きんこんのブービームービー

映画をこよなく愛するきんこんが鑑賞した映画をズラズラっと紹介していく映画ブログ

スターウォーズ/最後のジェダイ

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スター・ウォーズ」の10年ぶりの新作として大ヒットを記録した「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に続くシリーズ作品で、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを探し当てた主人公レイがたどる、新たな物語が描かれる。前作で「スター・ウォーズ」の新たな主人公レイに大抜てきされ一躍注目を集めたデイジー・リドリーのほか、ストームトルーパーの脱走兵フィンを演じるジョン・ボヤーガ、ダースベイダーを受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバー、そしてルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーらおなじみのキャストが出演。監督・脚本は「BRICK ブリック」「LOOPER ルーパー」などで頭角を現したライアン・ジョンソンが担当した。
(映画・comより)

公開から一ヶ月。
満を持してこのブログでレビューさせて頂きます。
話題作のタイミングに乗り遅れる、これも当ブログの特色ですな(笑)

言わずと知れた世界一有名なスペース大作『スターウォーズ』シリーズ最新作は『フォースの覚醒』に続く三部作の第二弾。
ネットからも賛否両論様々な意見が飛び交っておりますね。

ちなみに私が鑑賞したのは1月4日。
正月休みでごった返す新春のシネコン
そんな中で2018年の映画初めとして本作を鑑賞した次第です。

結局二回程見てきたのですが総論として感じたのは


腐ってもスターウォーズ

でした。

まず、冒頭のスクロールとあのテーマ曲。
視覚的にも聴覚的にも高揚するあの瞬間。
「おお、きたきた!」と気持ちを高めるのにシンプルかつ最高の演出です。
続いて序盤では息つく暇もなく繰り広げられるあの銃撃シーン。
正につかみはOK!
謎の東洋人女性のミステリアスな雰囲気共々この部分の作りは実に圧巻です!
もし今TOHO シネマズのフリーパスがあればこのシーンだけを見て退席…なんて事を何度もやっていたかもしれません(笑)
それくらい新進気鋭の監督・ライアン・ジョンソンなかなか良い仕事をします!


しかし、しかしです!
掴みが良ければ全編通して良い映画かというとさにあらず。
この後、『フォースの覚醒』以降のメンバーが登場してからの前半~中盤が実に冗長的かつ蛇足が多すぎる。
結局のところ、あらゆるストーリーを詰め込みすぎた故に「帯に短し襷に長し」になってしまったと感じます。

昔のレイア姫モノグラムヨーダ登場などのサービスシーンは良いと思います。しかし、それよりもレイとフィンのシーンはもっとうまくまとめられなかったものでしょうか?

これまでスカイウォーカーという血筋によって使われていたフォースという能力がレイという血筋に依らない能力者を生み出したというのは別に良いのですが、ルークの元で修行を積むというまるで天下一武道会に備える悟空と亀仙人の様なくだりは「スターウォーズ」らしくない。
いや、百歩譲ってそれをアリと肯定してもだれてきてしまってストーリーに没頭出来ない。
正直眠かったですもん、ここ。
更にそのフォースを超能力か何かの類の様にしてるのが気になりましたね。
えっ?フォースってそういうもんなん?って目を疑いましたよ。

それからフィンの場面についてですが、あのローズという準ヒロイン的な女性が…う~ん…。

チェンジで!!


冒頭の東洋人女性でお願いしま~す!(実際ローズと深い関係ですね)


つまりそれ程ローズがひどかった!
見た目にとやかく言いたくはないがそれ以上に存在がね~。
別に無理にこのキャラ出さなくてもよかったんちゃうか?
アジア人だからという理由からなのか知りませんけどカミカゼアタックなんて事もさせちゃうし(笑)

正直このキャラの意義がいまだに見いだせません。
フィンとのキスシーンなんてありましたが、こいつらいつからそういう関係なん?

