓋もないのですが、漫画的演出は何とかならなかったかなぁというところ。
例えば大沢たかお演じる大将軍・王騎がナタを振り回しただけで風が吹く様な演出とかね(笑)
まぁ、ストーリー上で邪魔になるわけじゃないからいいんですけどね。
後、橋本環奈ちゃんの俺口調に馴染むのに少々時間がかかったかなぁ。
それから信と漂の剣術稽古シーンが爽やかだし、奴隷としての本来過酷となるべくシーンにも悲壮感がなかったから天下の大将軍になりたいという夢にもリアリティがなかった。

でも気になる点があるとは言ってもトータル的には満足な内容でした。
冒頭に挙げた不安点の事なんかすっかり忘れ、気持ちよく劇場を後にする事が出来ました。

映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし  

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人気長寿アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版27作目。新婚旅行に行っていなかったひろしとみさえが、しんのすけたちを連れてやってきた初のハネムーンで予想外の事態に巻き込まれ、幸せな旅行が危険が待ち受ける大冒険になってしまう様子を描く。結婚当時、新婚旅行に行っていなかったひろしとみさえ。ある日、みさえが見つけてきた家族参加OKの激安新婚旅行ツアーに参加することになった野原一家だったが、旅先のオーストラリアに到着早々、ひろしが謎の仮面族にさらわれてしまう。そして、ひろしが“お宝のカギ”となってしまい、野原一家と仮面族、そして世界中のトレジャーハンターたちとの三つどもえの争奪戦が勃発する。監督は、シリーズ最高の興行収入を記録した「映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」を手がけ、シリーズ4度目の登板となる橋本昌和
(映画.comより)

今年もコナンに続き『クレヨンしんちゃん』の映画がやって参りました。
鑑賞日は4月22日月曜日。
平日なので客は大人のみ。
と思いきや、子供達でぎっしり。
振替休日だったのかな。
普段はオッサン一人の鑑賞がはばかれるので平日のガラ空きな日を狙っていくのですが、結果的にはこれで良かった。
その辺は後述しますね。

さて、しんちゃんの声優が変わって初めてとなる劇場版。
僕はTVを見ないので小林由美子さんに変わってからのしんちゃんを見るのはこれが初めてです。
初めは新しいしんちゃんの声を聞き、「あ、声優が変わったんだな」なんて思いながら見てましたが、それが全然違和感がない。
むしろ矢島晶子さんのしんちゃん声を継承しつつ、新しんちゃんとしての個性も感じさせ、悪くない。
大山のぶ代さんで育ったせいか『ドラえもん』はかなり馴染むのに時間かかったのに、しんちゃんはかなりしっくりした。
むしろ良かったですよ。

それから今年から『名探偵コナン』の公開日を外しました。
かつては程よく競っていたコナンとしんちゃんですが、コナンの爆発的な入りもあってなのか一週ずらしての公開。
更に大きな変化としてはみさえがしんちゃんにするお仕置きがなくなりました。
例えばこれまで、しんちゃんがおバカな事をする度にげんこつで頭を殴ったり、こめかみをグリグリしたりというシーンがありました。
昨今、問題となっている幼児・児童への虐待に対しての配慮でしょうかコンプライアンスに厳しい現代ならではだと思います。

と、『しんちゃん』最新作を語る前にここ最近のしんちゃんを取り巻くあれこれを話したところでいよいよ内容に触れていきたいと思います。

まず本作は『~失われたひろし~』のサブタイでもわかる様にひろしが大々的にフィーチャーされています。
きれいなお姉さんが大好きでしんちゃんと一緒におバカもやる、妻のみさえには安月給と罵られ(その割にみさえは専業主婦だし、春日部に一戸建てと生活水準は悪くないというのは置いといて・笑)
だが、やる時はやるそんな愛すべきひろしがどの様な活躍を‥と言いたいのですが、ひろしがヒーローの如く大活躍をするという話しではありません。

遅まきながらの新婚旅行に出掛けた野原一家。
そこでひろしを取り巻くトラブルに巻き込まれ、といった内容です。

で、ひろしひろしなモノになるかと思いきや、みさえも大活躍だし、何よりみさえ萌えするかの様に今回はみさえが可愛い。
もう一回言いますよ、みさえが可愛いです(笑)
しんちゃん映画には毎回映画ならではのキャラクターが登場し、そのキャラクターがヒロインとなるケースがほとんどです。
今作でもトレジャーハンターのインディ・ジュンコというキャラクターが登場するのですが、彼女は本作を見る限りだとコメディ要因。
実質的なヒロインはみさえだったと言っても過言ではないと思いますよ。

で、そんな二人のラブストーリーも盛り込まれるのですが、彼らにそれぞれ愛のテーマの様な曲が用意されてるんですよ。
その曲というのがね、明らかに親世代狙いだろという平成の大大ヒット曲二曲。
曲が流れた瞬間「えっ、何何?」みたいな感じになったのはきっと僕だけじゃないハズです(笑)
更に「アルシンドニナッチャウヨ」なんて言う平成初頭の流行語も出るわ更にあの伝説のバラエティー番組『風雲!たけし城』を思わせる様な仕掛けもあったりで親世代ニヤリ間違いなしでしょう。
更には映画ファンも納得の『インディ・ジョーンズ』や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』オマージュありでなかなか楽しいつくり。

なんて話してきましたが、肝心の子供に向けては?てところですが、そこはしんちゃん。
ぬかりはありません。
相変わらずのおバカなギャグ盛りだくさんで劇場内にはお子さんの笑い声が。
そしてそれを聞いて思いました。
客入りの少ない平日を狙って行きましたが、こういうのを聞くとやっぱり子供達の反応を見てこそのキッズ向け映画だなと。
何だか少し幸せな気持ちになりました(笑)

ところで今年のしんちゃん映画なんですが、お馴染みのカスカベ防衛隊がほとんど出ないんですよ。
前回の『コナン』だと少年探偵団がほとんど出ないという事に触れましたが、こちらでも同様です。 ただ、前半ねねちゃんがこの新婚旅行を暗示する様な事を言うんですよ。
「何を知った様な事を~」なんて思っておりましたが、これがこの作品へ導いてくれる効果的な役割を果たそうとは数少ない彼らの登場シーンでは予想だにしませんでしたが。

それからゲストの芸能人について。
インディ・ジュンコの声を担当した木南晴夏
更にはお馴染みの芸人枠での小島よしお、ぺことりゅうちぇるが熱々の新婚カップルとして登場したり、主題歌を担当したあいみょんが本人役で登場していたり。
そんな発見をするのもまた、楽しいです。

大人も子供も満足な今年の映画『クレヨンしんちゃん』。
是非家族揃って劇場でご覧下さい。

名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)

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大ヒットアニメシリーズ「名探偵コナン」の劇場版23作目。劇場版シリーズでは初めての海外となるシンガポールを舞台に、伝説の宝石をめぐる謎と事件が巻き起こる。コナン宿命のライバルでもある「月下の奇術師」こと怪盗キッドと、これが劇場版初登場となる空手家・京極真が物語のキーパーソンとなる。19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を、現地の富豪が回収しようとした矢先、マリーナベイ・サンズで殺人事件が発生。その現場には、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていた。同じころ、シンガポールで開催される空手トーナメントを観戦するため、毛利蘭と鈴木園子が現地を訪れていた。パスポートをもっていないコナンは日本で留守番のはずだったが、彼を利用しようとするキッドの手により強制的にシンガポールに連れてこられてしまう。キッドは、ある邸宅の地下倉庫にブルーサファイアが眠っているという情報をつかむが……。
(映画.comより)

ハイ、今年もコナンの季節がやって来ましたよ~!
今作で23作目なのですが、ここ近年は右肩上がりで興業収入もあがってきていますが、そもそも何故コナンはこんなに人気があるのでしょう?
まず、ひとつに謎解きの面白さ‥と言いたいところですが、これは何も今に始まった事ではありません。
もっと違った部分を見ていきましょう。

ひとつに魅力的なキャラクターを配し、それらの見せ場を作る事によって各々のキャラクターのファンのみならず、新規層にも十分なアプローチをしていく。
去年の『ゼロの執行人』で言えば安室透なんかはまさにそれでしたね。

次にアニメーションの次元を超えたアクションの派手さが高揚感を生み出す。
爆破、カーチェイス、格闘アクションに脱出劇と何でもござれのアクションのデパートと呼びたくなる程多彩。
ぶっちゃけ言うとハリウッドのアクション大作に決してひけを取らないです。
去年なんかは『ワイルドスピード』を見に来てんのかなと思ったくらいですよ(笑)
また、実在する建物や或いはそれをモデルにした建物等でドンパチ繰り広げたり想像だにしない様な事しちゃいますからね。
これはアニメーションだからこその強みだと思いますよ。