しかし、その一方ではカイロ・レンは良かった!
『フォースの覚醒』では悪役でありながらどこか頼りなさげで青臭い。タイプは違いますが『マイティ・ソー』のロキに通じる様なキャラでしたが、本作では風格がありました。
『フォースの覚醒』でのラストを経てきたカイロ・レンという役どころに説得力が生まれ、アダム・ドライバーの俳優としての経験値勝ちとも思わせてくれました。

フォースを使って遠方にいる二人を引き合わせる描写は突っ込みたいですが、さておきレイと対峙するシーンは見応えありましたね。
それでいて少年漫画的展開に傾倒しなかったのは良かったです。
少年漫画はレイとルークのシーンで十分です(笑)

それから不可解な点として挙げたいのが作中に登場する少年。
中世ヨーロッパ風いわんや『フランダースの犬』のネロの様な服をまとったあの少年です。
スターウォーズ』のあのスペイシーな世界にあって彼の存在が浮いてしまってるんですよ。
そこがノレなかったですね…。
しかも彼、重要な鍵を握ってそうじゃないですか、どうすんの、三作目?

ちなみに私は『スターウォーズ』に関してさほど強い思い入れがあるわけではありません。
しかし、先日スターウォーズ好きな友人に聞いたところ、ジョージルーカスが製作を離れた事によって今は完全にディズニーのスターウォーズになった。エンタメとしての厚みこそあれスターウォーズらしさが新作公開の度に抜かれてるという事を申しておりました。
ライトセーバーでの格闘シーン減少についても憂いておりましたよ。

しかし、腐ってもスターウォーズ
鑑賞後の満足度は一定の水準以上に満たされておりました。
結局スターウォーズだからこそのハードルを皆それぞれに抱くからこそ否定的意見も増えるんでしょうね。

8年越しの花嫁 奇跡の実話

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YouTube動画をきっかけに話題となり、「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」のタイトルで書籍化もされた実話を、佐藤健&土屋太鳳の主演で映画化。結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志と麻衣。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが……。「64 ロクヨン」の瀬々敬久監督がメガホンをとり、「いま、会いにゆきます」の岡田惠和が脚本を担当。
(映画.comより)


正直この作品は直に見るまでは不安でした。
と言うのも予告編ですね。
試写会に集まった若い女性を写し月並みな「なきました」「感動しました」「こんなに泣くとは思いませんでした」というコメントの羅列。
僕がひねくれてるからなんでしょうが、そういうの見る度に「絶対泣かんとこ」と斜に構えてしまうものです。
そもそも泣ける映画を謳う邦画にありがちなのですが、過剰に泣かせよう泣かせようとさせる演出が悪目立ちしてしまいその度に鑑賞後に得られるべきエクスタシーを悉くそぎおとされてしまった事は数知れず。
過去の鑑賞体験から本作に対しても過度な期待は持たずハードルは低くして見て参りました。
その結果……。


ごめんなさい、舐めてました。
近年の感動作『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『きみの膵臓をたべたい』等心を掴まれてしまった感動大作と比較しても決して遜色劣らない名作でした。

まず、本作でのキャスト陣の演技に魅了。
とりわけヒロイン・麻衣を演じた土屋太鳳の演技力が見事でした。
この麻衣という女性。元々は気丈で物事をズバズバ臆せず発する女性でして、それを象徴するシーンとして尚史と麻衣が出会った合コン後のやり取りが印象的です。
飲み会で終始冴えない表情を浮かべ当然二次会にも合流しない尚史に麻衣が態度がよくないと指摘します。
初対面の相手にここまでズバズバ言う女子ってどうなんやろ?とも思いますがそんな私のひねくれ思考はともかくここでは麻衣という気の強い女性像が伝わります。
そんな気が強く一見病気とは無縁な女性が難病に冒されるという残酷な現実をリアリティたっぷりにまざまざと見せる上で非常に効果的なシーンと言えるかもしれません。

病に伏し昏睡状態を続ける麻衣の回復をひたすら待つ尚史の姿にも胸を打つものがありますが、彼を支える仲間たち、杉本哲太薬師丸ひろ子による麻衣の両親の姿も印象的です。

麻衣の恋人である尚史と麻衣の両親を結ぶ上で欠かせないものとして「家族」というキーワードが浮かびます。
来る日も来る日も麻衣の回復を信じ見舞いに訪れる尚史ですが、両親からは家族でないからと残酷にも告げられてしまいます。
しかし、その言葉のもう一方の意味としては麻衣の事によって尚史の生活或いは人生に負担をかけてはいけない、尚史は尚史の人生を歩んでほしいという彼らなりの想いでもあります。
ただ、それ以上に深い尚史の麻衣への愛。
それがあったからこそこの奇跡のストーリーが生まれるべくして生まれたのですね。