後はシリアスだけではなく、適度なギャグパートを配する事でメリハリがある。
物騒な事件があってもその後の阿笠博士と少年探偵団が登場するだけでほっこりしますからね。
冷静な突っ込み役である灰原が居る事でまとまりがあるし。

それを踏まえての最新作『紺青の拳』です。
ちなみに僕自身、『コナン』で好きなキャラクターは?と聞かれたら怪盗キッドかなて思ってます。
コナンの永遠の宿敵であり、同時に何だかんだで素敵な関係。
魅力あるキャラクターだと思いますよ。
で、今作はそのキッドを大々的にフィーチャーしているのでまぁ、とにもかくにもなキッド祭りなんですよね。
そして京極真。
園子との関係も良い感じに登場するので、2017年の『から紅の恋歌』にも通じるところがあり。
そして、園子がまた可愛いんだわ。
普段と雰囲気が違う。
ある意味本作のヒロインは蘭ではなく園子だったと思います。

そして相変わらずな爆破を含めた派手なシーンの数々。
今回はシンガポールが舞台なのですが、まさかのマーライオンから‥みたいなね。
荒唐無稽なんだけど、まさに前述の様にアニメだからこそ出来る妙義。
すげ~ホラーでもあったんだけどシンガポールで事件となればあの気持ち悪さは逆にありでしょ。

で、本作はシリーズ初の女性監督。
名探偵コナン』のファン層は老若男女幅広い層がいるわけですが、とりわけここ近年は女性ファンの存在が目立ちますね。
去年は特に顕著で安室透の存在は多くの女子の心をキャッチした様ですからね。
ならば、という事なのか女子目線でのコナンをという経緯かどうかは知らないですが、初の試みとして挑む姿勢は攻めてると思います。

ただ、正直今年は去年ほどの熱さはなかったというのが私の本音です。
去年は全体通してしまってたし、何より良い意味での緊張感があった。
何度も引き合いに出すし、過去の記事を見て頂いた方が良いかもしれませんが、とにかく安室透のカーチェイスは鳥肌モノだった。
アニメ映画でここまでやるか~と見ていて僕の溜飲が下がったものです。
あれ見たさに結局三回程見ましたからね(笑)

ところが今年に関してはうん、確かに面白いんですよ。
だけど、あの手に汗握り血湧き肉躍った興奮がなかったです。
少々抑え目になったきらいがどうしても否めませんでした。

後、いつもの予定調和が今回はない。 
例えば阿笠博士のクイズなんかもそうだけど、あれは博士が出題して少年探偵団がわちゃわちゃやるから良いのですが、今作ではコナンと灰原しか絡んでない。
当然、この二人にクイズを出題したところであっさり交わされるのは目に見えてわかるじゃないですか。
後、少年探偵団が去年はあんなに活躍してたのに今年は「彼ら要る?」てくらい存在感がなかった。
もっと出してあげて(笑)

後、去年で言うドローンだとかフリーランス弁護士の様な今っぽさを感じる要素が今年はなかったなぁ。
いや、必ずしもそれがないといけないわけではないけど、「ほ~、そうきたか~」と思わせる何かが欲しかったかな~。 

で、本作は「洋画か?」と思うほど英語での会話プラス字幕が多かった。
いや、大人はいいんですよ。
でも『コナン』は本来、子供を対象の主としているわけだから。
製作者の英語得意ですよアピールでもしたかったのかなという位、英語が出てくる。

なんて言いたい事も言えるこんなブログで好き勝手言いましたけど、全体的に見て面白いのは間違いないです。
ただ、どちらかと言うと大人向けかな?

ちなみに僕はMOVIX日吉津で見ましたが、本編始まる前の予告は熱かったです。
何しろあの『アベンジャーズ』とコラボしてますから。
GW映画の洋画と邦画の両雄並び立つといったところでしょうか。

シリーズ初の興収100億も狙えそうな大ヒットとなっている様です。
是非、皆さんも劇場でご覧下さい!

ダンボ

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1941年製作のディズニー・アニメの古典的名作「ダンボ」を、「チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」のティム・バートン監督のメガホンで実写化したファンタジーアドベンチャー。サーカス団に飼われ、大きな耳を使って空を飛ぶことができる小さなゾウの子ども「ダンボ」が、引き離された母親を助けるため、サーカス団の家族の力を借りて新たな一歩を踏み出す姿を描いた。出演は、サーカス団の元看板スターでダンボの世話係を任されるホルト役にコリン・ファレル、サーカス団の空中ブランコのスター、コレット役に「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」など近年のバートン作品に欠かせない存在となっているエバ・グリーン、ダンボを使って金儲けを企む企業家ヴァンデバー役に「スパイダーマン ホームカミング」「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のマイケル・キートン
(映画.comより)

2月に公開された『メリーポピンズ リターンズ』に続き、ディズニーの古典的作品のリメイクで、オリジナルは1941年製作。
日本での公開は1954年。
ここまで古いとオリジナルを知らない人も多いでしょう。
ハイ、私も知りません。
しかし、パッケージ化はされてるのでビデオだDVD だでおうちで見たという人も居るかと思いますが、オリジナルはアニメーションです。

それを時を経て、実写でリメイク。
メガホンを取るのは奇才、ティム・バートンとあり期待が高まります。
チャーリーとチョコレート工場』、『アリス・イン・ワンダーランド』等々数々のヒット作を世に生み出したティム・バートンですが、好みがはっきりと別れる監督でしょう。
個人的には大好きです。
彼の作品の特徴なんですが、一見ポップで華やかなファンタジーなんだけどその実、毒気たっぷりで登場人物にも闇がある。

それって監督自身が幼少期から変わり者扱いされ、そんな自分の生い立ちが作品に反映されているとか?
前作『ミスペレグリンと奇妙なこどもたち』なんかでも思いましたが、阻害されるマイノリティなキャラクターの存在意義を見出だしていくそんな作風に魅かれるのは僕もまた変子扱いされて育ってきた故の共感性なのでしょうか。

そんなティム・バートン監督最新作『ダンボ』。
どんな作品だったのでしょうか。
今週もいってみよー!

時代は1919年。
活気溢れる駅に到着する蒸気機関車
ここには第一次世界大戦に服役していた本作の主人公であるコリン・ファレル演じるサーカスの人気団員・ホルトが居ます。
駅に降り立つホルトは彼の二人の子供に迎え入れられますが、子供達は大きなショックを受けます。
コリンは戦争により、左手を無くしてしまっていたのです。
まず、この冒頭シーンでは機関車の運転席から見た景色が印象に残りました。
レールの上を走る機関車。
躍動感ある光景でこれから始まる物語への期待感を煽ってくれるかの様。
それだけに父親の変わり果てた姿を見た子供たちとの対比が効果的に生まれてくる様。

そして本作の主な舞台となるサーカスの色彩なんかを見るとまさにティム・バートンワールドそのもの。
娯楽の少ない20世紀前半。
人々にとっての究極のエンターテイメントはサーカスであり、そのサーカスのステージはきらびやか。
だけど、その一方では醜い容姿の小像・ダンボはサーカスで曲芸が出来ず、人間達からは嘲笑され、罵倒を浴び、物を投げられる。
華やかさの中での悲哀を生み、そして人間達の醜さをまざまざと生み出す。
そしてジャンボジュニアがダンボと命名されるきっかけなんかを皮肉とユーモアを交えて写し出していくあたりティム・バートンの仕事らしさを感じさせてくれました。
そしてCGのダンボがまた、何とも愛らしいというかいじらしいというか。
失敗して人間達から罵倒を浴びせられている時の表情や母親像が売られていくシーンでの表情は身につまされます。
この映画を見ている子供達が悲しがるんだろうなぁと思いますよ。

で、サーカス団が舞台なのですが、この団員達もまた、個性の強い面々ばかり。
実生活では肩身の狭い思いをする彼らにとって最大限の魅力を発揮する場所がサーカス。
曲芸が出来なかったダンボだって腕を無くし、妻にも先立たれ、子供達とも心の距離があるホルトだってそう。
なんて見方してたら『グレイテスト・ショーマン』を思い出しましたね。
ただ、ダンボやホルトが中心になってしまう為、各々の魅力がうまく引き出せていなかったのは少々残念。
「THIS IS ME 」的価値観を彼らにも反映させてほしかったなんて言ったら欲張り過ぎなのでしょうか。