ところで8年という時間は振り返って見ればあっという間かもしれません。
しかし、生まれたばかりの赤ん坊が小学校2年生に上がるまでの時間でもあり、20代前半で出会った二人もアラサーになる時間の経過があるわけです。
本作において好印象だったのはその時間の経過をあくまで映像面のみで実に巧妙かつ秀逸に表現していた点にあります。
例えば目覚めた麻衣が劇的変化を示すシーンとして挿入される音楽番組でのいきものがかりが『ありがとう』を歌唱するシーン。
その描写からこの曲がヒットした2010年の光景である事が伝わりますが、安易にテロップのみで表現させない点は評価出来ます。
その後の東日本大震災の映像もまた然りです。

しかし、その一方勿体ないと感じる部分もあります。
本作は非常にドキュメンタリズムに満ちており安直な感動作に甘んじない作りは良かったです。
ストーリーのテンポもよく見やすかったのは確かなのですが、健康な麻衣が病に蝕まれ病床に伏すまでの過程はもう少し尺を使って丁寧に見せてほしかったです。
また、病に冒される光景を比喩的に全身に虫の様なものが侵食し、麻衣が狼狽するというシーンがありましたが、あれは不要でしたね。
パニック映画やディザスタームービーならいざしらず本作はあくまで実話に基づいた難病モノですからああいうシーンを入れると重みがなくなるんですよね。
残念ながらあのシーン流れた時に褪めてしまいました。

しかし全体的には過剰な泣き演出もなく、役者陣の演技もただただ素晴らしい!
泣きこそしませんでしたが、(感動こそすれ泣きはしないぜ・笑)過去に騙された感動させる気(げ)な作品群とは一線を画す名作だったと思います。

ところで佐藤健くんと土屋太鳳ちゃんによるアクション映画を見たいと思うのは私だけでしょうか?

DESTINY 鎌倉ものがたり

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ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が、同作の原作者・西岸良平のベストセラーコミック「鎌倉ものがたり」を実写映画化し、堺雅人高畑充希が年の差夫婦役で初共演したファンタジードラマ。幽霊や魔物、妖怪といった「人ならざるもの」が日常的に姿を現す古都・鎌倉。この地に居を構えるミステリー作家・一色正和のもとに嫁いできた亜紀子は、妖怪や幽霊が人と仲良く暮らす鎌倉の街に最初は驚くが、次第に溶け込んでいく。正和は本業の執筆に加え、魔物や幽霊が関わる難事件の捜査で警察に協力することもあり、日々はにぎやかに過ぎていった。しかし、そんなある日、亜紀子が不測の事態に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。正和は亜紀子を取り戻すため、黄泉の国へ行くことを決意するが……。主演の堺、高畑と同じく山崎監督作初参加の安藤サクラ中村玉緒をはじめ、山崎組常連の堤真一三浦友和薬師丸ひろ子ら豪華キャストが集結した。
(映画・com より)

2020年の東京オリンピックで演出を出掛ける事も決まった山崎貴監督。
いまや日本を代表するヒットメーカーと呼んでも過言ではありません。
そんな山崎貴監督の最新作『DESTINY 鎌倉ものがたり』は山崎監督が得意とするCG/VFXの技術を余すところなく詰め込んだファンタジー大作となっています。

堺雅人高畑充希が歳の離れた新婚夫婦を演じてますが、新婚というある種の生々しささえ覚える響きとは程遠い爽やかなカップルを演じます。
その他、堤真一薬師丸ひろ子國村隼ら山崎組常連キャストが作品世界へ色を添えます。

そして何といっても見ごたえのあるCG/VFX といった映像的手法。
もはやハリウッドの大作と比べても遜色ない仕上がりとなっています。

また、鎌倉のご当地映画の側面もあり、江ノ島、大仏、江ノ電等の鎌倉らしい光景もふんだんに盛り込まれ視覚的にも非常に色彩豊かな作品になっており、山崎監督の手腕にさすがと脱帽するばかり。