ダンボが光り輝く時と言えばやはり空を飛ぶ時となるのでしょうか。
ただ、元来のろまな亀(像だけど・笑)が空を飛ぶまでって意外と早いんですよね。
本作がダンボを取り巻く人間達を中心にしてるという点があるのでそうせざるを得なかったんでしょうけど。

で、その人間達というのがどいつもこいつも一癖二癖ある様な連中なんですよ。
ダンボを利用して儲けてやろうというのがわらわらと出てくるわけですからね。
その中での良心と言えるのが、ホルトとその二人の子供という事になります。

ダンボに目をつけ、サーカス団を乗っ取ろうと企む実業家が現れ、団員達の人員整理をするシーンなんかは現代社会の縮図と言いましょうか世間を賑わせたあの会社が脳裏によぎっちゃいました。
でも、綺麗な勧善懲悪でラストはなかなか胸のすく展開。
かなりシャレの効いたオチもありましたね。
で、そんな拝金主義の実業家ヴァンデヴァーをマイケル・キートンが担当しているのですが、彼と行動を共にしていたフランス生まれの空中ブランコ乗り・コレット
『ミスペレグリン』に続いてのバートン作品登場のエヴァ・グリーンが演じているのですが、僕ははじめ、彼女は善と悪で分ければ悪側の人だと思ってました。
ヴァンデヴァーと同行しているし、無愛想でしたしね。
ところが子供達の母親代わりになるかの様な慈愛に満ちたキャラクター。
良かったのはボルトと恋愛へ発展させなかった事。
その要素が加わると一気に作品の深みが薄れていきますね。

後、良かったのはダンボが悲痛な声を挙げたかと思いきや、猛獣の雄叫びと画面が変わり、続けざまに母親像・ジャンボの声に。
これはジャンボが売り払われたドリームランドの光景へと導かれていくのですが、後半の展開へ持っていくにはかなり効果的な演出だったと思います。


ダンボはジャンボを救出出きるのか?
そこは是非劇場でチェックして頂くとして、個人的にはかなり楽しめました!
欲を言えば、ティム・バートン特有の毒っ気が少し足りないかな?てところです。
ともあれ、ピュアな心を持った子供達、そして自分へ自信が持てないそんな大人達にもオススメしたい作品です。

是非、劇場でご覧下さい!

君は月夜に光り輝く

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電撃小説大賞を受賞した佐野徹夜の同名デビュー小説を永野芽郁北村匠海の主演、「君の膵臓をたべたい」の月川翔監督のメガホンで映画化。高校生の岡田卓也が出会った同級生の渡良瀬まみずは、不治の病である発光病で入院生活を送っていた。細胞の異常によって皮膚が発光するその病気は、死が近づくにつれて光が強くなり、成人するまで生存した者はいない。卓也は、病院から外出が許されないまみずに代わり、彼女の願いを実行し、その感想を彼女に伝える「代行体験」を始め、まみずは卓也との代行体験を通し、人生の楽しみを覚える。次第に2人の距離は縮まっていくが、卓也とまみずは避けることができない死の恐怖に襲われる。まみず役を永野、卓也役を北村がそれぞれ演じる。
(映画.comより)

いわゆる悲恋モノと呼ばれるジャンル。
余命いくばくのない美女。
それによりそい健気に献身する男性という構図。
こと2000年代以降出てきては消え、出てきては消えしてきた分野の映画ですが、映画好きな人程このテの作品には辛口になる傾向があります。
ま、わからなくもない。
人の不幸を作品に盛り込み、如何にも泣ける映画ですよ~というキャッチコピーと泣きアピールの予告編で旬の若手俳優を起用し、全国の女子中高生を集めて手堅く興収10億円も稼げばOKなわけですもんね。

なんて冒頭からこの映画をディスる様な事を言いましたが、僕は否定するつもりはありません。
それがビジネスなんですから。
いや、そんな高尚な話しではなく要は内容がしっかりしていれば、なんですよ。