また、過去の様々な名作のエッセンスを巧みに取り入れております。
パイレーツ・オブ・カリビアン』や『美女と野獣』等明らかに本作製作中に山崎監督がインスピレーションを受けた作品のテイストを感じさせるのですが、とりわけジブリ映画、更に限定して言えば『千と千尋の神隠し』の影響が明らかに感じられ、正面切りつつもかつ実験的に『千と千尋』の実写リメイクに取り組んだのではないかと思わせてしまいます。
そこに関しては評価が別れるところでしょうが、私的にはアリです!
千と千尋の神隠し』という日本の映画史上燦然と輝く金字塔的作品(興行収入300億円という記録は未来永劫破られる事はないと思います。)の実写リメイクに大胆かつ不敵にも挑んだ山崎監督のチャレンジスピリッツは高く評価されるべきだと思います(目も当てられない様な模倣であれば話しは違いますけどね)

また、民話、説話、仏教・神道等の宗教観等の日本的哲学や民俗学が多分に作中に盛り込まれまさに日本人的思想に基づいた作品であるとも言えます。


しかし、その一方で気にならない点がないと言えば嘘になる。もっとも去年の『海賊とよばれた男』や『STAND BY ME ドラえもん』等ツッコミどころのない山崎作品に巡りあった事はないんですけどね(何となく名作が多いから許されてる感じですが)

まず、本作の時代設定。
主人公・一色正和と妻・明子がクラシックカーに乗り、蓄音機もある昭和初期に立てられたであろうモダンなお屋敷に住み、また作中に登場する民家にも黒電話があったり、昭和風の髪型をしたガキンチョがキャベツ太郎を食べていたりと見た限りでは昭和40~50年代と思わせるつくりになっています。
ところが百均が普通に登場したりと明らかに時代設定がムチャくちゃ。
そういうのハッキリさせてほしいですね。

また、市川実日子さんが演じる女性が旦那さんを亡くし未亡人となります。
それまで旦那の収入で生計を立てていたのが経済的に困窮して家賃が支払えなくなります。
するとそこに生前旦那さんにお世話になったという謎の人物から送られてきた一通の封筒。
中には一万円札が複数枚(10枚以上は入ってる)
そこに疑いもなく「これで家賃が払える~」なんて言うのですが。
普通こういうシチュエーションてもっと疑わないですか?
何処の誰ともわからない人からお金が送られてるんですよ。
「あの人の字とそっくり…」じゃないよ(笑)


ま、そんなわけでいつもの山崎作品同様ツッコミどころの多さは相変わらずですが、それを補ってあまりある見応えたっぷりな映像はこの年末年始ファミリーで鑑賞するにはぴったりな作品となっています。
おすすめです!


なんて言っちゃう辺りやっぱり嫌いになれない山崎貴ワールドなのでした。

オリエント急行殺人事件

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1974年にも映画化されたアガサ・クリスティの名作ミステリーをケネス・ブラナーの製作・監督・主演、ジョニー・デップミシェル・ファイファーら豪華キャストの共演で新たに映画化。トルコ発フランス行きの寝台列車オリエント急行で、富豪ラチェットが刺殺された。教授、執事、伯爵、伯爵夫人、秘書、家庭教師、宣教師、未亡人、セールスマン、メイド、医者、公爵夫人という目的地以外は共通点のない乗客たちと車掌をあわせた13人が、殺人事件の容疑者となってしまう。そして、この列車に乗り合わせていた世界一の探偵エルキュール・ポアロは、列車内という動く密室で起こった事件の解決に挑む。主人公の名探偵ポアロ役をブラナー、事件の被害者ラチェット役をデップ、未亡人役をファイファーが演じるほか、教授役にウィレム・デフォー、家庭教師役にデイジー・リドリー、公爵夫人役にジュディ・デンチ、宣教師役にペネロペ・クルスが配されている。

(映画・comより)

アガサ・クリスティーの古典サスペンスとしてあまりにも有名な原作ですが、豪華俳優陣を配してさながら舞台演劇を見るかの様な作りとなっております。
探偵・ポアロを演じたケネス・ブラナーも天才的名探偵でありながらかなりの変わり者というキャラクターが愛らしくもあり。
そんなポアロのキャラクターを端的に表すものとして冒頭の玉子を朝食にするシーン、そして食しようとしたまさにその時に発生した事件の推理から解決に至るまでにおこした一連のアクション。
本作のプロローグは実に明解かつスピーディーに展開され見る者を一気に作品世界へ引き込んでくれます。
実に見事な掴みです。

そしてポアロは休暇を利用してオリエント急行で旅へ出掛けるのですが、そのシーンがまた印象深いです。
列車に乗る乗客達、つまりは本作の主要な登場人物たち。
彼らが旅への高揚感を高めながら列車に乗り込んで荷物を置く。
バーカウンターのある食堂車にはジャズを鳴らす蓄音機があり、それが何ともお洒落です。
乗り物と旅、そして乗客の高揚感なんて言ったらかの大ヒット映画『タイタニック』を思い出しましたよ。後に待ち受ける悲劇というテーマにも共通しますな。

そしてオリエント急行は発車するのですが、その後もこの急行と周囲の風景というコントラストは実に見ごたえあります。
特に大雪原を走るオリエント急行はまるで絵画を見る様な素晴らしさ。
広大なロマンを感じさせ、思わず大瀧詠一の名曲が頭に流れました…ってアレはシベリア鉄道か(笑)
また食堂車での料理も実に美味しそう!
こんな列車で旅をしたいな~!

とここまでは「豪華寝台列車オリエント急行」という題名でもつきそうな情報番組の一コーナーでやりそうな内容です(笑)

しかし、本作はあくまでもサスペンス映画です。
誰かが殺されるという事は予めわかってるわけです。

オリエント急行の優雅な旅から劇的変化を余儀なくされるのが雪原を走る中、発生する列車の事故、そして遂に本作の核となる殺人事件が発生します。
その事件を映すシーンが印象深いものでして、天井から事件現場前の廊下を写し、ポアロらが事件について語り出します。
つまり事件現場の生々しさの描写ではなく現場を目撃した関係者の心理的動揺や機微をリアルに伝える情景を優先したカメラワークとなっています。
それによって見る人に一定のリアリズムとインパクトを与えます。
そんな秀逸なカメラワークは好印象です。

しかし、そんな視覚的訴求が素晴らしいものだけに聴覚的あるいは心理的訴求が少々残念なものになってしまったので個人的には惜しいという感がどうしてもあります。
それは事件発生後の展開があまりにも早すぎてついていけなかったという点でしてこういう作品に求めるものとして登場人物の内面から吐露される証言などから見ている側も一緒に推理する楽しみも必要かなと思うのですが如何でしょう?

それが探偵・ポアロの名推理劇場を押し出すあまり他の登場人物の内面的描写が弱かったのが残念でした。
その結果、ポアロの独壇場と化した後半は眠くてたまらなかった、二回鑑賞していずれも同じ箇所でその心境に至ったのはよほど僕にとって後半が合わなかったかわかって頂けますでしょうか。

次回作を匂わせるナイル川の事件。
今作の反省から次作の構成を期待したいところです。

鋼の錬金術師

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2001~10年に「月刊少年ガンガン」で連載され、テレビアニメ版も大ヒットを記録した荒川弘の人気コミック「鋼の錬金術師」を実写映画化。物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界。幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償としてエドワードは身体の一部を、アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つという「賢者の石」を探す旅に出る。主人公エドワード役を実写版「暗殺教室」シリーズにも主演した「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が務め、ヒロインのウィンリィ役を本田翼、エドワードたちの良き理解者である若き士官マスタング役をディーン・フジオカがそれぞれ演じる。監督は「ピンポン」の曽利文彦
(映画.com より)

SNSの普及は映画の興行をも左右するのだなとよく感じます。
良い内容であれば拡散されて大きなヒットを生み出す。
去年の『シン・ゴジラ』、『君の名は。』、『この世界の片隅に』はまさにそんな拡散が産み出したヒットという印象が強いですね。
その反面、粗悪な内容であればこれまた拡散されて興行面でダイレクトに影響を及ぼす。
もっか公開中の『鋼の錬金術師』は公開初日こそ原作ファン等が大量に押し掛け大盛況だったものの悪評が広まるや動員も大幅に落ち込み、正月映画でありながら果たして年を越せるのか冷や冷やな状況の様です。地元のシネコンも夜一回に上映が削減されてたりします。