そういう意味では『君の膵臓をたべたい』という作品は良かった。
あの映画は病に冒された薄幸な女子高生を主人公に据えながらも決して重くさせ過ぎず、適度な塩梅での闘病生活を描き、そして死そのものをクローズアップさせるのではなく、その後の展開に力を入れ、そこから怒涛の涙腺崩壊モードへ持ち込んでいきました。
あの流れは素晴らしかったし、作品を作り出していく上でのカメラワークや全体の配色のバランス等どれを取っても素晴らしかった。
何より浜辺美波ちゃんをあそこまで魅力的に写し出し、この作品のヒロインとして申し分ない存在感を見ている人達に植え付けました。
作品全体が纏まってて良質な作品だったので女子中・高生のみならずあらゆる年齢層の心の琴線に触れ、それが35億円という興業成績に繋がったのだと思います。


と、このままだと『キミスイ』の短評になりそうなので、その『キミスイ』を大ヒットさせた月川翔監督最新作『君は月夜に光り輝く』についてお話しさせて頂きます。
実はこの映画を見るまでは不安もあったのです。
キミスイ』ヒット以降、若年層へ向けた映画を次々と製作してきた月川監督ですが、なかなか『キミスイ』に匹敵する様な名作が誕生していません。
そして、ここにきて明らかに第二の『キミスイ』を狙った様な予告。
ただの二番煎じになりやしないか、劣化版『君の膵臓をたべたい』にならないか。
そんな不安ですね。

ヒロイン・渡良瀬まみずを演じるのは永野芽郁
数々のヒット映画に出て、昨年は朝ドラ『半分、青い』のヒロインとなりその知名度も今や国民的。
朝ドラ後、初の大作映画出演です。
一方、岡田卓也役は北村匠海
今年は『十二人の死にたい子供たち』でも存在感を放ち、何より月川監督作品だと件の『君の膵臓をたべたい』ですね。
彼にとっての出世作となったのは改めて語るまでもないでしょう。

この映画を見る上でのポイントを言うなら本来の余命を過ぎた病人なのに血色の良い永野芽郁ちゃんのわがままを許せるかどうかでかなり楽しみ方が変わっていくでしょう。
と、言うのがまみずと卓也はクラスメートとは言え、元々は接点のなかった二人。
それが何の因果か卓也がクラスメートが書いた寄せ書きを持っていく所からストーリーが始まっていきます。
余命僅かなまみずがやりたかった事を卓也に代行してもらうというのですが、何かこれに近い病弱な女性が無茶ぶりとも思えるお願いをするという展開最近見たなと思ったら『雪の華』なんかはそれに近かったですね。
あれは余命僅かなのに恋愛経験が全くない女性が男性に疑似恋愛を頼んでましたけどね。

また話が反れましたが、まみずが卓也にお願いする代行というのがもはや罰ゲームそのものなんですよね。
一人で遊園地に行かせたり、カフェで男子が頼むには憚れるパフェを頼ませたり、メイドカフェでメイドとして働かせて下さいと面接に行かせたり。
北村匠海くんがイケメンだからいいけどこれ、ブサメンがやってたらヤバいよね(笑)
しまいにはバンジージャンプさせるのが可愛く思えてくる。
それでも卓也は応じるわけですよ。

はい、そういう設定なんですが、大丈夫ですか?
人によってはぶちギレてもおかしくないシチュエーションですよww

ちなみにこれまでを見た私の感想「何じゃ、こりゃ?」でした(笑)
まみずの両親は離婚しているのですが、父親に会いに行って離婚した理由を聞いてくる依頼もありましたね。
ほんで、実際に及川光博演じる父親に会い、聞きに行くのですが、ベラベラ喋ってくれるんですよ、ミッチーが。
フツー、娘のクラスメートだか何だか知らないが、見ず知らずの高校生がフラフラやってきて、「離婚した理由を教えて下さい。」なんて言われたら「キミには関係ないだろ」て話しですよ。


そんな感じでとにかく突っ込みどころ満載でご都合主義モリモリなんですが、後半は良かったですよ。
これまた引き合いに出すけども『キミスイ』がそうだった様にゴリゴリの死にますよ~ハイ、泣いて下さいなんて感動の押し売りは決してしない。
サラッとしてるんだわ。
それでいてしっかり感情に訴えかけてくる様な作りをちゃんと見せてくれる。
そこは「キミスイ」クオリティがちゃんと継承されていて良かったですね。

前半で見せた「おいおい、それはねぇだろ」なんて事も忘れさせてくれる。
終わりよければ全て良し、ですな。

とにかく突っ込むところも多々ありますが、帰結点が満足度高めな作品でしたね。