そんな折、ハガレン原作未読のワタクシですが、果たしてどんな作品なのか興味本位で先日鑑賞。
上映が打ち切られる前にとりあえず見ておこうという感じですね。

それではいつもの様に感想タイムでございます。

正直日本の映画界において漫画原作のアクション映画はかなり消化されきった感はあります。
少々CGに力入れてるという程度では我々鑑賞する側も十分な満足は得られなくなってます。
つまり表面的なものにプラスして付加価値が求められてる段階かと思うのですが、そこは製作者の腕の見せ所といったところでしょう。

今年の作品で言えばその点をクリアした作品といえば『銀魂』や『亜人』が挙げられます。
アクションシーン、カメラワーク、役者の演技更に脚本や演出などが実に見事に作り上げられ、魅了されました。
興行収入の数字も物語っていると思います。

ところがそれ外してしまうと目も当てられない事になってしまうのは『進撃の巨人』や『テラフォーマーズ』が過去に証明してくれてるので言わずもがなでしょう。

さて、このハガレン
事前の悪評は目にしてたので思い切りハードルを下げて見たのですが、聞きしに勝る歴史的駄作になってしまってました。
あまりに酷すぎて寝てしまいましたよ、体調は万全だったのにね(笑)
内容さえよければ仮に寝たとしてもリベンジ鑑賞に挑む気にもなるのですが、そんな気にさえならない残念さでして『進撃』や『テラフォーマーズ』に匹敵するレベルかなと感じました。

まず世界観が日本人キャストに合わなさすぎる。
どう見てもヨーロッパぽい町並みと登場人物を全て日本人だけでやるという時点で無理があってその世界観に入り込めませんでした。
主要キャストのみならずエキストラも全て日本人ですからね。
東洋人の顔立ちなのに髪の色だけ赤毛がズラズラっと並んでる光景を見たらどこのコミケで撮ってんだ?とツッコミまくりでしたよ。
もはや映画という名を借りたコスプレショーかと思いました。

CGとかアクションは悪くはなかったですよ。
ただ、前述の『亜人』が記憶に新しいだけにどうしても霞んでしまう。
松雪泰子さんの存在感は際立っててよかったと思いますが。

他に印象的なものはあるのか?と言えばはっきり言ってないです。

本田翼ちゃんが可愛かったという程度の感想なら出ますがもはや映画としての論ではありませんからね(笑)

舞台設定や作風に無理がありましたね。
主演の山田涼介くんだけならともかく小日向文世さんや國村準さん、大泉洋さんといった存在感のある名優を持ってしても補えきれなかった部分はありますからね。

漫画原作の実写版は原作ファンへ訴求したものであると同時に原作未読の新規ファン開拓という側面を併せ持ってるものでもあります。

その意味においては何とも残念な作りになってしまったのは否めません。

それにしても酷い映画なら酷い映画なりに色々ツッコミたくなったりするものですが、本作においてはそんな気にすらならない。

ブログ内容が酷くなるのもお察し下さいませ(笑)

仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwith レジェンドライダー

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仮面ライダー」シリーズ作品がクロスオーバーする「MOVIE大戦」シリーズの流れを汲む、平成ライダーが共闘する劇場版「仮面ライダー平成ジェネレーションズ」の第2弾。2017年9月から放送を開始した「仮面ライダービルド」と、その前作として17年8月まで放送された「仮面ライダーエグゼイド」を中心に、「仮面ライダーオーズ」「仮面ライダーフォーゼ」「仮面ライダー鎧武」「仮面ライダーゴースト」という平成シリーズ6作品からライダーが集結する。スカイウォールという巨大な壁で3つに分断された仮面ライダービルドの世界に、エグゼイドの敵であるバグスターが出現。正体不明の敵に対し、仮面ライダービルド=桐生戦兎は為す術がない。一方、エグゼイドの世界でも同じ現象が発生し、スカイウォールのある世界が地上へと迫っていた。
映画・com より


昨年TOHOシネマズでゲットしたフリーパスを手に普段鑑賞しない映画を見ようと興味本位で鑑賞した『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』。
パックマンとのコラボも斬新ですっかり虜になってしまったこのワタクシ。
今年も大きなお友達と化して見て参りました!『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ FINAL  ビルド&エグゼイド with レジェンドライダー』です。

思えば去年、仮面ライダーを見てきたと友人に話したところ、「え~、子供ばっかりやろ~?」なんて呆れられたものですが、例えば「アベンジャーズを見てきた」とか「ジャスティスリーグを見てきた」と話した場合、同じ反応をしますか?
強いヒーローが集まり敵と戦うアクション映画という視点で見た場合、つくり自体は同じですからね。何ら恥ずかしい事はありません。
現に僕以外にも大きなお友達の姿はちらほらと散見出来ました(笑)

それにしてもライダーがズラッと勢揃いするシーンは圧巻ですね!
まさに豪華絢爛、横並びでバイクに乗ってるシーン等見所満載ですよ!

今作には6人のライダーが登場するのですが、注目はやはり福士蒼汰演じるフォーゼではないでしょうか?
今やすっかり売れっ子の福士くんですが、まるで自分の実家に帰ったかの様にいきいきとした演技をしていました。
髪型もキメッキメでしたね(笑)

また、そんな福士フォーゼの母校で教師を勤めるアンガールズ田中さんも良い味だしてましたね。
基本コメディ要員としての配役なのですが、学校が襲撃された際には身を呈して生徒を守ろうとする男らしい一面を見せたり。
バラエティの田中さんしか知らない人なら見直しちゃいそうです。(役とはいえね・笑)

そして今回悪役を演じたのはあの大槻ケンジさん。
筋肉少女帯のボーカリストであり、独特なキャラクターで人気を博したあのオーケンさんです!
そのオーケンさんの顔立ちとメイクは悪役にピッタリ!
日本のアクション映画はこれまで何でこんな素晴らしいキャストを逃してきたのか不思議でならない程のはまりっぷりでした!

さて、仮面ライダーと言えばウルトラマンと並ぶ国民的ヒーローなのですが、こんな事を思った事はありませんか?

彼らは何で戦うのだろう?

と。
特に目に見える形で人から評価されるでもない、怪人を倒す事でギャラが発生するなど物質的金銭的な見返りがあるわけでもない。なのに何で自分の時間を犠牲にし時には命をも賭して戦うのか?

そんな答えがこの作品には詰まっています。
それは各ライダーそれぞれに答えがあります。
しかし総じて言えばそこに敵がいるからであり困っているからでありそして何より仮面ライダーとしての使命だからなのです!

そんな深いテーマが盛り込まれており、大人もうなる様な内容でした!

更にエンドロールも印象的でして、歴代ライダー達の主題歌がメドレーで流れます。
こういうのは好きな人にとってはたまらないでしょうね~。
最後の最後までファンサービスに徹した作品作りも好印象でした。

それにしても「FINAL 」と銘打ってるという事は来年からはどんな展開になるのでしょうか?
今回の福士蒼汰くんの様に佐藤健くんとか菅田くんを起用したら更に注目度高まるかもしれませんよ、東映さん?

探偵はBARにいる3

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札幌ススキノを舞台に事件を解決に導くハードボイルドなバディシリーズ3作目。監督はこれまでの橋本一から吉田照幸(『あまちゃん』、『疾風ロンド』)に交代。そして脚本は過去作同様に古沢良太。ヒロイン・マリ役を北川景子が演じる他、前田敦子、志尊淳、リリー・フランキーなど充実した初参加陣に加え、田口トモロヲ松重豊安藤玉恵などのレギュラー脇役陣も存在感を発揮しています。


さて、過去二作同様劇場鑑賞してきたワタクシ。すっかりこのシリーズのファンと言っても過言ではありません。


北の繁華街、札幌・ススキノのネオン街。
ニッカウイスキーの巨大ネオンとタイトルバック、そしておなじみのテーマ曲が流れると「お~、きたきた!」といやがおうにも気分が盛り上がります!

そんな本作ですが、冒頭で広がる北の大雪原の光景に目を奪われます。
はちみつぱいという絶妙な選曲と共に雪原を走る一台のトラック。
北国の雪景色と共に一気に作品の世界へ誘ってくれます。
しかし、そんな光景の中、戦慄が走ります。
雪景色を舞台に殺人事件が起こるのです。


ところ変わってススキノのとあるキャバクラ。遂に本作の主人公・探偵と助手の河野が登場。
どうやらここでも何やら事件が。
と言ってもここでの事件は実にくだらないです。
キャバクラのお姉ちゃんのオッパイを揉んだのは誰か探偵は持ち前の推理力をもってあっさりと事件は解決します。

くだらない、実にくだらないです!
でもそこがたまりません!
なぜならそれがこの作品の世界観でもあるからです。
シリーズ初見の人でもすぐに作品へ投入する事が出来る。
実にわかりやすい構図ゆえに作品としての掴みはバツグンです!

そして本作が始まると次々に登場してくる個性豊かな面々。
印象的なキャストをピックアップしていきますとまずこの人ほどうさんくさくまずお近づきになりたくないくせ者を演じさせたら右に出る者はいないのでは?と思わせる悪役のリリー・フランキー
これまで数々の映画でのっぴきならない厄介者を演じてきましたが、今作ほどリリーさんのキャラクターに合致する役もないのではと思わせる演技力は素晴らしかったです!
ダーティー面においてはピカイチなリリーさん。
この人は良い人を演じたらメチャクチャいい人だし悪役を演じたら徹底したワルになるんですよね。
決して本業じゃないのにね(笑)

志尊淳くんのアクションも見ごたえありました!
志尊くんと言えば『帝一の國』とか現在公開中の『覆面系ノイズ』の様などちらかと言えば女子受けするアンニュイなイケメンイメージが強いのですが、元々は戦隊モノ出身ですもんね、アクションうまいわけだ!
古巣東映だけに彼のうまい使い方を心得ていたのでしょうかね。

そして何と言ってもヒロイン・マリ役を演じた北川景子さん。
本作を端的に現すなら北川景子劇場とでも言うべきかとにかくそれだけ存在感が際立ってました。
本シリーズのヒロインの特徴というと悲劇的もっと言えば破滅へ向かうヒロインという印象でして一作目の小雪さん、二作目の尾野真千子さんといずれも魅力的なのですが、最終的には復讐そして悲劇~破滅へと転じていきます。
今作の北川景子さんも同様でしてススキノの街を当てもなくさまよっていた薄幸の女性~モデル事務所の敏腕経営者そして破滅へと突き進んでいきます。
しかし、破滅という共通性はあるものの自ら死を選んだ一作目のヒロイン、破滅へ向かうも大泉洋演じる探偵によって踏みとどまった二作目のヒロインに比するとこの三作目のマリはあるところでは尤も悲劇性に富んだヒロインといえます。
その辺りはネタバレになるので控えますが、この波乱万丈に満ちた女性を演じる北川景子がとにかく美しくも繊細で儚い。
そんな北川景子さんを見るだけでも価値のある内容だと思います。

また、札幌市長も登場したり北海道日本ハムファイターズ栗山秀樹監督も登場したりと地域一体での映画つくりに共鳴します。
いいですね、ご当地映画って。


しかし、その一方やはり気になる部分というのはありまして手放しでこの映画を称賛出来ないのも確かです。

本シリーズの特徴といえばハードボイルドとか男くさいとか色々ありますが、突き詰めていけば「エロ・グロ・ナンセンス」なんです。
適度にエロくて程よいグロさがあってバカバカしい程のナンセンスさ。

ナンセンスなコメディとしての部分は悪くなかったです。
そこはコメディを得意としてきた監督を起用した良い部分が活かされたと思います。

しかし、エロさやグロさがまるっとそぎおとされてしまったんですよね。
というのもこれまではPG-12指定、つまり小学生以下のお子さんは必ず保護者同伴が義務づけられていたわけです。
ところが本作はPG-12の指定を外した…という事は幅広い層に見てもらう為にハードな描写を削らざるを得なかったという事情があります。
確かに門戸を広げたい気持ちはよくわかります。
しかし、そもそもこの作品の主要な客層は大人メインでしょ?
しかも割とディープな志向の強い人が多そうなイメージなのですが…。
徹底して「エロ・グロ・ナンセンス」にこだわってコアな層に支持される唯一無二な作風をつくり上げた方がよっぽど理にかなってると思うんですよ。

確かに見やすくはなってるけど従来からのファンには物足りないんじゃないでしょうか?


と一ファンから苦言を呈してみました。
次作は原点回帰の探偵ワールドを期待してますよ!